2016/01/23

ブリッジ・オブ・スパイ(原題BRIDGE OF SPIES)

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スピルバーグが得意とする、当たり障りのない友情&人間ドラマ。出てくる人は基本みんないい人で、アメリカ人もロシア人もドイツ人も誰が見ても喜びそうな中立の立場を保っただけのどっちつかず映画。42点(100点満点)

あらすじ

アメリカとソ連の冷戦のさなか、保険関連の敏腕弁護士ドノヴァン(トム・ハンクス)は、ソ連のスパイであるアベル(マーク・ライランス)の弁護を引き受ける。その後ドノヴァンの弁護により、アベルは死刑を免れ懲役刑となった。5年後、アメリカがソ連に送り込んだ偵察機が撃墜され、乗組員が捕獲される。ジェームズは、CIAから自分が弁護したアベルとアメリカ人乗組員のパワーズ(オースティン・ストウェル)の交換という任務を任され……。

シネマトゥディより

文句

アカデミー賞ノミネート」作品です。さすがスピルバーグですねえ。スパイの人質交換という本来なら心臓がバクバクしてもおかしくないような物語が彼にかかれば、まるでETが宇宙に帰るようなノリの友情ドラマになってしまいます。

圧倒的に緊張感が欠けています。主要登場人物がどんな状況においても誰も殺されないことが優しい演出から分かってしまうので、あくびをしながらでも鑑賞できます。スパイ同士ならもっと騙し合いでもしてくれたほうがこっちは嬉しいんですよ。ハニーとラップとか爆弾とか色々な罠を仕掛けてくれないのと興奮できないじゃないですか。

こんなことを言うと、必ず「原作馬鹿」と「事実馬鹿」たちが「ハニートラップなんて実際になかったのだから、ストーリーに入れられるわけねえだろ!」とか怒り出しそうで怖いです。

劇中ではロシアのスパイ、アベルに対してアメリカ側は批判はしつつも人道的に接したように描かれていますが、本当に拷問とかはなかったんでしょうか。敵国のスパイですよ、スパイ。それも冷戦真っ只中の。その辺の情報は明らかになっていないのか、それともただ映画で描かれなかっただけなのか分かりませんが、ソ連側はしっかりアメリカのCIAであるパワーズを拷問するシーンがありますね。ただ、あの拷問シーンにしても水をかける程度で甘っちょろいですけど。

スパイ交換をテーマにするなら、それが実現するまでの交渉がなによりの鍵になります。僕としてはもうちょっと巧みな交渉術が見たかったんです。ドノヴァン弁護がなんとしても二人の捕虜を連れ戻そうとする意気込みはよかったんですが、話し合いの場であれだけ強気に出られた根拠と勝算はなんだったのかが伝わってきませんでした。

それにしてもアベルは核情報を探っていたほどのスパイだったのによく死刑にならずに済みましたね。あの悪運の強さといったらないです。方や世界各国ではつまらない罪で捕まっても死刑になったりする人もいます。最近、中国でも日本人が相次いでスパイ容疑で逮捕されていますが、果たして日本政府は彼らを救出するためのカードは持っているんでしょうか。

報復として中国の役人とかを日本で逮捕して人質交換するという考えはないのかな。日本政府のことだから大使館員を数人刑務所に面会に送って終わり、というような気がして恐ろしいです。どうせなら日本のドノヴァン弁護士だとかいって、橋下徹でも交渉に連れて行ったらどうですか。