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デビルズ・バスは退屈な宗教ホラー

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暗くて静かでスローで、舞台は大昔の欧州の田舎町といった眠くなる要素満載の恐怖映画。前半部分は絶望的につまらないです。13点

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デビルズ・バスのあらすじ

1750年オーストリアである女性が、泣き叫ぶ赤ん坊を抱えて森の中を歩き、滝の上から赤ん坊を投げ落とす。その後、彼女は自ら当局に赴き、「私は罪を犯した」と告白。彼女は拷問され、指やつま先を切り落とされた後、斬首され、遺体は村の広場に晒された。
アグネスは信心深く、感受性が強く、自然と強い結びつきを感じる性格の持ち主だった。アグネスは愛する男性ヴォルフと結婚し、村の農家に嫁いだ。結婚当初、彼女は新しい生活に希望を抱き、結婚の花冠を自然の素材で作るなど、喜びを見出したが、ヴォルフは感情的に冷淡で、酒飲み仲間との時間を優先し、アグネスとの親密な関係を築こうとしなかった。また、ヴォルフの母は支配的で、アグネスに厳しい家事や妻としての役割を押し付けようとした。
アグネスは、子供を授かることを強く望んだものの、ヴォルフとの性生活はなく、彼女の願いは叶いそうもなかった。ある日、アグネスはヴォルフの仕事場である池で魚を捕まえようと試みるが、泥にはまって動けなくなり、ヴォルフに叱責される。この出来事が彼女の無力感と疎外感をさらに強めていった。
村で起こった悲劇もアグネスの精神に影を落とした。隣人のレンツが自殺し、その遺体は罪人として埋葬を拒否されたのだ。司祭は「自殺は殺人よりも重い罪」と説き、アグネスはその言葉に強い衝撃を受ける。彼女の心はますます重くなり、孤独と絶望が包まれるのだった。
アグネスは実家に戻ろうと試み、兄の納屋に隠れますが、兄はヴォルフに知らせ、彼女は無理やり連れ戻されます。家に戻ったアグネスは、抑鬱状態に陥り、起き上がることも家事をすることもできなくなる。ヴォルフと義母はアグネスの状態を理解せず、彼女を「悪魔に取り憑かれた」と見なした。やがて精神的に追い詰められたアグネスは信じられない行動に出てしまうのだった。

デビルズ・バスのキャスト

  • アーニャ・プラシュグ
  • ダービド・シャイド
  • マリア・ホーフステッター

デビルズ・バスの感想と評価

グッドナイト・マミー」、「ロッジ・白い惨劇」で知られるベロニカ・フランツとセベリン・フィアラ監督による時代劇ホラー。テンポが絶望的に悪く、さらにストーリーは説明不足で、時代背景を知ってから見ないとよく分からない退屈な映画。

舞台は18世紀半ばのオーストリアの閉鎖的な村で、その時代自殺は最大の罪とされ、自殺者の魂は永遠の地獄に落ちると信じられていました。しかし、殺人を犯して悔い改め、処刑されることで罪を清め、天国に行けると考える「代理自殺」という抜け道が存在した、という歴史的背景を基に描かれた話で、なぜかその背景をオープニングではなく、エンドロールのテロップで説明するという致命的なミスを犯しています。

そのためあらすじや事前に情報を掴んでいない視聴者にとってはなんのこっちゃ分からないストーリーになっていてまあつまらなかったです。プロローグで女性が赤ん坊を滝の上から投げ捨て、その罪を告白し、処刑されることで天国に行けるという歪な信仰心をもっと分かりやすく伝えないと、メインのストーリーとそれがなかなかリンクしていかないですよね。

ただ、万が一、最初に説明が入ったとしてもつまらないのは変わらなかったかもしれません。展開がスローすぎて眠くなるのが避けられないからです。最初の1時間ぐらいは夫に抱いてもらえないヒロインの欲求不満生活を見せるだけで、まあきつかったです。

そもそもあの時代の娯楽も何もない田舎町の新婚の男女がセックスレスになるのかよっていう疑問点も浮かびましたね。もし何らかの理由や事情があるならそこにも深く触れないと。夫が変な趣味の持ち主だったとか。

物語が動きだすのは1時間を超えたあたりでヒロインが精神を病んでからのことで、夫と姑に理解してもらえない彼女が絶望と孤独と鬱に悩まされて死にたくなり、でも自ら命を絶つのは大罪だからほかの人を殺して、告解を受け、処刑してもらったほうがいいという結論に達するのがだいたいの流れです。

いわばこの時代の宗教観によって「代理自殺」という理不尽かつ自分勝手で恐ろしい行動に出る人々が実際にいたんですよっていう話で、そのゴールにたどり着くまでの過程をお色気もスリルもなく、ダラダラ描いたのが失敗でしたね。ヒロインの心理的崩壊を丁寧に描いたって言えなくもないけど、多少なりともエンタメ性を含めないと今の時代はだめだよ。特に時代劇なんてただでさえ見るのがきついんだから。

それとヒロイン以外のキャラクター構築が甘く、夫にしても姑にしてももっと分かりやすいゴリゴリの悪党に描いてもよかったかもしれませんね。悪気がないから余計に怖いという見方もできますが、夫と姑のキャラが弱かったのもこの映画の物足りなさの原因の一つでした。

赤ん坊を心から望んでいたヒロインがもっと滅茶苦茶やってもよかったですね。村中の男たちと不倫するとか。あれだけ精神を病んでるのに、人の赤ん坊を連れて帰ってきて、夫に「返してこい」って言われたら素直に従うのには拍子抜けしちゃいました。

グッドナイト・マミー」が良質なホラーだっただけにどうしてもそれと比べてしまうというのもあるんでしょうか。ハリウッドホラーとは違って、静かな欧州ホラーも嫌いじゃないけど、これは静かすぎました。絶対寝ちゃうって。

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