戦場からの脱出(原題 Rescue Dawn)


66点(100点満点)

ストーリー

ベトナム戦争中の1965年、米軍のパイロットであるディーターは敵に追撃され、捕虜になる。ジャングルの奥地に連れて行かれた彼はそこで何年間も身柄を拘束された仲間たちと合流する。毎日ろくな食事も与えられず、捕虜たちは体力も希望も失っていた。それでもディーターだけは可能性を信じて脱走計画を立てる。

感想
ベトナムで捕虜になったアメリカ兵の逃走劇。アメリカの戦争映画にしては特別大掛かりな爆発や戦闘シーンはないものの、捕虜の生活の凄まじさがリアルに表現されていて心理的、精神的に訴える迫力がある。主役を演じたクリスチャン・ベールの気合の入った役作りにただただ脱帽。ガリガリになるまで体重を落としたり、うじ虫を食べたりと、彼の仕事に対する熱意がそのままディーターの強い精神力、生命力となってこの映画に反映されていた。

昔からサバイバル映画が好きでよく見るんですが、サバイバル映画というのは大衆向けに作ると、雪山で銃撃戦を繰り広げたり、岩山から落ちそうになったり、とただのアクション映画になり下がってしまうことがしばしばです。そういう映画を見ていると、生存という行為はむしろもっと地味なんじゃないのかなあ、という疑問がいつもふつふつと沸き起こります。あるアメリカ兵の告白本に、「ベトナムで敵兵のグループに囲まれたとき十数時間も同じ姿勢でじっとしていたことがある」と書いてあったのを記憶していますが、銃を乱射して次々と敵を倒していくよりも、息を潜めてじっとしているそういう場面にこそ人間の生存へのすさまじい執念を感じます。その点、この映画は緻密な計画、地道な努力、鋼の勇気、そしてなにより絶対に生還するんだ、という強い執念に基づいた良質の生存劇だったといえます。

日本映画界にもできることなら、「日本沈没」や「海猿」なんてくだらない映画ではなく、こういうクオリティーの高い生存ものの映画を作ってもらいたいですね。特に日本には太平洋戦争終結から約30年間フィリピンで独り戦ってきた伝説のサバイバー、小野田寛郎少尉がいるんだから、彼が生きている間に壮絶なサバイバル記を絶対に映画化するべきです。おちおちしているとハリウッドにもって行かれちゃう可能性大。

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