スポンサーリンク

フォーリング50年間の想い出はつまらない介護ドラマ!ネタバレ感想

※当サイトではアフィリエイトプログラムを利用して商品を紹介しています
※当サイトではアフィリエイトプログラムを利用して商品を紹介しています
この記事は 約5 分で読めます。

親父を悪く描き、主人公を美化した介護ドラマ。演技もストーリーもいまいちです。30点

スポンサーリンク

フォーリング50年間の想い出のあらすじ

ジョンは妹のサラと共に差別的で口の悪い父親ウィリスと心優しい母親グウェンに育てられた。しかし母のグウェンは父のウィリスの乱暴なところに耐えられなくなり、ある日ジョンとサラを連れて家を出てしまう。それ以来、ジョンはときどき父とは会っていたものの、乱暴な彼に対して強い苦手意識を持っていた。

それから数十年が過ぎ、ジョンは同性のパートナーのエリックとっ養女のモニカと一緒にカリフォルニアで暮らしていた。父のウィリスはすっかり歳を取り、認知症の症状が出始めていた。すでに母親は亡くなっていた。

父のウィリスは同性愛者のことも容赦なく侮辱し、ジョンも例外ではなかった。それでもジョンはウィリスのことを気にかけ、彼をできるだけ一人にさせないように奔走するが、、、、

フォーリング50年間の想い出のキャスト

  • ヴィゴ・モーテンセン
  • ランス・ヘンリクセン
  • スヴェリル・グドナソン
  • ローラ・リニー
  • テリー・チェン

フォーリング50年間の想い出の感想とネタバレ

偽りの人生」、「オン・ザ・ロード」、「グリーンブック」の俳優として知られるヴィゴ・モーテンセンが初監督した人間ドラマ。

乱暴で口の悪い父親が認知症にかかったことでさらに手が付けられなくなり、愛憎のはざまで苦悩していく息子の心境を描いた家族内トラブルストーリーです。

系統でいうと、「8月の家族たち」、「たかが世界の終わり」、「クリシャ」などに近いです。いわば親ガチャに外れた可哀想な息子、娘の話で、家族喧嘩が物語のメインになっています。

このジャンルの映画ってパターンはだいたい決まってますよね。散々喧嘩させて最後は仲直りか、あるいは家族の誰かが死ぬか、昔を振り返って家族が幸せだった時間を懐かしむか、おおよそ展開としてはそれぐらいじゃないでしょうか。

本作の場合、現在と過去を行ったり来たりしながら主人公の男性が父親に対する気持ちと向き合っていく様子がつづられていて、自分の家族も守らなければならない状況で、痴ほう症で性格の悪い父親とどう付き合っていくかがテーマとなっています。

監督であり、主演を務めたヴィゴ・モーテンセンの半自伝的ストーリーだなんて言われていますが、自伝的なのは親子の関係性だけで、全体の設定はほぼほぼ無関係ないでしょう。

まずだいいちに主人公がゲイで同性愛のパートナーと養女がいる、という設定になっているんですよ。つまり現代風に背景を意図的にアレンジしていて、そのせいで本来ストレートであり、女性とも結婚しているヴィゴ・モーテンセンの「半自伝的」という宣伝が通じなくなっていました。

早い話が嘘っぽいんですよね。父親が同性愛者に差別的だったり、主人公のパートナーがアジア系の男だったり、養女がメキシコ系だったり、かなり多様性を狙っているなあ、といったあざとさを感じました。ヴィゴ・モーテンセンもゲイの男性になりきれてなかったしね。

パートナーとキスするシーンがいくつかあるんだけど、全部わざとらしいキスなんだよね。この場面でそんなにディープなキスしなくてもよくないっていうところで、あえてグチョグチョのキスをするんですよ。

エピソードといえば父親との嫌な思い出を振り返り、また現在に戻っては父親が悪態をつくのを我慢して聞く、というのの連続で、ただただきつい話でした。口が悪くてもまだ可愛げのあるおじいちゃんならいいんだけど、本当に純粋なクソ爺だからね。

普通に考えてもあんな親父の面倒なんて見れないですよね。お金があるなら老人ホームに入れるべきでしょ。それを本人が断るなら、じゃあおひとり様で頑張ってくださいっていう話ですよね。

父のウィリスの場合は、もともと下品で乱暴者で家族に散々苦労をかけたから、なおさら子供たちは面倒を見る義務も愛情を返す必要もないんじゃないかなあ。

しかし現実では痴ほう症になる前は普通の上品で優しい人だったのに、ボケてからは口が悪くなり、汚い言葉を使って誰構わず罵るようになるっていうパターンもあるそうですね。そっちのほうがどうしたらいいか分からないくて家族は心痛むんじゃないでしょうか。

だから本作の父親のウィリスがヴィランのような存在にしてしまったのが間違いでしたね。息子、娘は終始視聴者の同情を欲しいままにするキャラなので、大変だなあ、とは思います。でも考えさせられることはないんですよ。

あれならむしろ父親のことは愛してるけど、自分の仕事もあるし、家族もいるから、介護だけやっているわけにはいかない、という息子の葛藤を描かなければいけませんでしたね。だってあれだけ嫌な奴に父親を仕立て上げてしまったら、息子が彼を無視しようが、放置しようが、あっさり共感できちゃうんだあら。まあ、あの親父ならしょうがないかって。

もし息子のジョンがヴィゴ・モーテンセン本人を投影したキャラなんだとしたら、自分を綺麗に描きすぎましたね。父親を悪い男にするんだったら息子も悪くしてよかったと思いますよ。散々、ひどいことを言われたんだから、喧嘩になったときは引っぱたいて家を出ていくでもいいし、二度と連絡を取らない選択肢があってもいいでしょう。

それか父親との良き思い出がもっとあったら愛憎や葛藤を描くのには最適だったんじゃないでしょうか。いい思い出が少なすぎだから。

介護って深刻な問題なんだから、果たして子供は親の人生をどこまで見届けるべきか、最期どこまで付き合うべきか、というのをもっと視聴者に議論させるような内容にするべきでしたね。

ラストは父親が一人のときにあっさり倒れて死んでいくんだけど、現実だったら寝たきりになったままなかなか死ななかったりするからね。そういう意味では綺麗にまとめたせいで面白くなくなった感がありますね。

コメント