映像だけで見る価値のある新世代アニメーション。これでストーリーがもっと面白ければ絶賛してたところです。52点(100点満点)
スパイダーマン: スパイダーバースのあらすじ
マイルズ・モラレスはスパイダーマンに憧れるティーネイジャー。彼は両親の希望もあってエリートたちが通う寄宿制の高校に進学したものの、新しい学校になかなか馴染めないでいた。
そんな彼はある日、クラスメイトのグワンダことグウェン・ステイシーと仲良くなり、彼女に惹かれていく。
恋のアドバイスを叔父のアーロン・デイヴィスに聞きに行くと、叔父はマイルズ・モラレスに適当な助言だけして、彼を地下鉄の立ち入り禁止区域に連れて行き、そこの壁を使ってマイルズ・モラレスにグラフィティーを描くように勧める。
マイルズ・モラレスはグラフィティーにも夢中だった。あっという間に壁にクールな絵が完成した。すると、そのとき一匹の放射性クモが彼の手に止まり、噛みついた。その瞬間、スパイダーマンのスーパーパワーがマイルズ・モラレスの体に宿ったのだった。
スパイダーマン: スパイダーバースのオリジナルキャスト
- シャメイク・ムーア
- ヘイリー・スタインフェルド
- ジェイク・ジョンソン
- ニコラス・ケイジ
- キミコ・グレン
- マハーシャラ・アリ
- リーヴ・シュレイバー
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スパイダーマン: スパイダーバースの感想と評価
ボブ・パーシケッティ、ピーター・ラムジー、ロドニー・ロスマンによる共同監督作品。
マーベルのヒーロー映画ではあるもののマーベル・スタジオではなく、ソニーピクチャーズが中心となって製作したアニメーションで、まるでコミックの中にいるかのような映像が斬新で、これまでにない新しい体験が得られます。
見どころはずばり絵と音楽ですね。声優キャストもなにげに豪華です。ニコラス・ケイジや「グリーンブック」のマハーシャラ・アリまで出ています。
話題のアニメーションはCGの上から手書きで仕上げたそうです。あるときはコミックの絵のように見えたり、またあるときは3D映像のように見えたりして贅沢でした。
それも3D眼鏡を付けなくても3Dかのような感覚を覚えるナチュラル立体映像になっていて、そうかと思うとドットが肉眼で見えたり、同じ映像に粗さと細かさの両方が共存している不思議な仕上がりになっていました。
これは体験する価値ありです。アニメーションの世界においては革新的だし、今後のスタンダードになる可能性を秘めていますね。それにしてもアメリカのアニメの技術革新は止まらないですねぇ。
やっぱりヒーローものはアニメのほうがいいですね。なんでそもそもコミックで描かれているものを実写化する必要あるんだろうって話なんですよ。このままソニーピクチャーズはアニメ路線で行ったらいいと思います。「ヴェノム」みたいな中途半端な実写映画はもうお腹いっぱいです。
黒人の少年がヒーローなだけあって、音楽はヒップホップやR&Bなどを中心に選曲していましたね。カッコいい曲が多かったです。
それ以外でも主人公のマイルズ・モラレスはグラフィティーが好きだったり、何かとストリート系のカルチャーを反映させていて「ブラックパンサー」なんかよりもずっと黒人文化に対するリスペクトが感じられます。
それなのに黒人の間で特に盛り上がっている、といった話題は聞きませんね。わざとらしいオールブラックキャストとか、オールアジアンキャストとかにしないと、人種的には話題にならないのかなぁ。黒人の子供たちはむしろ「ブラックパンサー」のほうに憧れを抱くんでしょうか。
主人公のマイルズ・モラレスはアフリカ系アメリカ人だけでなく、お母さんはヒスパニック系という設定になっていて、「黒人」のヒーローというだけでなく、さらなるマイノリティー色を出しているのが特徴でした。
ときおりスペイン語のセリフがあるので、スペイン語圏の視聴者は喜びそうだけど、どっちつかずになった感はありますね。あれで対象がブレた、という可能性は否めないです。
ディズニーで例えたら同じ映画に「リメンバー・ミー」と「プリンセスと魔法まほうのキス」の主人公がいるみたいな感じになっていてターゲットを広げたせいで、感情移入という意味では特に誰にも響かなかったということも考えられそうです。
ストーリー性はよくあるヒーロー映画と変わらないですね。白人ばかりの学校で浮いた存在である黒人少年が、スパイダーマンに変身し、元祖スパイダーマンのピーター・パーカーから教えを受けながら成長していき、悪者から街を救う様子を描いていきます。
前半はテンポが良く、すごく面白かったんですが、後半色んなスパイダーマンが登場してはダレていくのがもったいなかったですね。
感覚的には2時間半ぐらいあったような気がしたけど、上映時間は2時間ないぐらいなんですね。なんか後半やけに長く感じたなぁ。
豚のスパイダーマンとか日本の女子高生キャラみたいのまでいたりして、遊び心があるのはいいんだけど、ストーリー的には主要キャラはマイルズ・モラレスとピーター・パーカーの二人だけでよかったですよね。
クラスメイトのグウェン・ステイシーの存在感は薄いし、主人公が恋心を抱くヒロイン役のくせに最後は普通の友達になって終わるっていうね。だったら余計いらないじゃん。
敵キャラも改善の余地ありですね。叔父のアーロン・デイヴィスはなんで敵側に回ったんですかね。確かに悪そうな顔はしてたけど、あの辺のバックストーリーもないとね。ラスボスのキングピンなんてただの太ったおっさんじゃないですか。なんであいつがあんなに強いんだよ。
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コメント
色々言いたいことがあるんですが、まず親友を亡くして他人と距離を置くようになったが、また人との深い繋がりを取り戻すっていうのがグウェンなので別に恋心的なところまでは言ってないと思います(意識はしてるでしょうが)
あとキングピンは太ってるように見えて全身筋肉の塊だからっていうのと圧倒的財力があるから強いんです。
アーロンおじさんの件は作中登場するスパイダーマン達が経験している親しい人との死別が主人公が最も慕うおじさんっていうのが物語の肝だったでしょ。
バックストーリー云々やなんでこんなキャラなのか分からないっておっしゃってますが単純に勉強不足としか言いようがありません。辛口批評ブログという程でやるのには宇多丸さんや町山さん程とまでは言いませんがある程度調べたりしないと、納得しようがありません。
貴方に圧倒的に足りないのは論の証拠となる部分です。
昨日ふと気が向いて、観て来ました。
私も映画男さんとほとんど同じ感想です。
ていうか、もっと辛辣でもいいんでは、、くらいの。。楽しめなかった。
「勉強不足の人お断り!」なんて立て看板が映画館の入り口かどっかにあったら観に行かなかったんですけどね。。
後半ダレましたね。
>>ジャンクション へ!
あのな!!映画はな!!勉強じゃないんだよ!!!
娯楽なんだよッッッ!!!
楽しみながら読ませて頂きました。
やはり「アメコミ」としてのスパイダーマンについての事前知識を観客に求める映画なのかな、と思いました。
少年ジャンプより長い歴史を持ち、ある意味「サザエさん」や「ドラえもん」「ウルトラマン」「仮面ライダー」位に背景もキャラも認知されているアメリカで「当たり前」に作られた映画です。スーパーマンが漫画の中で死んだ時、新聞やニュース番組で特集が組まれた国の映画です。
馴染みなければ「置いてけぼり感」だけが残るでしょう。
今回映画で描かれたスパイダーマン達とパースは既に「正史」の中に登場しているとか、東映のスパイダーマンや巨大ロボット迄本家では登場していて、観客は「何だ今回は出ないのか」等楽しみながら見る「馴染み客」視点とは異なる意見はとても興味深いものです。
ちなみに今回のマイルスの世界は私達の世界とは異なります。
ほら、更に混乱してきたでしょう(笑)
次元とかタイムトラベルとか出て来ると、もうお手上げです。