マザー!(原題Mother!)

宗教要素全開で迫り来る、シュールで全く怖くないサイコスリラー。中盤から最後までなんだそれ?の連続です。

映画「マザー!」のあらすじ

郊外で穏やかな暮らしを送っていた夫婦の家に、謎の男が訪ねてきた。妻はその男に不信感を抱いていたが、夫は快く迎え入れた。その日から、夫婦の家には代わる代わる訪問者がやってくるようになった。「このままでは何か良からぬことが起こる」という妻の訴えを真剣に取り上げようとしない夫だったが、彼女の不安はやがて現実のものとなった。

wikipediaより

映画「マザー!」は意味不明

レスラー」、」「ブラック・スワン」、「ザ・ファイター」、「ノア 約束の舟」などでお馴染みのダーレン・アロノフスキー監督による、玄人向けサイコホラー。

比喩、暗示、聖書の引用などで埋め尽くされた芸術ぶった空振り三振映画で、不快で滑稽で嫌味しか感じられない代物です。

物語は、ある日突然夫婦の家に怪しい男が訪ねてくるところからスタートします。妻の心配を他所に夫は男を追い返すどころか、家に泊めてあげることにします。

すると、翌日には男の妻や息子たちまで家に押しかけてくるはめになり、家庭の平和を乱していきます。やがて息子たちが喧嘩を始め、そのうちの一人が命を落すと、次々と友人、知人が家に現れては家を占領していく、といった流れになっています。

面白味を感じられるのは前半部分だけでしょう。後半からストーリーは表面的に意味を持たなくなる、あるいはシュールな展開の中に暗示された意味を探さなければならなくなり、見ていて面倒になります。ぶっちゃけ面白くなかったら、そこに隠されたメッセージとかどうでもいいんですよ。

真っ直ぐな思考で見ようとすると、よそ様の家に乗り込んできては好き放題していく来客たちに腹が立って仕方がないでしょう。なんでそうなるのと言いたくなる馬鹿馬鹿しい展開について行こうとすると、体力を無駄に消耗します。

思い入れのある自分の家を大事に使いたい妻。そんな彼女を挑発するかのようにキッチンのシンクに座ったり、勝手に壁を壊したり、ペンキを塗ったり、寝室でやりだしたりする来客たち。

そんな無礼で図々しい来客たちを妻が叱りつける、というやり取りが結構な時間続きます。それはまるで来客がボケて、妻が突っ込む、というお約束のコントを見ているようで、そのうち笑うしかなくなってくるでしょう。

唯一の見所はジェニファー・ローレンスのおっぱいでしょう。最初からやたらと胸を強調している服を着ていて、終盤では人々から無理やり脱がされ、胸を露にします。ただ、一瞬の出来事なので間違ってもそれを目当てに見ないほうがいいですよ。

映画「マザー!」の解説とネタバレ!

そしてこの手のつまらない映画が最も得意とする言い訳は、「このストーリーは聖書をモチーフにしている」です。詳しくいうと創世記を基にしているそうです。

なんでも妻は母なる大地を象徴し、夫は神を象徴しているんだってさ。招かざる客たちによる混乱は地上の地獄の様子を描いていて、神である夫が新しいものを創造しようとしています。

突然家に押しかけてくる男はアダムで男の妻はイブ。彼らがついつい魅せられて触ってしまうクリスタルは禁断の果実に置き換えられそうです。

二人の息子はエバが生んだカインとアベルをモデルにしており、兄弟同士が争い、弟のアベルが死ぬのもそのせいです。

そして妻が妊娠し子供を生みますが、その赤ん坊はキリストを象徴していて、やはり地上の人々に命を奪われてしまいます。

ラストは、神が地球を創造し、破壊するという行為を何度も繰り返すことによって、心臓(命)が灰に、灰がクリスタルに、クリスタルが新しい家に変わり、その家には新しい母親がいる、といった感じでしょうか。

様々な解釈ができそうだけど、こんなに興味をそそられないラストもありません。そもそも聖書なんて興味ねえよっていう人にはやっぱりどうでもいい比喩の数々でしかなく、おそらく宗教心強い人でも、説明されないとピンと来ないんじゃないですかね。

何が嫌だって聖書の物語を再現すれば芸術だと思っている監督です。ダーレン・アロノフスキーは「ノア 約束の舟」でも同じように聖書をモチーフにしているし、もういい加減しつこいなぁ。

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