2019年度のアカデミー賞ノミネート作品のうち主要作品を全て見たので、独断と偏見のもと受賞作品を予想しました。結果と比べるとどうだったのでしょうか。
2019年アカデミー賞作品賞予想と結果
ノミネート作品はこちら。
人気や評価などを考えると、この中で受賞する可能性が高いのは以下の3つでしょう。
さすがに「ブラックパンサー」はないと思います。「ブラックパンサー」が受賞したら授賞式会場のみんながずっこけるんじゃないかな。それはそれで見てみたい気もするけど。
三作品のうちやたらと批評家から高い評価を受けているのは「ROMA/ローマ」で、もしこれが受賞するなら、それはそれでまあ納得はできるし、仕方ないかなという気もします。面白い映画ではないけど、優れた部分はあるのは認めざるを得ません。
一方、万が一「ボヘミアン・ラプソディ」が受賞したら、そのときは「ふざけんじゃねー」です。じゃあなにかい。これから俳優に海外の有名バンドの物真似させて、ライブ映像を再現すればそれでいいのかって話になりますよね。
前置きが長くなりましたが、僕の予想はもちろん「グリーンブック」。これはおすすめです。感動しました。泣きそうになりました。友情っていいなあ。友達っていいなあって思う素敵な映画でした。ぜひ見てください。
というわけで作品賞の予想は「グリーンブック」。
ー追記ー
見事予想的中しました!
2019年アカデミー賞主演女優賞予想
ノミネート女優はこちら。
- オリヴィア・コールマン『女王陛下のお気に入り』
- グレン・クローズ『天才作家の妻 40年目の真実』
- レディー・ガガ『アリー/ スター誕生』
- メリッサ・マッカーシー『Can You Ever Forgive Me?(原題)』
- ヤリッツァ・アパリシオ『ROMA/ローマ』
ここから絞ると、次の女優たちが接戦を繰り広げそうな予感がします。
- グレン・クローズ『天才作家の妻 40年目の真実』
- ヤリッツァ・アパリシオ『ROMA/ローマ』
- オリヴィア・コールマン『女王陛下のお気に入り』
僕的には、レディー・ガガに一票あげたいところです。デビュー作であそこまでできるなら大したもんだし、十分輝いてたんじゃないかな。でも受賞には至らないんじゃないかと思います。
ゴールデングローブ賞の流れでグレン・クローズが受賞する可能性は結構高そうです。ただ、女性がどうしたこうしたとフェミニスト向けの発言をして感動と支持を得ようとするスピーチが気になりました。
#metoo問題などを考えると、演技うんぬんではなく政治的な理由から、彼女を支持するのがいいみたいな雰囲気になると公平な評価が下せるのかなぁと心配になってしまいますね。だって演技が良かったかと言われると、普通だったもん。
『女王陛下のお気に入り』のオリヴィア・コールマンも普通でしたね。わがまま女王のキレ芸が見どころだけど、肝心な迫力があまりなかったかな。
一方で『ROMA/ローマ』のヤリッツァ・アパリシオは地味で、静かで、リアルな演技をしていて評価に値しますね。本物のメイドにしか見えなかったもん。ちなみにヤリッツァ・アパリシオの本業は教師で演技は未経験だそうです。すげえなあ。
というわけで主演女優賞の予想はヤリッツァ・アパリシオ。
ー追記ー
受賞したのはオリヴィア・コールマン。残念。
2019年アカデミー賞主演男優賞予想
ノミネート俳優はこちら。
- クリスチャン・ベール『バイス』
- ブラッドリー・クーパー『アリー/ スター誕生』
- ラミ・マレック『ボヘミアン・ラプソディ』
- ヴィゴ・モーテンセン『グリーンブック』
- ウィレム・デフォー『永遠の門 ゴッホの見た未来』
この中だと、ラミ・マレック(ボヘミアン・ラプソディ)とヴィゴ・モーテンセン(グリーンブック)の一騎打ちになるんじゃないでしょうか。
ブラッドリー・クーパーはないと思います。なんでノミネートされているのかも分かりません。ただの大根だろ。
ボヘミアン・ラプソディのラミ・マレックはメイクして物まねしてただけなので演技がどうとかいうパフォーマンスじゃなかったよね。ベリーダンス踊ってくれなかったからダメです。
それに比べてグリーンブックのヴィゴ・モーテンセンは、本人かどうかも分からないぐらい別人になってたし、イタリア系アメリカ人のユーモアなキャラを見事に演じていましたね。
ちなみにヴィゴ・モーテンセンがノミネートされるのはこれが3回目だそうです。今回は獲るでしょ。
というわけで男優賞はヴィゴ・モーテンセン。
ー追記ー
受賞したのはラミ・マレック。
2019年アカデミー賞助演女優賞予想
ノミネート女優はこちら。
- エイミー・アダムス『バイス』
- マリナ・デ・タヴィラ『ROMA/ローマ』
- レジーナ・キング『ビール・ストリートの恋人たち』
- エマ・ストーン『女王陛下のお気に入り』
- レイチェル・ワイズ『女王陛下のお気に入り』
正直、助演女優賞にノミネートした人の中で印象的なパフォーマンスをした人は一人もいませんでした。
それになんでエマ・ストーンとレイチェル・ワイズの二人は同じ作品からノミネートされているんですかね。一人にしろよ。どっちが受賞したら気まずいだろ。
特に誰が良かったというのはないので消去法で行くと、『ROMA/ローマ』のマリナ・デ・タヴィラかなと思います。
『ROMA/ローマ』では夫に逃げられるシングルマザーを演じていて、メイドにきつく当たる雇い主でもありました。その当たり散らし方がリアルで、ああいるいるこういう主人って思いましたね。印象に残ったのはそれぐらいだったけど、この中ではマリナ・デ・タヴィラしかいないんじゃないんでしょうか。
というわけで助演女優賞はマリナ・デ・タヴィラ。
ー追記ー
受賞したのはレジーナ・キング。
2019年アカデミー賞助演男優賞予想
ノミネート俳優はこちら。
- マハーシャラ・アリ『グリーンブック』
- アダム・ドライバー『ブラック・クランズマン』
- サム・エリオット『アリー/ スター誕生』
- リチャード・E・グラント『Can You Ever Forgive Me?(原題)』
- サム・ロックウェル『バイス』
この中だと『グリーンブック』のマハーシャラ・アリと『バイス』のサム・ロックウェルの対決になりそうですね。二人ともすでに助演男優賞を受賞している経験者対決ってことです。
ちなみにマハーシャラ・アリは2016年「ムーンライト」で、サム・ロックウェルは2017年に「スリー・ビルボード」で受賞しています。
どっちも上手いですよね。でもさすがに二年連続サム・ロックウェルはないと思うんだよなぁ。パフォーマス的にもマハーシャラ・アリのほうが良かったと思うし。だって道路で泣きながら話す、あの名シーンにはやられたもん。
というわけで助演男優賞はマハーシャラ・アリ。
ー追記-
見事、マハーシャラ・アリが受賞!予想的中。
2019年アカデミー賞監督賞予想
ノミネート作品はこちら。
- アルフォンソ・キュアロン『ROMA/ローマ』
- ヨルゴス・ランティモス『女王陛下のお気に入り』
- アダム・マッケイ『バイス』
- スパイク・リー『ブラック・クランズマン』
- パヴェウ・パヴリコフスキ『COLD WAR あの歌、2つの心』
この中だと、次の監督が競りそうです。
- アルフォンソ・キュアロン『ROMA/ローマ』
- アダム・マッケイ『バイス』
- スパイク・リー『ブラック・クランズマン』
単純に面白かったのは、『バイス』と『ブラック・クランズマン』なので、どちらかの監督が受賞してもらいたいですが、『ROMA/ローマ』の評価がやたら高いので、アルフォンソ・キュアロンが獲っちゃうような気がします。まあ、そうやって深読みしようとすると、大概外れますが。
というわけで、監督賞はアルフォンソ・キュアロン。
ー追記-
見事、アルフォンソ・キャアロンが受賞!予想的中。
2019年アカデミー賞脚本賞予想
ノミネート作品。
- デボラ・デイヴィス&トニー・マクナマラ『女王陛下のお気に入り』
- ポール・シュレイダー『魂のゆくえ』
- アダム・マッケイ『バイス』
- アルフォンソ・キュアロン『ROMA/ローマ』
- ニック・バレロンガほか『グリーンブック』
この中だと、間違いなく以下の作品がトップです。
『魂のゆくえ』は予想外なストーリーで大衆向けではないです。一方で『グリーンブック』はユーモアあり、感動あり、友情ありの子供から大人まで楽しめる映画で、全体的なバランスがいいのは断然『グリーンブック』のほうです。
というわけで脚本賞は、ニック・バレロンガとその他になります。
ー追記-
見事、ニック・バレロンガとその他が受賞!
2019年アカデミー賞長編アニメーション賞予想
ノミネート作品はこちら。
- 『インクレディブル・ファミリー』
- 『犬ヶ島』
- 『未来のミライ』
- 『シュガー・ラッシュ:オンライン』
- 『スパイダーマン:スパイダーバース』
今回なにげにレベルが高いのがアニメ部門ですね。『未来のミライ』以外は全部良かったです。『未来のミライ』がここにいる意味が分かりません。
『インクレディブル・ファミリー』、『犬ヶ島』、『シュガー・ラッシュ:オンライン』、
『スパイダーマン:スパイダーバース』とそれぞれそこそこ楽しめたんですが、中でも『スパイダーマン:スパイダーバース』の映像にはびびりましたね。
あの映像は体験しておくべきです。革新的な技術を導入したという意味でも、今回は『スパイダーマン:スパイダーバース』で異論はないんじゃないかなぁ。
というわけでアニメーション賞は『スパイダーマン:スパイダーバース』。
ー追記-
見事、『スパイダーマン:スパイダーバース』が受賞!
2019年アカデミー賞外国語映画賞予想
ノミネート作品はこちら。
- 『Capernaum(原題)』(レバノン)
- 『COLD WAR あの歌、2つの心』(ポーランド)
- 『ROMA/ローマ』(メキシコ)
- 『万引き家族』(日本)
- 『Never Look Away(原題)』(ドイツ)
残念ながら外国語映画賞の作品は、まだ全部見れていないので予想ができません。いかんせんマイナーな映画なのですぐに見れるかどうかも分かりません。
ただ、予想はできないけど、『万引き家族』を応援したいですね。だって普通に面白かったから。おそらく『万引き家族』と『ROMA/ローマ』の戦いになるんだろうなぁ。『ROMA/ローマ』は作品賞にノミネートしてるんだから、そもそもここに出てくるなよって思うんだけどね。どうなることやら。
ー追記-
コメント
今朝の産経朝刊がNetflixの「ローマ」を大きく取り上げてます。作品賞にノミネートされたことが業界で物議をかもしていると。
映画とは何か?
北川れい子「Netflixは映画文化を根本から変えてしまう恐れがある」と懸念。らしいです。
分からないわけでもありませんが、勝算は低いと思いますね。
僕はNetflixの金は出すけど口は出さない、というスタンスは気に入ってます。
ネットフリックスはいろいろ革命起こしてますね。1800円払ってわざわざ映画館まで面白いかどうか分からない作品を見に行かなきゃならない映画文化は変わるべきだと思っています。