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レクイエム・フォー・ドリームは秀作!感想とネタバレ

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この記事は 約5 分で読めます。

最初はゆっくり始まり、徐々にエンジンがかかり、ピッチを上げていく覚醒映画。快感と興奮と恐怖とちょっとした笑いを同時に味わえる変わった作品です。68点(100点満点)

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レクイエム・フォー・ドリームのあらすじ

サラ・ゴールドファーブは夫を亡くし、一人寂しくニューヨークのアパートで暮らしていた。彼女の唯一の楽しみはテレビショッピングの番組を見ることだった。

ある日、サラのもとに彼女の大好きなテレビ番組への出演依頼の電話がかかってくる。サラはまるでそのことが信じられず、舞い上がってしまう。

電話の男はすでに当選したのであとは申請だけしてくれればいいといって書類を送ってきた。サラは友人たちにテレビ出演のことを話し、本番のときには自慢のドレスを着て行くことを思いつく。

それは息子のハリーの卒業式で来た赤いドレスだった。しかし太って体格が大きくなったサラには昔のドレスは入らなかった。なんとしても痩せようと、サラはその日からダイエットを始めることにする。

最初は軽いダイエットだったのはずが、サラは友人に簡単にやせられる薬があると聞いて、病院で処方してもらう。毎日何度も薬を飲むうちにサラの体重はみるみるうちに痩せていった。

一方、息子のハリーは麻薬中毒で恋人のマリオンと親友のタイロンの三人で機会があればいつもヘロインでキメていた。

三人はいつでも好きなだけドラッグをやるために、自分たちで路上でドラッグの売買をする。お金を作ってハリーはマリオンと洋服屋を開けることも夢見ていた。

ところがタイロンはある日、麻薬組織の銃撃戦に巻き込まれてしまい、警察に逮捕されたり、ストーリーのドラッグの価格が急騰したせいで三人はいつしか金に困るようになる。

やがて自分たちでやる分のドラッグの欲しさにハリーは恋人のマリオンに売春させ、破滅の道へと歩んでいく。

レクイエム・フォー・ドリームのキャスト

  • ジャレッド・レト
  • エレン・バースティン
  • ジェニファー・コネリー
  • マーロン・ウェイアンズ
  • クリストファー・マクドナルド

レクイエム・フォー・ドリームの感想と評価

レスラー」、「ブラック・スワン」、「ノア 約束の舟」、「マザー!」、「パイ(π)」のダーレン・アロノフスキー監督による、音と映像とアイデアを駆使した出世作にして傑作。ヒューバート・セルビー・ジュニアの小説の映画化です。

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ドラッグにおぼれて廃人になっていく登場人物たちを効果音とBGMを巧みに使ってリズミカルに描いた完成度の高い悲劇です。

2000年公開の映画ですが、今見てもカメラ、効果音、編集の仕方はアイデアに溢れていますね。当時、見た時は衝撃を受けました。

ラン・ローラ・ラン」もそうだけど、ちょうどこの頃から画面を分割するのがまた流行りだした感があって、何度もスクリーンを二分割にした編集が行われていますね。

ドラッグでキメる一連のシーンは短いカットをつなぎ合わせた音楽のビデオクリップのようですね。今になって見返すと、多少しつこさは感じるけど、音の使い方に関してはとても上手です。

ストーリーは、やせ薬にはまる母親と、ドラッグの金欲しさにドラッグのディラーを始める息子と恋人と友人のエピソードを平行して映していきます。

最初こそどちらもバラ色の人生を手に入れたかのように錯覚に陥るのに対し、薬にはまるにつれ、健康を害し、まともな思考を持てなくなり、やがて廃人となる、という話の流れになっています。

男女の転落を分かりやすく描いていて、母親のサラは精神病院に入院し、息子ハリーと友達タイロンはドラッグ中毒となり、警察に逮捕されます。そして恋人のマリオンは金欲しさに大人のパーティーに仕方なく参加する、といったようにそれぞれが破滅へと向かいます。

ドラッグにはまり人生を棒に振るった話は枚挙にいとまがないですが、これほどダークでエグい映画はそうそうないし、教訓として見るのもいいし、スリラーとしても楽しめるし、同時にブラックコメディーのような要素もありますね。

それにしても気持ちいいほどのバッドエンドで、ハッピーエンドの真逆を行っているせいか、ラストに清々しささえ感じてしまうのが不思議です。

目を覆いたくなるほどの「破滅」すらもエンタメに昇華させていて、後半になると愛情の欠片もない人間の非情さだけを一気に吐き出してくる感覚がたまりませんね。

いくつか笑えるシーンがあって、特にサラの行きつけの医者の態度は、おかしくて仕方なかったです。

患者の目は一切見ずにカルテにしか目を通さず、とにかく薬を処方しまくるというのが、まるで現実社会のやぶ医者たちをデフォルメしたようでした。

サラは薬のせいで体調を崩したのに、いざ病院に入院しても薬漬けにされ、余計に様態が悪化する、というのも皮肉で、十分にありえる話ですよね。病院の看護師たちがまた仕事中ずっと喋りながら機械的に患者と接しているのがリアルだなぁ。患者を人間だと思ってないもんね。

ハリー役はジャレッド・レトだったんですね。ジャレッド・レトは、てっきり最近出てきた俳優なのかと思っていたら、「パニック・ルーム」しかり、「ファイトクラブ」しかり、この映画しかり、結構前から頑張ってたんですね。この頃のジャレッド・レトはかなりの美少年で透明感がありますね。

一方でジェニファー・コネリーは下半身裸になったり、恥ずかしい行為をやらされたり、結構大胆なことに挑戦していて、女優としてこの作品で一皮むけたんじゃないかな。イメージ変わったもん。薬欲しさになんでもする女をよく演じたなぁ、と思います。

とはいえ母親サラ役を演じたエレン・バースティンのパフォーマンスがぶっちぎりでしたね。健康体からボロボロになっていく過程はまさに変身です。

髪の毛ボーボーで鼻水をたらし、独り言を言いながら地下鉄をさまよう姿とか本物の精神異常者じゃないですか。ああいうおばちゃん、道端でよく見かけるもん。

コメント

  1. Tkg より:

    「ちょうどこの頃から画面を分割する技術が出始めた」って。ずーっと昔からの技法で70年代なんかブライアン デ パルマの映画とかやりまくってますよ。

    デ パルマの分割画面多様で、タランティーノのが生涯ベスト10入りって言っていた。
    ミッドナイトナイトクロスって映画面白いですよ!

    感想もきいてみたいです。

    今観たら、ダルイとこ多々あるかもですが。。是非!

    • 映画男 より:

      ご指摘ありがとうございます。確かに技術が出始めたというのは間違いですね。再び流行りだしたといったほうがいいかもですね。訂正しました。