リオ、アイラブユー(原題RIO, EU TE AMO/RIO, I LOVE YOU)

rioteamo

ブラジル人監督を中心に世界中の監督が「愛」をテーマにつづるショートストーリー。「パリ、ジュテーム」に続くシリーズもので映像、音楽はいいものの、ストーリーが小粒で、それほど印象に残らない作品。40点(100点満点)

あらすじ

Acho que Estou Apaixonado(ステファン・エリオット監督)

タクシー運転手とオーストラリア人俳優がひょんなことから一緒にリオの観光スポットであるポンジ・アスーカルでクライミングすることになる。頂上に着いた二人が見た景色とは。

La Fortuna(パオロ・ソレンティーノ監督)

エミリー・モーティマー扮する妻と年齢差のある夫がリオのビーチ、グルマリでひと時のバケーションを過ごす。病気がちの夫を気遣い体調を気にする妻だったが、海に泳ぎに行くと自分が不運に見舞われてしまう。

O Vampiro do Rio(イム・サンス監督)

ヴァンパイアの老人ウェイターが若い愛人とピクニックに行ったことがきっかけで、ヴィジガルの丘が一晩サンバに包まれる。

Pas de Deux(カルロス・サルダーニャ監督)

ロドリゴ・サントロ扮するバレーダンサーと彼のパートナーであり恋人がリオの劇場で開かれようとしている大一番を通じて二人の危機を乗り越えていく。

O Milagre(ナディーン・ラバキー監督)

ハーヴェイ・カイテル扮するアメリカ人俳優とアシスタントの女性がリオのガンボア駅の公衆電話を使おうとするが、路上生活者の子供にキリストからの電話を待っているからと言われて、なかなか使わせてもらえない。そこで二人はある粋な行動に出ることに。

Inútil Paisagem(ジョゼ・パジーリャ監督)

別れの危機に立たされた夫婦がペドラ・ボニータの上空をハングライダーで飛ぶことに。そこから見える景色はまるで別世界だった。

Dona Fulama(アンドゥルーシャ・ワジングトン監督)

ホームレスの老婆はある日リオの公園で自分の孫とばったり出くわす。二人は昔話に花を咲かせながら、自由を感じながら特別のひと時を過ごす。

Texas(ギジェルモ・アリアガ監督)

事故で片腕を失ったボクサーが恋人に手術を受けさせるために地下格闘技で必死でお金を稼ごうとする。ある日、そんな彼の前にあるアメリカ人の男が現れ、とんでもないオファーを出してくる。

A Musa(フェルナンド・メイレレス監督)

ヴィンセント・キャッセル扮する観光客はリオのコパカバーナに降り立つと、砂を使ってアートを作り出す。モザイクのストリートは彼にとって人々が音楽を奏でる美しい場所だった。そんな中、美しい脚をした女性に出会う。

Quando não há Mais Amor (ジョン・タトゥーロ監督)

倦怠期の熟年カップルがパケタ島を舞台に繰り広げる憎愛と喪失のドラマ。

ーーーーーーーーーーーーー

読者の森さんのリクエストです。ありがとうございます。

文句

「パリ、ジュテーム」、「ニューヨーク・アイラブユー」に続くシリーズ第三弾。同シリーズはいつも笑えて、とても面白いんですが、今回はあんまりでした。

キャストや監督はとにかく豪華です。

キャラメル」のナディーン・ラバキー監督、「プリシラ」のステファン・エリオット監督、「シティ・オブ・ゴッド」のフェルナンド・メイレレス監督、「エリート・スクワッド」、「バス174」のジョゼ・パジーリャ監督、「あの日、欲望の大地」のギジェルモ・アリアガ監督などすごい面子です。

それなのになぜこれだけの面子を持ってして、もっといい映画が撮れなかったのかは疑問ですね。もうちょっと一つ一つのエピソードにまとまりがあれば良かったんですが、いまいちなエピソードが多かったです。

物語は、リオデジャネイロを舞台にブラジル人や外国人の男女が繰り広げる恋愛劇といったところでしょうか。10のショートストーリーに分けられていて、あるストーリーはコメディ、またあるストーリーはシリアスなドラマといった感じにそれぞれの監督の色が出ています。

特に外国人監督がそうでしたが、リオに馴染みが薄いからかリオの特徴があまり活かせていませんでしたね。映像はきれいだし、音楽もいいけれど、別にほかの場所で撮っても良さそうな内容ばかりでした。特にブラジル的でもないので、この映画を見てもほとんどブラジルのイメージが沸かないと思います。

いまいちな原因は間違いなくブラジル人俳優と外国人俳優をごちゃ混ぜにして、英語とポルトガル語のミックスでストーリーを進めたことにあります。そのせいで誰に向けたストーリーなのかが分からなくなってしまい、視点がぶれていますね。日本人に英語を話させたり、外国人に日本語を話させる映画のほとんどが収集がつかなくなり、失敗するのと同じことです。

逆にブラジル人だけのストーリーは結構良いのもありました。浮浪者のお婆さんと孫のストーリーも良かったし、片腕のボクサーの話もアメリカ人さえ出てこなければ最高でした。

この企画は好きなので、次はぜひ「東京、愛してる」をやってもらいたいです。日本の監督が先陣を切ってやればいいんですが、そんなこと今の日本映画界にはムリかもしれません。東京の場合、「バベル」や「ロスト・イン・トランスレーション」の例もあるように案外、外国人監督が撮ったほうが綺麗で、いい映画が撮れそうですね。

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう