打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?

二つのストーリーを平行して伝える、青春恋愛ドラマ。田舎の風景、子供たちの純粋さ、奥菜恵の小悪魔ぶりがいいです。52点(100点満点)

あらすじ

小学生の典道と祐介は仲の良い友達だが、実は2人とも同級生のなずなのことが好きだった。しかしなずなの両親が離婚し、彼女が母親に引き取られて2学期から転校することになっているとは、2人には知るよしもなかった。親に反発したなずなは、プールで競争する典道と祐介を見て、勝った方と駆け落ちしようとひそかに賭けをする。勝ったのは祐介か? 典道か? 勝負のあとから、異なる2つの物語が展開する。

wikipediaより

文句

岩井俊二監督の唯一まともな作品にして、1993年にテレビで放映された特別ドラマ。あまりにも好評だったため後に映画としても公開された珍しい一本です。

そしてご存知の通り、あれから20年以上の月日を経てアニメ化されましたね。アニメ版も文句のリクエストをすでにもらっていますので、見たらここで感想を書こうと思います。その前に実写版のレビューで我慢してください。

1993年の作品だけに映像、演技、登場人物の服装などは当然のことながら古いです。しかしあの時代を生きた人なら、あまりの懐かしさに哀愁を覚えるでしょう。

チャンピオンのバスケットシューズ、テニスのアームバンド、スーパーファミコンなど当時の流行のアイテムがところどころに登場します。

1993年といえばサッカーのJリーグが開幕した年です。僕もそうですが、多くの子供たちはベルディ川崎と横浜マリノスの試合に熱狂したものです。そしてそんなセリフが劇中に小学生たちの口から飛び出すので時代を感じずにはいられません。

ある日、主人公の典道(山崎裕太)は親友の祐介(反田孝幸)とプールで50mを競い合います。そこにはたまたまクラスメイトの美少女なずながいて、審判として二人の泳ぎを見ています。

典道も祐介もなずなのことが好きで、泳ぎに勝ったら彼女に告白しようと決めていました。一方のなずなは勝った方を花火大会に誘い、そのまま駆け落ちすることを密かに考えていました。

ところがいざ競争が始まると、典道はターンするときに足を痛めてしまい、勝負に負けてしまいます。なずなは勝った祐介を花火に誘いますが、祐介は照れもあってか友達との約束を優先してしまい、せっかくのチャンスを台無しにします。

最初から勝った方を誘うつもりだったとなずなから聞いた典道は、もしあのとき自分が勝っていたらどうなっていただろうかと想像し、「もし」の世界が広がっていく、というパラレルストーリーになっています。

もともとこの作品は『if もしも』というドラマシリーズの中のエピソードの一つでした。そのドラマはどのエピソードもストーリーに2通りの結末を与えるという設定になっていて、アイデアが当時にしてはかなり斬新でした。

岩井俊二監督は、その企画の中で、泳ぎの勝敗によって物語を二分し、小学生たちの夏の淡い恋物語を加え、最後に真夏の夜空の花火シーンでクライマックスを迎えるという演出で大成功を収めたのです。

当時、このドラマを見たときの驚きと感動のことを僕は今でも鮮明に覚えていて、岩井俊二監督の名前も子供ながらそのときに脳裏に焼きついていました。

特になずな役を演じた奥菜恵の起用のしかたは絶妙でしたね。まだ子供なのに当時から小悪魔の匂いがプンプンする奥菜恵の悪い女ポテンシャルといったら恐ろしいです。

奥菜恵は当時まだ14歳だったんですね。見た目はもっと幼い感じがします。そんなあどけない少女が二人の男の子を誘惑し、手玉に取って翻弄する姿が様になってるって一体どういうことなのか誰か説明してください。女は何歳だろうと女なんだなぁ、とつくづく思いました。

それにしても岩井俊二監督はなんで映画界に進出してから急につまらない映画ばかりを撮り始めたんでしょうか。世間では話題を呼んだ「Love Letter」、「スワロウテイル」、「リリイ・シュシュのすべて 」、そして「リップヴァンウィンクルの花嫁」、僕には全てダメでした。

「もし」彼があのままドラマの監督だけを続けていたら、今頃どうなっていたんでしょうか。そっちのパラレルストーリーも見てみたい気がしますね。

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