グレース・オブ・ゴッド告発の時は性的虐待の実話!感想とネタバレ

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フランスの巨匠が撮った、見ごたえ十分の実話ベースの人間ドラマ。カトリック教会で起きた衝撃の性的虐待被害の様子をつづった物語です。68点

グレース・オブ・ゴッド告発の時のあらすじ

自分を虐待した神父と30年ぶりに面会…『グレース・オブ・ゴッド 告発の時』本編映像

フランスのリヨンで妻と5人の息子たちと暮らすアレクサンドルは厳格なキリスト教徒だった。しかしかつて彼は少年時代にプレナ神父から何年にもわたって性的虐待を受けていた。

そのことがトラウマになり、大人になったアレクサンドルに大きな傷になっていた。ある日、アレクサンドルはカトリック教会に対し過去の虐待を告発した。

すると、カトリック教会はプレナ神父と会うことを提案してきた。実際に彼に会って話せば心の安らぎを得られるのではないか、などというのだった。

プレナ神父は悪ぶれる様子もなく、性的虐待をあっさり認めた。にも関わらずプレナ神父は何事もなかったかのようにそれからも多くの子供たちに囲まれて神父として活動を続けるのだった。

グレース・オブ・ゴッド告発の時のキャスト

  • メルヴィル・プポー
  • ドゥニ・メノーシェ
  • スワン・アルロー
  • エリック・カラヴァカ
  • ベルナール・ヴェルレー
  • フランソワ・マルトゥーレ

グレース・オブ・ゴッド告発の時の感想と評価

2重螺旋の恋人」「婚約者の友人」「彼は秘密の女ともだち」「17歳」「危険なプロット」などで知られるフランソワ・オゾン監督による、実際に起こった神父による性的虐待をテーマにした宗教ドラマ。ベルリン国際映画祭銀熊賞受賞作品です。

恋愛、サスペンス、エロスなどの要素が一切なく、重くてシリアスな社会派ドラマになっているものの、退屈することなく最後まで見れました。

変に前置きが長かったり、引っ張ることをせず、物語が始まってすぐに本題に入るのがいいですね。映画が始まって15分ぐらいで性的被害に遭った男性がプレナ神父と対面し、被害者と加害者の温度差が伝わってきます。

被害者のアレクサンドルからすれば相手の顔を見るのもつらい、といった心境に陥るのに対し、プレナ神父は自分は小児性愛者で病気だからしょうがない的な態度でやり過ごそうとします。

そこに反省の色は全くなく、プレナ神父は対談後ものうのうと神父として生きようとするのでした。

被害者の本当の闘いが始まるのはそれからで、カトリック教会は事件を大事にしないためにあらゆる手段を尽くし、またプレナ神父に対しても厳しい処罰を下すこともしませんでした。

そんな教会の態度に呆れたアレクサンドルはほかの被害者たちから証言を得るためにフランス中を探しまわり、たくさんの証拠を集めたうえで警察に被害届を提出する、というのがストーリーの流れです。

カトリック教会は世界中で同様の事件を起こしているので、これと似たような話は聞いたことがあるんじゃないでしょうか。アメリカでの出来事は「スポットライト」で描かれているし、ドキュメンタリー映画「フロム・イーブル ~バチカンを震撼させた悪魔の神父~」も衝撃の内容なので、興味がある人はぜひ見てみてください。

話はずっとアレクサンドル目線で進むのかと思いきや、まるで被害者たちがリレーをするようにバトンタッチしていきます。つまr主人公がその都度変わっていくんだけど、それがとても自然に構成されていて、面白かったです。

そしてそれぞれの被害者が自分の性的虐待の被害体験を語り、それがどのように今の人生に影響しているかを伝える、という作りになっていました。

ある者は完全に信仰を失い、ある者はそれでもキリスト教を信じ続けます。ある者は家族を築いて幸せな生活を送っており、またある者は過去のトラウマから人との関係が上手く築けなくなってしまっていました。

プレナ神父による被害者は全員が男性だというのもこの事件の特徴で、レイプ被害の男性の心理も上手く伝えています。

レイプ被害に遭った女性は、被害に遭ったことを口にするのをためらうとはよく言いますが、それは男性も同じで、男性社会で育った男はなおさら自分が小児性愛者の被害者だと告白することには抵抗があるようです。

男としてのプライドを傷つけられることはもちろん、それによって一生人々から奇異の目で見られ、変なレッテルを張られてしまうからです。

また、自分を救ってくれなかった家族に対して怒りの矛先が向く、ということにはこれを見るまで想像がつきませんでした。

なんで自分を地獄から救ってくれなかったんだ。なんで教会なんかに自分を行かせたんだ、という怒りが湧くんだそうです。そのことが家庭崩壊を招き、不幸を呼ぶのはいうまでもないでしょう。それだけ性的虐待のトラウマは重いんですね。

プレナ神父による犯行の手口はだいたい同じで、どの少年も暗い部屋に連れていかれ、そこで体を触られたり、キスをされたり、ペニスをしごかれたりしたそうです。

そんなクズ神父に限って大人たちからの評判が良かったりするから、子供たちは誰を信じていいか分からなくなりますよね。

地元の人々から尊敬され、キリストの教えを伝えるべく神父が実は悪魔だったという現実をどうやって受け入れるか、という問題はそのまま神を信じるべきかどうかという問題にも直結してくるわけで、被害者が信仰心を失うのはもはや仕方がないでしょう。

しかし驚いたことにほとんどの被害者がそれでもまだキリスト教徒を続けているんですね。それも自分たちの子供も同じように教会に通わせてるんですよ。あの感覚はちょっと理解に苦しみました。

悪いのは宗教じゃないといえばそれまでだけど、カトリック教会が組織的に事件を隠ぺいしていたのは明らかだし、自分たちの非を認めようとしない態度からしてもついていくに値しないと思うんだけどなぁ。

それでも信仰心が解けないのはある意味洗脳ですよね。あんなにひどいことをされてまで信じたい宗教ってなんだろうね。良き思想や教えがあっても結局は人間がダメにしていくんだよなぁ。

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