アカデミー賞外国語映画のノミネート作品。金持ちの作家が人生の終盤を迎え、パーティー三昧の派手な生活を送りながらも虚無感と喪失感に浸る爺臭い物語。41点(100点満点)
映画グレート・ビューティー/追憶のローマは退屈!感想とネタバレのあらすじ
作家兼ジャーナリストのジェップ・ガンバルデッラ(トニ・セルヴィッロ)は、65歳ではあるが若さに満ちあふれ、発想力豊かで、派手な生活を楽しむ一方、セレブの集いに言いようのないむなしさ感じていた。ある日、ジェップのもとに初恋の女性が死んだという知らせが届く。ジェップは喪失感を抱えながら、どこか暗い雰囲気が漂うローマの街をふらふらと歩く。
シネマトゥディより
映画グレート・ビューティー/追憶のローマは退屈!感想とネタバレの感想
「グランドフィナーレ」、「リオ、アイラブユー」、「LORO(ローロ)欲望のイタリア」、「The Hand of God」などで知られるパオロ・ソレンティーノ監督のスローで悲観的な大人の人間ドラマ。
対象年齢はずばり60歳以上です。自分は一体あと何年生きられるのかなあ、と思い始めた人が見たら共感する部分は多いかと思います。
主人公のジェップ・ガンバルデッラは65歳という年齢と、初恋の女性が死んだのをきっかけに過去を振り返ることが生活の一部になっていて、友人やローマの街を通じて自分の人生を回顧していきます。
会話のほとんどが人生哲学的で、最初はいいけど、だんだんと面倒くさくなってくるのは避けられません。映像もきれいで、雰囲気のある物語ですが、芸術の押し売り感が半端ないです。
序盤にいきなり、日本人観光客の集団がでてきて、イタリア人のガイドがほとんど理解できないレベルの日本語でローマの建造物を説明していました。
こいつ日本語絶対喋れないだろ、というのが分かるうえ、日本人観光客がどう見ても中国人なのです。
日本人のエキストラを雇うのは高いからイタリア在中の中国人にしておいたみたいな、せこさが嫌です。芸術路線でいくならああいう部分にまでこだわりぬいてもらいたいですね。
ジェップ・ガンバルデッラは女性にもモテて、苦労せずに女性をベッドにまで連れていくのですが、セックスにもそんな興味を持っていないような素振りを見せ、「一緒に寝はするけどセックスしないほうがむしろ美しいし、愛情が深まるよね、俺ってそういう領域に達してるからさ」的な気取ったダンディズムも披露していまいます。
上映時間も2時間20分近くあって、その間ずっとジェップ・ガンバルデッラが物思いにふけっているワンパターンな展開にはもっと変化が必要です。
普段ヘラヘラしているだけのチャラい男が急に寂しそうに、メランコリックになったりするから面白いんであって、真面目なおやじが真面目に考えているだけではリズムに緩急がありません。
いくつになっても女とやることばかり考えてるイタリア人のおやじのほうがまだ絵になりますね。それともラテン系のイタリア人ですらある程度の年齢になると、あんな風に急に哲学者みたいになるんでしょうか。それはそれで気持ち悪いです。
コメント
有名映画祭につぎつぎとノミネートされたと聞いて、興味津々でしたが、、、。疲れました。映画男さんがおっしゃるように、たぶん同年代になれば感情移入できるのかもしれません。競演の美人&セクシー女優たちもいままでの輝きに欠けてました。監督の意向かもしれませんが。。私はイタリア人じゃないけど、いつまでもエロいことで頭がいっぱいの老人になりたいです。
いきさん
コメントありがとうございます。イタリアではこの映画はどんな評価だったんでしょうか。一部の人たちに評価が高かったんじゃないかなんて推測してしまいます。考えすぎのおじいちゃんが面倒くさかったです。