2015/10/18

ダラス・バイヤーズクラブ(原題: DALLAS BUYERS CLUB )

EXCLUSIVE: Matthew McConaughey and Jared Leto film scenes together for The Dallas Buyers Club in New Orleans.

72点(100点満点)

ストーリー

1985年、電気工でロデオカウボーイのロン・ウッドルーフ(マシュー・マコノヒー)は、HIV陽性と診断され余命が30日だと言い渡される。アメリカには認可治療薬が少ないことを知った彼は代替薬を探すためメキシコへ向かい、本国への密輸を試みる。偶然出会った性同一性障害でエイズを患うレイヨン(ジャレッド・レトー)と一緒に、国内未承認の薬を販売する「ダラス・バイヤーズクラブ」を設立するが……。

シネマトゥディより

文句
HIV陽性と診断され、余命30日と宣告された男ロン・ウッドルーフが生存に向けて、なりふり構わず海外に治療薬を探し求め、やがてそれを他の患者にも違法で販売し生計を立てていく、壮絶な死闘の様子を描いた感動作。テキサス州の新聞「ダラス・モーニングニュース」で取り上げられた記事が題材となっています。

主役を演じたマシュー・マコノヒーは、「MUD -マッド- 」や「マジック・マイク 」などに出ている俳優です。どちらかというとチャラいイメージが強く、正直苦手な俳優でした。しかしこの映画が始まった途端、そんなイメージが見事に崩れ落ちました。おそらく5、60kg台にまで落とした体重。病的な目。カウボーイ然とした態度。あの役作りに圧倒されずにはいられません。そのせいかマシュー・マコノヒー演じるロン・ウッドルーフが画面に出てきた瞬間に物語に引き込まれ、最後まで緊張感を保ったまま視聴できました。ちなみにもともとこの役はブラッド・ピットがやる予定だったそうです。

ロン・ウッドルーフは酒、ドラッグ、女に溺れた毎日を送っていました。そんなある日、職場で倒れ、病院へと担ぎ込まれます。そこで医者から「今生きているのが信じられない」と言われ、HIV陽性が発覚し、余命30日を告げられます。すると、あれだけ不摂生しながら生きていた男が自分の死を目前にした途端、エイズのことを徹底的に調べ上げ、生き延びようと奮闘します。ロン・ウッドルーフはメキシコに行き、大量の未承認の薬を仕入れ、自分が飲むだけじゃなく、それを他人に売りさばいて金儲けを始めます。これが大当たりし、ついには自ら違法のドラッグサプライヤー「ダラス・バイヤーズクラブ」を設立するのです。

物語の見どころは不治の病を患い、自分の生存のために薬を海外から仕入れているうちに、結果的に他の患者たちの命を救うロン・ウッドルーフの心境の変化です。テキサスはアメリカの中でも人々が閉鎖的で差別的であることで知られています。ロン・ウッドルーフも典型的なテキサスのカウボーイとして描かれており、口が悪く、マッチョな性格をしています。そのため最初は同性愛者にも差別的で、強い拒否反応を見せます。それがほかの患者たちと接しているうち、理解を示すようになり、「ダラス・バイヤーズクラブ」もゲイのパートナーと一緒に経営するようになるのです。あの展開はワンパターンではあるものの感動を生みますね。

もう先がないロン・ウッドルーフはアメリカ食品医薬品局(FDA)も、警察も、裁判所も恐れずに密輸を繰り返したり、勝手に処方箋を書いたり、と彼のがむしゃらさが見ていて爽快です。その一方で、なんで毎回逮捕されずに、切り抜けられるのかはあやふやにされていましたね。あの辺も脚色なんでしょうか。何度も言っていますが、こういう映画を事実として見るとバカを見ます。主要な登場人物であるゲイのパートナーのロイと女医のイヴの二人はフィクションらしく、ロン・ウッドルーフ自身もカウボーイだった過去はなく、バイセクシャルだという説もあります。娘もいるのに物語には出てきませんでした。

RonWoodroof

ロン・ウッドルーフ

おそらく監督が題材を集めているときに、「テキサス」、「カウボーイ」、「ホモフォビア」、「エイズ」といった連想を膨らませていった末にできあがったキャラがこの映画のロン・ウッドルーフなんでしょう。そしてこの手の映画の成功の是非は脚色の部分をいかに自然に作り上げるか、視聴者に疑問を抱かせないかどうかにかかっています。そういう意味ではこの映画は十分、成功したほうだと思います。

>>ダラス・バイヤーズクラブはアマゾンプライムで視聴できます。

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