2時間30分を超える眠たくなること間違いなしの拷問ミュージカル。どうせなら元ネタとは全く違う話にすればいいのにと思わずにはいられない、ダメダメストーリーです。17点
ウエスト・サイド・ストーリーのあらすじ
1957年のニューヨーク、マンハッタンのウエストサイドで白人のギャング、ジェッツがプエルトリコ人のギャング、シャークスと縄張りをめぐって衝突し、警察に止められる。警察はリンカーン・センターへと続く道の建設でその一体は解体されるのでこの場所をめぐって争うことはナンセンスだと言って聞かせた。しかしジェッツとシャークスにとってはそんなことは関係なかった。
ジェッツとシャークスのメンバーはある晩、ダンスパーティーで再び遭遇し、一触即発になる。ジェッツのリーダーのリフは喧嘩腰だったが、一方でリフの友人であるトニーはシャークスのリーダー、ベルナルドの妹マリアに一目ぼれしてしまう。
これにベルバルドは怒り狂い、両ギャングは決闘をすることで合意する。しかしトニーにとってそんなことはどうでもいいことだった。トニーはマリアのことしか考えられなくなり、彼女のアパートの非常階段で何度も密会した。
マリアはギャング同士の決闘が行われようとしていることを知っていた。彼女がトニーに食い止めるように頼むと、トニーは仕方なくリーダーのリフを自ら説得しようとする。
しかし努力もむなしく、闘いの日を迎えてしまい、シャークスのリーダー、ベルナルドがリフをナイフで刺してしまうのだった。
ウエスト・サイド・ストーリーのキャスト
- アンセル・エルゴート
- レイチェル・ゼグラー
- アリアナ・デボーズ
- デヴィッド・アルヴァレス
- マイク・ファイスト
- ジョシュ・アンドレス
- コリー・ストール
ウエスト・サイド・ストーリーの感想と評価
「レディ・プレイヤー1」、「ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書」、「BFG: ビッグ・フレンドリー・ジャイアント」、「ブリッジ・オブ・スパイ」、「リンカーン」などでお馴染みのスティーヴン・スピルバーグ監督による同名舞台劇の実写化。
ギャングドラマとミュージカルをミックスした見るに堪えない作品で、編集されていない長すぎるミュージックビデオみたいな作りになっています。完全にアカデミー賞狙いで製作してますね。
物語は人種の違う若者の男女がダンスパーティーで知り合い、恋に落ちるもお互いがライバル同士のギャングと関わりがあるため一緒になることは許されない、といった禁断の愛を描いていきます。
舞台劇の元ネタがシェイクスピアの「ロミオとジュリエット」なので、恋愛エピソードはそのまんまですね。それに対し、ギャングストーリーはニューヨークにおける白人とプエルトリコ人の抗争をテーマにしていて少年漫画チックな青春喧嘩ドラマみたいな演出になっています。
最大の問題点はそもそもミュージカルとギャングドラマのミックスが成立していないことでしょう。満面の笑みで踊るアメリカンミュージカルダンスと暴力にまみれたギャングストーリーが噛みあうわけがないんですよ。これならまだただの恋愛ドラマにしたほうがよかったし、最初はてっきりそういう話だと思って見ていました。
それが青春ドラマ風に若者たちが元気よく喧嘩をしているだけかと思ったら、いつの間にかナイフや銃が出てきて急に過激になっていくのには悪い意味で驚きました。そういえば「ロミオとジュリエット」も人がバタバタ死ぬんでしたね。それにしたってナイフで人を刺したり、銃をぶっぱなしたりするストーリーに対し、視聴者はどういう態度でミュージカルを楽しめって言うんでしょうか。どうせなら踊りながら刺したり、撃ったりすればまだよかったかもしれません。
踊りは確かに上手いんですよ。スピーディーだし、動きはキレキレだし、さすがダンスのレベルは高いですね。それだけにストーリーがつまらないのがもったいなかったです。踊りのレベルは高くても演技のレベルがB級じゃあ元も子もないです。
終盤の展開は無理がありましたね。自分のお兄ちゃんを刺し殺した男と、愛してるから一緒に逃げたいってなりますかね。二人の気持ちがあそこまで盛り上がる理由が見当たらない、というかそれをちゃんと伝えていないふしがあって一体今、どういう心理状態にあるのか分からないことだらけでした。
それをいうなら、そもそもギャングに属していて服役経験もある不良男に可愛くて純粋な女の子が惚れるのかっていう話だけどね。あれなら女の子も下品で粗野で口が汚く、ギャングっぽくしないと。まあ男たちももれなくギャングっぽくはなかったんだけどね。
ストーリーも酷いですが、もっと気になったのはプエルトリコ人役で出ているキャストのわざとらしいスペイン語訛りですかね。「ハウス・オブ・グッチ」のイタリア語訛りもそうだけど、外国語にするなら全セリフ外国語で喋ればいいし、そうじゃないなら英語で普通に話せばいいじゃんって思うんですよ。お前、絶対英語ネイティブだろってバレバレなのにスペイン語訛りが抜けないんですみたいな演出いらないから。
コメント
面白かったという声が多くて驚きました。元のストーリーは知らず、アンセル目当てに行きました。無駄に長く、掘り下げて欲しい所はさらっとしていてつまらなかった。誰1人として共感できる、また魅力を感じる登場人物がいなかった。とにかく退屈な時間でした。
これきついですよねえ。
ミュージカル好き+スピルバーグに惹かれて観に行ってしまった・・・が、何これ。
現代に合わせて翻案するとか、旧作をリファインするとかならともかく、
こんな何の展望も無い話、今更何故作った?!
演技パートとストーリーはグダグダなので、歌と踊りだけ集めたら良かったかもね。
映画男さんが17点て言ってんの、聞いとけば良かった。15点。
これはきついですよね。ほんと音楽と踊りだけでいいのに。