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すべてうまくいきますようにはつまらないフランス映画!ネタバレ感想

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この記事は 約4 分で読めます。

安楽死したいフランス人が合法で死ねるスイスを目指す話。テーマもキャストも申し分ないけど、いかんせんエンタメ度に欠ける作品です。46点

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すべてうまくいきますようにのあらすじ

ある日、85歳のアンドレが脳卒中で倒れ、病院へと運ばれる。心配した娘のエマニュエルとパスカルは献身的にお見舞いに訪れ、父を励ますもアンドレの体の一部は麻痺してしまい、体が自由に動かせなくなっていた。

そのうち回復するから大丈夫だと励まされてもアンドレは寝たきりの状況を受け入れることができなかった。やがて彼はエマニュエルに安楽死をしたいから手伝ってくれと頼み込む。エマニュエルは反対したが、父の性格上反対しても意味がないことは分かっていた。彼女は仕方なく安楽死を手伝うことにするが、、、

すべてうまくいきますようにのキャスト

  • ソフィー・マルソー
  • アンドレ・デュソリエ
  • ジェラルディン・ペラス
  • シャーロット・ランプリング
  • エリック・カラバカ

すべてうまくいきますようにの感想と評価

彼は秘密の女ともだち」、「17歳」、「危険なプロット」「婚約者の友人」「グレース・オブ・ゴッド告発の時」、「2重螺旋の恋人」、「Summer of 85」のフランソワ・オゾン監督による、安楽死をテーマにした家族ドラマ。典型的なスローなフランス映画で淡々としすぎていてあまり面白くないです。

物語は、父親が脳卒中で倒れ入院する>寝たきりになる>安楽死を望む>家族が協力する、という流れになっていて、その間に様々なドラマがあるかと思いきやあんまりアップダウンがないのが特徴です。

これが邦画だったらこれでもかというぐらい感動ポルノに仕上げてくるんでしょうが、フランソワ・オゾン監督はかなり冷静かつドライに描いています。

死を題材にしているだけにもっと父親と娘との間で激しい攻防戦がありそうなもんですが、登場人物たちがそれぞれ死をすんなり受け入れすぎていてあっけに取られるほどです。娘は一応怒ったり、泣いたりするんだけど、リアクションが全体的に弱いですよね。そういう性格なんだろって言われたらそれまでだけど、フランス人なんだったらもっと物を投げたり、ブチ切れたりしないと。

家族の中でなんとしてもそれだけはやめろって阻止する奴らが出てきて、賛成派と反対派で大喧嘩するぐらいのバトルが見たかったですね。安楽死に反対する側が賛成派を殺しちゃうとかっていう話にしても皮肉でよかったかもしれません。殴られたお父さんが「俺を殺す気か?」とか言ってもいいし。いずれにしろあまりにもテンポが一定で、エマニュエルの顔ばかり映しているのが退屈で気になりました。

お父さんのほうも尊厳を保てないから死にたくなる、というのは一定の理解はできるものの、なんであんなに悟りを開いたかのように一寸の迷いもなく、カジュアルに死を選択できるのか信じられません。愛する家族もいる。可愛い孫もいる。会話もできるし、冗談も言える。でも生に固執しないっていう設定にはちょっと違和感を覚えました。

もっと途中でやっぱりリハビリしてみようかと考えを改めたり、やっぱりつらいから死にたいって口にしたり、優柔不断になってもよかったですよね。そうじゃなしにまるでレーシックの手術をするぐらいのノリで即決してしまうんですよ。

それでフランスでやると違法だからスイスに行きましょうとなって、娘たちが連れて行くと自殺ほう助になるリスクがあるから、介護サービスを使ってスイスまで車で送らせ娘たちは結果の報告だけ受けるというなんとも冷たい話になっていました。それともあれこそ温かいと受け取るべきなのか。

唯一温かみを感じたのは、安楽死のクリニックで働く高齢の女性キャラですね。彼女にはどこか様々な修羅場を超えた末に人々に優しくなれました的な寛容的なオーラがあって、安楽死の扱う人はあういう人であってもらいたいというファンタジーの世界のキャラっぽくてよかったです。あるいはもっとブランド品に身を固めた成金ババアとかでも面白かったんですけどね。大丈夫か、こいつみたいな。

実際、最近ではジャン=リュック・ゴダール監督監督がスイスで安楽死したと言われていますね。彼もまた病に苦しんでいたようですが、彼のようにフランスや欧州では安楽死が人々にとって当然のように選択肢の一つに入って来るんでしょうか。いずれにしろ賛否両論あるテーマなだけにもっと議論のきっかけとなるものを見せてもらいたかったですね。いまひとつでした。

コメント

  1. タンザワタロウ より:

    安楽死に興味を持っています。ただこの映画は「駄作」です。安楽死希望の主人公は、もっともっと悩んでほしかった。心の葛藤を見せてほしかった。娘もそうです。泣きわめいて反抗して、スイスの協会の人とやり合ったり、でも最終的には受け入れる、みたいな。本作は平凡でフラットな展開すぎますね。だから現実感が無い。スイスに着いてからすぐに実行される?あり得ないですね。私の知識では着いてから、医師の診断や意思確認や手続きなどで4~5日かかると聞いてます。前宣伝では「どんでん返し」があるようでしたが、全くありませんでしたね。普通の流れでしたね。駄作でした!