天才作家の妻40年目の真実は感情論で語るな!感想とネタバレ

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作家の妻はゴーストライターだったという、現実であってもおかしくない物語。映画作品としては上質だけど、ヒロインのばばあに腹が立ってくる話です。57点(100点満点)

天才作家の妻 40年目の真実のあらすじ

映画『天才作家の妻 -40年目の真実-』予告編

“現代文学の巨匠”と呼ばれているアメリカの作家ジョゼフはノーベル文学賞を授与されることになり、妻のジョーンと息子と共に、授賞式が行われるストックホルムにやってきた。

だが、彼らの前に記者ナサニエルが現れたことで状況は一変する。ナサニエルはかねてからジョゼフの経歴に疑いを抱いており、彼らを執拗に追い回し、問いただす。

実はジョーンは豊かな文才に恵まれており、かつて作家を志していたが、あることがきっかけでそれを断念していた。ジョゼフと結婚後、ジョーンは夫の“ゴーストライター”として、世界的作家となる彼の成功を支えてきていたのだった。これまで一見完璧に見えた2人の関係が、ジョゼフのノーベル文学賞受賞をきっかけに崩壊していく。

wikipediaより

天才作家の妻 40年目の真実のキャスト

  • グレン・クローズ
  • ジョナサン・プライス
  • クリスチャン・スレイター
  • マックス・アイアンズ
  • ハリー・ロイド

天才作家の妻 40年目の真実の感想と評価

ビョルン・ルンゲ監督による、生涯夫のゴーストライターとして小説を書き続けた女性の物語。ノンフィクションなのかと思ったら、メグ・ウォリッツァーの小説の映画化です。

いかにもフェミニストたちが拍手喝采を浴びせ、大喜びしそうな不平等で理不尽な結婚生活を苦しみ耐えた女の人生を描いた物語で、吐き気がしましたね。

演出は派手さがなく、終始夫と妻の静かな会話によって構成されています。喧嘩するシーンはあるものの高齢だからか、あるいは上品なお二人さんだからかギャーギャー度は低めです。

大人の恋愛ドラマといった雰囲気があって、第三世代に向けているのかなあ、という気配がしました。

特に大きなサスペンスがあるわけじゃないし、クライマックスはタイミングが良すぎだし、できすぎていてリアリティーには欠けるものの、全体的には最後まで見れるクオリティーに仕上がっていました。

納得できなかったのは映画の質ではなく、むしろヒロインの考えや行動のほうにです。

物語は、ある晩、アメリカ人有名作家のジョゼフのところに一本の電話が入るところから始まります。それはなんとノーベル文学賞の受賞を知らせる朗報でした。

ジョゼフと妻のジョーンは大喜びし、息子を連れて授賞式の会場であるスウェーデンの首都ストックホルムに向かいます。

式のリハーサルから本番にかけてジョゼフとジョーンは忙しさやプレッシャーから情緒不安定になります。

女好きのジョゼフは妻が近くにいるにもかかわらず隙間時間を見つけては写真家の女性に手を出そうとしたり、一方のジョーンも考えることがあって一人になろうとしたり、ジョゼフの自伝を書こうとしている記者とお酒を飲んだりして別々の時間を過ごします。

やがて記者は、妻のジョーンが夫の代わりに小説を書いているのではないか、といった疑惑を投げかけ、息子にまで暴露してしまいます。

それをきっかけに夫婦の関係性が崩れていき、ジョーンは夫からリスペクトされていないと痛感し、授賞式の最中に式場を出て行ってしまう、というのが話の流れです。

実際にあってもおかしくない話だし、もしかしたら誰も気づいていないだけで、ヘミングウェイとか川端康成とかにもゴーストライターがいたかもしませんよね。こんなこと言うと、怒られちゃうか。

でもたとえそういう人がいても全然ありだと僕は思うんですよ。別に村上春樹の小説を奥さんが書いてたとしてもいいじゃないですか。なにか問題あります? どおりで文章が女々しいかと思ったよって納得できるし。

それはさておき、本作のテーマはノーベル賞作家にゴーストライターがいたかどうかというよりも、女性作家が社会的に認められなかった時代に妻が夫の代わりに自分の名前を伏せて小説を書き、自分の代わりに夫を成功させた、という女性の生きざまにフォーカスしています。

それがなんだか胡散臭く、いかにも性差別に敏感な女性たちが喜びそうな題材だなあって思っちゃいましたね。

それに加えてゴールデングローブの授賞式ではジョーン役を演じたグレン・クローズが女性賛美の演説をしたのが話題になりました。

[HD] Glenn Close Wins Best Actress | 2019 Golden Globes

万が一こんなノリで見ちゃうと、もう冷静に見れるはずもなく、感情論でこの映画を議論しようとすれば、ヒロインに対して「男の影に隠れなくてもいいんだよ。つらかったよね、正直に生きようね」って応援したくなるんでしょうか。

実際、僕の周りにもこの映画を絶賛していたフェミニストベジタリアンがいたんですが、そいつとはちょっとした口論になりましたもん。

僕からしたら「いやいやお前も納得したうえでマーケティングの手段として夫の名前で売り込むことに賛成してたんでしょ?」って冷めた思いになってしまうんですよ。

だって夫が売れて、家族が裕福に暮らせたんなら十分に妻としても恩恵を受けているんだし、なにをいまさら私は頑張ってるのに認めてもらえない、リスペクトされていないみたいなこと言い出すんだよって話じゃないですか。そんなに承認欲求が強いなら最初から自分の名前で書けよって。

佐村河内守のゴースト作家、新垣隆じゃないけど、仕事として割り切って裏方の仕事をしてたのに相手がやたらと売れてしまったもんだから強い嫉妬心を覚えて、エゴをむき出しにしていく姿は醜いですねぇ。

チームとして働いていたんだったらお互いのポジションを貫けよって。それが嫌だったら辞めればいいだけじゃん。

結局、あのおばちゃんはノーベル賞に振り回されただけじゃないですか。なんだかんだいってもお前はスタンディングオベーションが欲しいだけだろって。一度でいいから舞台の上でパチパチされたいみたいな文化なんなんですかねぇ。薄っぺらいなぁ。

それも旦那が死んでから全部真相を告白しますみたいなのって絶対ダメだろ。だって向こうは反論の余地がないんだから。

夫のことを憎んでいたり、侮辱されているような気がするっていうのなら離婚すればいいけど、授賞式の当日にそれを切り出したり、反則技しか使わないじゃん。

そんでもって旦那が発作で倒れたら、今度は「アイラブユー」とか言い出すし、お前はどんだけずるいんだよ。

見方によってはジョーンが殺したとも言えるんじゃないかな? 夫の最高の晴れ舞台で、心理的な爆弾を投下して殺すのを計画してたのだとしたら相当な悪ですよ。

コメント

  1. RenoBank より:

    これはこれは、面白そうなのが続きますね!
    これも日本では当分先ですか(ため息

  2. 通りすがり より:

    ビジネスに家族を絡ませるから憎悪まみれの厄介な話になったんかと。
    世間知らずの若い頃の決断が悪知恵つきまくりの年寄りを苦しませるというか。割り切れない環境に身を置くのは恐ろしいね~。