偽りの人生(原題 TODOS TENEMOS UN PLAN)

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アナ・ピターバーグ監督による、いまいちな復讐ドラマ。全体的に辻褄が合わないです。46点(100点満点)

映画偽りの人生のあらすじ

ブエノスアイレスで妻と暮らすリッチな医師アグスティン(ヴィゴ・モーテンセン)は、誰もが憧れる生活を送るも空虚な気持ちを抱えていた。

そんな中、長年 会っていなかった一卵性双生児の兄ペドロ(ヴィゴ・モーテンセン)がやって来るが、アグスティンは兄を殺害してしまう。

アグスティンは殺害した兄と入れ替わり、新たな人生を歩もうとするのだが、生前ペドロが手を染めていた犯罪に関与することに……。

映画偽りの人生の感想

イースタン・プロミス」などで知られるヴィゴ・モーテンセン主演のサスペンスドラマ。

舞台はアルゼンチン、全セリフがスペイン語で、ヴィゴのこれまでとは違った一面が見れるのがいいです。

その一方で、辻褄の合わないストーリーが全体の出来に悪影響しているのが悔やまれる惜しい一本。

ヴィゴ・モーテンセンがアルゼンチンで幼少時代を過ごしていたというのはこの映画を通じて初めて知りました。

劇中でもアルゼンチン訛りのスペイン語を扱い、とても自然な演技でしたね。それならそうともっとスペイン語系の映画にも出演してもいいのに、という気がしました。やっぱり「イースタン・プロミス」で見せたような、強面のマフィア役が見たいですね。

この「偽りの人生」は南米独特の雰囲気のある映画になっていました。しかしなぜ医者で、何不自由のない暮らしをしていた男が、ゴロツキの双子の兄になりすまして生きていこうとしたのか、という点が明確にされておらず、アグスティンの行動に一貫性がありませんでした。

アグスティンはそもそも妻と喧嘩しても、言い合わずに部屋に閉じこもってしまうような争いの苦手な、温厚な男として序盤で描かれているのに、自分自身を自らやっかいなトラブルへと追い込んでいきます。

医者なのに兄を自分の手で殺してしまうのがその最もな例でしょう。妻と養子を受け入れるかどうかでもめていた、今の生活に不満があったとしても、わざわざ兄の生活と取り換える必要はなく、妻と別れればいいだけの話で、よりによって田舎町でさんざん悪さしていた兄の役目を果たす理由が見当たりません。

兄は兄で家のバスルームで変死したんだから、解剖とか行われそうなものですが。指紋を取ったらすぐに死んだのは弟じゃなくて、兄だってぐらいアルゼンチンの警察でもわかるでしょ、さすがに。

しかし辻褄のなさを指摘したら、この映画は前に進めなくなります。そこに目をつぶって採点するとしたらどうなるでしょう。舞台が田舎に移ってからのサスペンス劇はそこそこ面白かったです。

ロサを演じたソフィア・ガラが素朴でかわいい田舎娘っぷりを発揮していて、かわいくて存在感があり、主役のヴィゴ・モーテンセンを完全に食っちゃっていました。中盤以降、ヴィゴ扮するアグスティンとソフィア・ガラ扮するロサに恋愛させて、盛り上げを狙っていました。

しかしあの環境であの年の差カップル。二人がお互いどこに惹かれあったのかも理解できず、おいおいお前、8年連れ添った奥さんはどうしたんだ?とアグスティンに言いたくなりましたね。

やっぱりなにをどう甘く見ても脚本が穴だらけの映画でした。振り返ってみると、主役が一人二役で双子役をこなしている映画で面白かった映画を見た試しがありません。

どうせ双子じゃないんでしょ、という冷めた目で見てしまう自分がいるのです。なにより役者がもう一人の自分(双子の兄弟)と喋っているシーンの撮影現場を想像すると、恥ずかしくなるんです。

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