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トム・アット・ザ・ファームは個性の塊!感想とネタバレ

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わたしはロランス」でお馴染みのグザヴィエ・ドラン監督による気味の悪い作品。20代にして監督だけでなく主演も難なくこなす才能もさることながら、今回の作品でもオリジナリティー溢れる独特の世界と先の読めないストーリーを構築していて見ごたえは十分です。56点(100点満点)

トム・アット・ザ・ファームのあらすじ

恋人のギョームがこの世を去り、葬儀に参列するために、彼の田舎に足を運んだトム(グザヴィエ・ドラン)。しかし、ギョームの母はトムのことを知らず、一 方ギョームの兄フランシス(ピエール=イヴ・カルディナル)はトムとギョームの関係を他言しないようにと強く言い聞かされる。フランシスに脅されるうち に、トムはフランシスに死んだ恋人の姿を重ね合わせるようになり……。

シネマトゥディより

トム・アット・ザ・ファームの感想

ひとつ説明が必要なのはグザヴィエ・ドラン監督もまたスペインのペドロ・アルモドバルのように同性愛を度々描いている監督だということです。

劇中に誰がゲイで、誰がストレートかなどいちいち説明しないため、その部分を知らずに見てしまうと意味の分からない話になってしまいます。

この映画でも、主人公トムが同性の恋人であるギョームを亡くし、葬式に出るために彼の実家を訪ねることから話がスタートします。

そこは畑意外何もない閉鎖的な田舎で、ギョームの家族は家畜で生計を立て、母親は自分の息子がゲイであることを知らず、兄はそのことを隠そうと努めます。

兄からすれば都会から来た同性愛者のトムは家族に恥をかかせる存在で、目の敵にし、ゲイであることを公言するな、と暴力を交えて脅迫します。

ストーリーの核となるのはこの兄とトムの奇妙なツンデレ&SMの交流で、お互い敵対しているわりにはまんざらでもなさそうな微妙な関係をカメラは追っていきます。

はっきりいってしまえば、登場人物の行動は理にかなっておらず、兄にしても、トムにしてもお互いが嫌ならさっさと追い出すか、出て行くかすればいいのにそうはなりません。

殴られても、脅されても、トムは恋人の兄にどこか惹かれて、もっと殴ってといわんばかりにくっついては離れ、またくっついては離れ、をただ繰り返すのです。

セックスシーンはひとつもありません。けれども全体的にやたらと性的な感じがするのが不思議でした。今にも誰かが誰かととんでもないスケベなことをしでかしそうな危険な香りがプンプンします。

トムと兄がやっちゃっても面白かったのになあとも思いました。また、監督であり、主人公を演じたグザヴィエ・ドランが中性的な魅力を持っていて、ゲイだけでなく女性からも相当モテそうな不思議少年のオーラが出ていますね。あのオーラなしではこの映画は語れないでしょう。

男性的でもあり、ゲイっぽくもあり、女性的でもあり、とにかくどんなタイプの人とでもセックスできそうな、まさに触る者みな傷つけるぜ的なあのやばい雰囲気は一体なんなんでしょうか。

終盤まではそれほどスリラー、スリラーしていないんですが、ラストにぞっとするシーンを一つ用意して見事なスリラーに仕上げていました。

途中で伏線を張っていて、感のいい人なら読めるのでしょうか。僕はまったく予想していなかったので、寒気がしました。

怖いというより、グザヴィエ・ドラン監督の手法に「すごいなあ」と驚かされた部分のほうが大きかったです。一体なにを考えているのでしょうか、この監督は。個性の固まりですね。

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