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映画Mommy/マミーは天才的!ネタバレと感想

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Mommy

トム・アット・ザ・ファーム」、「胸騒ぎの恋人」、「たかが世界の終わり」、「わたしはロランス」、「マイ・マザー」、「ジョン・F・ドノヴァンの死と生」などでお馴染みのグザヴィエ・ドランが20代のときに撮った作品。子供を持つ母親が見たら衝撃を受けること間違いなしの家族ドラマです。77点(100点満点)

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映画Mommy/マミーのあらすじ

ギリギリの生活を送るシングルマザーのダイアン(アンヌ・ドルヴァル)は、15歳のスティーヴ(アントワーヌ・オリヴィエ・ピロン)と二人で生活している。彼女は最近矯正施設から退所したばかりの注意欠陥多動性障害の息子の扱いに手を焼いていた。やがて母子は隣の家に住む、今は休職中の高校教師カイラ(スザンヌ・クレマン)と親しくなっていき……。

シネマトゥディより

映画Mommy/マミーの感想

ちまたでは天才だ、天才だと言われているグザヴィエ・ドラン監督ですが、正直これまではどの作品もテーマや状況がマニアックすぎてあまり入っていけないことが多かったです。

独特の雰囲気とストーリー構成の巧みさは理解できても、どこか自分の中では遠い世界の物語といったある種の距離がありました。そのせいで強い印象を受けることがなかったんです。

しかし母子の関係を描いたこの映画で急激にその距離が縮まった感じがしましたね。これなら大人なら誰が見ても登場人物たちの心境に近づける、そんな普遍性がありましたね。

物語は三人の登場人物を中心に回っていきます。定職を持たないシングルマザーのダイアン、注意欠陥多動性障害の息子スティーヴ、そして隣人で吃音症を患っている休職中の教師カイラ。

彼らは共に笑い、踊り、衝突しながらも徐々に固い絆で結ばれていくものの、そのときの状況によって愛憎、友情、裏切りの狭間で揺さぶられていく、という展開になっています。

グザヴィエ・ドラン監督の映画は基本的にどれも暗いですね。会話の中にどんなにユーモアを交えようとしていても、そもそものベースが暗いから笑いは生まれにくく、楽しい映画という感想は持つ人は少ないはずです。

カナダのフランス語圏の気候や景色がそうさせるのもかもしれません。今にも自殺したくなるようなあの冷たくて、灰色で、絶望に満ちた雰囲気が滅入ってきます。

上映時間は結構長いんですが、全く先の読めないストーリー構成で、次から次へとサプライズを投げてくるので、釘付けにされました。

その最大の要因は登場人物に何をするか分からない危なっかしい人間がいるからで、この映画の場合は息子スティーヴが抜群の危なっかしさを発揮していました。

暴れん坊のスティーヴが一人前の大人になって結婚する、その姿を見て母親のダイアンは大変だったけどここまで育ててきてよかったと感極まる。

あそこでハッピーエンドにすることもできたのにあえてせず、そこからさらなる厳しい現実を叩きつけるあのいじらしさ。

あそこで終わっておけば感動の名作になっていたかもしれないチャンスを自ら投げ捨てたかのようで、あの意表をつく演出にグザヴィエ・ドラン監督のセンスと観客に媚びない強い意志が感じられました。

かといって彼が何を考えてるのかといえば、実際のところ誰も想像つかないんじゃないでしょうか。末恐ろしいです。

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