マルセルの夏・プロヴァンス物語は退屈!ネタバレと感想

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イヴ・ロベール監督による、ただただ幸せで裕福な家族を描いたほのぼの映画。お母さんやお姉ちゃんと一緒に安心して見られる作品で、誰も傷つかず、誰も死なず、登場人物に悪い人が一人も出てこない終始平和な物語です。32点(100点満点)

マルセルの夏 ~プロヴァンス物語のあらすじ

南仏、オーバーニュ。厳格で頼もしい父と、優しく美しい母の間にマルセルは産まれた。やがてマルセルが成長し9歳になった夏、弟を加えたマルセル一家と叔 父夫婦はバカンスのため、プロヴァンスの小高い丘にやってきた。それは彼の生涯の中でも、もっとも美しい思い出のひとつだった……。少年の父に対する様々 な想いが、プロヴァンスの美しい風景を背景に描かれる。

シネマトゥディより

読者のトミーさんのリクエストです。ありがとうございました。

マルセルの夏 ~プロヴァンス物語の感想

平和で幸せな物語だけど、それが面白いかというと、悲しいかな必ずしもそうではないのが現実です。

確かにマルセルを含め子供たちはみんな愛らしいし、お父さんお母さんも愛情に満ちて、視聴者たちはうっとりと優しい気持ちに漬かれるでしょう。

プロヴァンスの田舎の風景も心を和ませ、村人たちの素朴さも魅力的です。やがて子供たちは成長し、頭のいいマルセルが自分なりの哲学を身に着けていく過程も微笑ましいかもしれません。しかしそれが面白いかという面白くない。

僕はひん曲がった性格をしているので、こういう幸せな人たちの話をした物語より、ギスギスドロドロの「マルホランド・ドライブ」のような悲劇にどうしても惹かれてしまいます。

自分なりにそれはどうしてなのかと考えてみたところ、幸せな人たちはワンパターンであるから、という結論に至りました。

幸せなときというのは人は決まってまるで世の中に災いなんて一つもないかのようなキラキラと美しい目をして、のぼせ上がった表情をし、心に余裕が出て、棘がなくなり、丸くなります。

もちろん現実社会では幸せであるに越したことはないのですが、人に語り聞かせるとしたら、マルマルデレデレの人の話は鬼気迫るものがないからか5分で退屈してしまうのです。新婚夫婦の甘いエピソードとか少しならいい話で終われるけど、2時間聞いていられますか? 無理でしょ。

対して不幸な人の話や悲劇にはそれこそ無数のパターンがあり、最も人間性を映し出すのに適した材料だと僕は思っています。

物事が上手くいかなくなったときに逃げる者やドラッグに走る者、じっと堪える者やさらに大きな賭けに出る者といったようにその人の器がまざまざと出るのがトラブルに遭遇したときなのです。

僕からすると、あの幸せなマルセルのお父さんが子供を誘拐されたらどんな行動に出るのか、奥さんを殺されたらどんな復讐をするのか、といったことが気になってしょうがなかったです。そこを見せてくれないと僕の悪魔の部分が黙っていられなくなるのです。

マルセル家族のように平穏に暮らしている人たちって現実社会にもたまにいますよね。海外には結構いるけど、日本はどうなんでしょうか。

先祖代々裕福でお金に困ってなく、毎日やることといったら昼過ぎに起きてきてお茶なんかしながら近所の人たちとお喋りして、夜になったらどこかのホームパーティーに行って自慢話と噂話に花咲かせ、眠くなったら家に帰り、また次の日昼過ぎに起きる、といった生活を繰り返している人たち。

アラブ首長国連邦やカタールなどのオイルマネーがわんさかある国々の多くの国民も政府から住居を無料で提供されたりと厚遇を受けているから、ほとんど仕事をする必要がないと聞きます。

暑いから日中はあまり行動せず、涼しくなった夕方くらいからお出かけしたりして、タバコを吸いながら家族と談笑したりして一日を過ごしている人が多いそうです。それはそれで大変うらやましいことです。

けれど、面白いかって言ったらやっぱり退屈しちゃうんじゃないかと想像してしまいます。それとも彼らのような人たちはその退屈さえも幸せに変換できる術を持っているのでしょうか。

コメント

  1. ゆり より:

    こんにちは、この映画、続編があります。
    邦題『マルセルのお城』是非みてください。

    • 映画男 より:

      ゆりさん

      続編があるんですね。知りませんでした。機会があったら見てみますね。ありがとうございます。