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映画シャイニングのネタバレと感想とラストの意味

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この記事は 約8 分で読めます。

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2001年宇宙の旅」、「ロリータ」、「アイズワイドシャット」、「時計じかけのオレンジ」、「博士の異常な愛情」、「フルメタル・ジャケット」などで知られるスタンリー・キューブリック監督によるホラー映画のお手本ともいえる作品。

雪山のホテルに住み込んだことをきっかけに幸せな家族が精神を病み、殺し合うまでの過程をアイデアと演技と演出で仕上げた良質の映画。70点(100点満点)

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映画シャイニングのあらすじ

コロラド州のロッキー山上にあるオーバールック・ホテル。小説家志望のジャック・トランスは、雪深く冬期には閉鎖されるこのホテルへ、管理人としての職を求めて来た。

支配人のアルマンは、「このホテルは以前の管理人であるチャールズ・グレイディが、孤独に心を蝕まれたあげく家族を斧で惨殺し、自分も自殺したといういわく付きの物件だ」と語るが、全く気にしないジャックは、妻のウェンディ、一人息子のダニーと共に住み込むことを決める。ダニーは不思議な能力「輝き(Shining)」を持つ少年であり、この場所で様々な超常現象を目撃する。

ホテル閉鎖の日、料理主任であるハロランはダニーとウェンディを伴って、ホテルの中を案内する。自身も「輝き」を持つハロランは、ダニーが自分と同じ力を持つことに気付き、「何かがこのホテルに存在する」と彼に語る。そして、猛吹雪により外界と隔離されたオーバールック・ホテルで、3人だけの生活が始まる。

Wikipediaより

読者のケンケンさんからこんなリクエストをいただきました。ありがとうございます。

いつも楽しく拝見しております。私は20代後半ですが、映画については最近本腰を入れて見始めたばかりで、当ブログを参照し、「マグノリア」や「愛人/ラマン」など、良い映画に出会えました。

が、まだまだ映画のことは右も左も分からない状態です。そこで、私のような映画初心者のために僭越ながらリクエストしたいのですが、スタンリー・キューブリック監督作品の映画の中で、映画男さんが最も良いと思った映画と悪いと思った映画を当ブログで批評していただけますでしょうか。差し支えなければ、よろしくお願いします。

スタンリー・キューブリック監督の全ての映画を紹介することは難しいですが、まずは手始めにこの映画から見始めてはいかがでしょうか。

映画シャイニングの感想と評価

スティーヴン・キングの小説を基にしたホラー映画で、多くの人が好きなホラー映画ナンバー1に挙げる映画でもありますね。

物語は、元教員で小説家志望のジャックがオフシーズンのホテルの管理人の職に就くところからスタートします。

ロッキー山上にあるオーバールック・ホテルは自然に囲まれているため冬が厳しくなると道路が雪で覆われるため、客足も途絶えることから営業を停止します。

その間、ホテルを管理する人が必要だったときにジャックが立候補したのです。

雪の中、ホテルに缶詰になることは小説を書こうとしているジャックにとっては好都合なことから、オーナーの「肉体的には問題はないけれど、精神的にはものすごく孤立した状態になる」といった注意にほとんど耳を傾けずに仕事を引き受けてしまいます。

さっそくジャックは妻と息子を連れてホテルに住み始め、まもなく冬になり強い吹雪がやってきます。すると、家族三人の精神状態に変化が現れ、次々と怪奇現象に見舞われ、ついには取り返しのつかない悲劇に襲われる、というのがおおよそのあらすじです。

ストーリー自体は予想もできるし、結構コテコテのホラーですよね。日本だと夏の時期に人々がする「怖い話」の冬バージョンといった感じです。

そんなコテコテの怖い話が、なぜ上質の映画に仕上がっているかというと、スタンリー・キューブリック監督の演出力が光っているからでしょう。映像で楽しませ、効果音で恐怖を煽り、俳優たちの顔芸で緊張感を表現し、シュールなハプニングで謎を残しているから、最初から最後まで飽きないのです。

冷静に考えると、家族三人がホテルの中を行ったり来たりしているだけの映画なんですが、それであそこまでの完成度に仕上げるのはすごいですね。

ただ、前述したように話の展開は読めるし、捻りも特にないです。死ぬ人と生き残る人の予想がついてしまうのが典型的なアメリカンホラーという感じがします。

それでもホラー映画マニアが何度もこの映画を見返してしまうのは残された数々の謎を解くことに必死になるからです。

シャイニングのネタバレと解説1 – シャイニングの意味

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「シャイニング(輝き)」については劇中でホテルの料理主任であるハロランによって説明されます。なんでもハロランは子供の頃、お婆さんと言葉を発しなくても普通に会話ができたそうです。

ハロランは普通の人が見えない情景が見えたり、感じたりしますが、それと同じ能力を持ったのがジャックの息子ダニーでした。その能力のことを「シャイニング」と言います。

「シャイニング」については物語の中では細かい解説はされていませんが、ダニーが想像上の人物トニーと会話ができるように特別なコミュニケーション能力や過去や未来の出来事が見える超能力のことを指しています。

シャイニングのネタバレと解説2 -シャイニングの237号室に起きたこと

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物語の中で「237号室」が一つのキーワードとして浮かんできます。ダニーがそこで見知らぬ女から首を絞められたといって、くっきりと首に痣をつけて母親の前に登場します。

父のジャックがその後様子を見に行くと、そこには美しい女性がバスタブにいてジャックを誘惑します。ところが美しい女性は瞬時に老婆へと姿を変え、ジャックは恐怖におののいて部屋を出て行きます。一体、この女性は誰なんでしょうか。

原作の「シャイニング」ではこの女性について詳しい描写がされていて、それによると彼女の名前はマッセイ婦人と言います。マッセイ婦人は若い男を誘惑し、しかし結局男に逃げられ、睡眠薬を飲んでバスタブで自殺を遂げるというエピソードがあるのです。

ただ、原作と映画は違うためスタンリー・キューブリックがこの通りに描いたかどうかは誰にも分かりません。一説によると、その昔、このホテルの管理人で孤独に心を痛め、家族を殺害したチャールズ・グレイディが妻を殺した部屋が237号室だっという話もあります。

シャイニングのネタバレと解説3 -シャイニングの着ぐるみの正体

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ウェンディがホテルをさまよっている最中、ふとある部屋から二人の男の姿が見えます。一人は熊の着ぐるみを着ていて、もう一人はタキシードを身にまとっています。なにやら二人はごそごぞと怪しいことをしています。

実はタキシードを着ている男はオーバールック・ホテルの前オーナーのホーレス・ダーウェント、それに対して熊の着ぐるみを着ているのは彼の恋人であるロジャーという男だということも原作で説明されています。

この出来事が起きたのは”現在”ではなく1920年代のこと。つまりこのシーンは過去にホテルで起こった出来事をウェンディが目撃した瞬間だったのです。

実はこのシーンの前にもダニーが医者のカウンセリングを受けているシーンで、熊のぬいぐるみが登場します。それだけ熊の存在が一つの大きなポイントとなっているということでもありますね。

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シャイニングのネタバレと解説4 -シャイニングのラストシーンの写真

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ラストシーンでは、1921年7月4日に撮影された写真になぜかジャックが映っている、という謎を残して映画は幕を閉じます。1920年代にジャックがこのホテルで働いていたことはありえません。となるとこの人物は一体誰なんでしょうか。

このヒントとなるのが、ジャックとホテルの従業員デルバート・グレイディの会話です。ホテルの宴会室では1920年代にタイムスリップしたかのような壮大なパーティーが開かれています。ジャックはそこでデルバート・グレイディに飲み物をかけられ、ジャケットを汚してしまい、トイレに行ってきれいにしようとします。

そこでデルバート・グレイディが「あなたはいつもこのホテルの管理人でしたよ」とジャックに対して意味深なことを言うのです。

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つまりラストシーンの写真に映っていた男が後に生まれ変わったのがジャックであるという可能性がありますね。あるいは写真に映っている男は、オーバールックホテルに取り付いた幽霊で、なにより孤独を嫌ったために多くの客と一緒に永遠に写真に自分の姿を残したかったのかもしれません。

まとめ

いずれの解説も実は誰にも真相は分からないファンセオリーでしかないです。一つ一つのシーンをわざわざ説明する監督なんていないので、視聴者一人一人が自分の感性で分析していけばいいだけです。

一説によると、この映画はホテルで起こる悲劇を描いたのではなく、かつてホテルが建っているコロラド州で起こった白人によるインディアンの虐殺が招いた殺人の連鎖を描いているそうです。

もうそこまで来るとなんのこっちゃいって感じで、想像すればするほど果てしなく話が膨らんでいってしまいます。この映画に文句をつけるとしたら、自分の答えを押し付けてくるやかましい映画マニアたちを数多く生み出してしまった点に尽きます。

このブログでもどんな映画を紹介しても、「そのシーンの意味はそうじゃなくて、こういう意味ですよ」とかいちいち言ってくる馬鹿がいるんですけど、一つの答えしか持ち合わせていない奴らって一体なんなんですかね? 人生と映画は算数じゃねえんだよって。

コメント

  1. sh より:

    こんにちは!

    予想外の高得点に喜びのあまり、リクエストした方を差し置いてしゃりしゃり出てきてしまいました。

    私がこの映画を繰り返し観てしまう理由は、まさに“そんなコテコテの~”から始まるくだりに書かれている部分に尽きます。
    この映画の魅力が大変分かりやすく分析されていて、さすが!と思いました。

    映画男さんのおっしゃる通り、様々な気味の悪いエピソードの積み重ねが、じわじわと恐怖を盛り上げるのですが、私にとって一番印象的だったのは、オーバールックホテルの不気味な存在感でした。ホテルの外観を捉えた映像が異常にクリア、というか「水も滴る」という形容がぴったりなほど美しく、毎回ぞっとさせられます。

    原作では登場人物の内面描写に、かなりの重点が置かれているのですが、映画では、むしろホテルが主役、という感じでしたね。どちらも素晴らしい作品だと思います。

    また、隠れた名作の紹介をして頂けたら嬉しいです。
    キューブリック監督の他の作品に対する映画男さんの評価にも、大変興味があります。

    ありがとうございました!

    • 映画男 より:

      shさん

      おっしゃるとおり、あのホテルが格好良すぎましたね。映像であの不気味さを出すのはさすがでした。

  2. えむ より:

    分かりやすい評価と詳しい説明をありがとうございます。映画男様の採点をひとつ基準にして映画選んでみています。

    「俳優たちの顔芸」本当にすごいですね。迷路で息子にまかれてしまった翌朝の顔に笑いました。人も無差別にたくさん死ぬわけでもなく、きちんと怖いし(子供が一番こわい)いいな っておもいました

    • 映画男 より:

      えむさん

      コメントありがとうございます。顔芸がすごかったですね。僕は妻のギョロ目にびびりました。

  3. thunderstruck より:

    シャイニング70点ですかなかなか妥当な点数ですね
    キューブリック監督は一番好きな監督の一人です
    個人的にはシャイニングはキューブリック監督入門的作品だと思ってます
    ところでブログ主さんは(時計仕掛けのオレンジ)に何点つけますか?

    • 映画男 より:

      thunderstruckさん

      「時計仕掛けのオレンジ」はかなり苦手な映画です。機会があったらここでも紹介したいと思います。

  4. ダニー より:

    ダニーが可愛い子
    けど

    調べたらあたしより二十以上上だった

  5. ニシザワ太郎 より:

    この映画でキューブリックは何をしたかったか
    たしかに、最も怖い映画だと思うが、それだけ?
    原作も、ホテルが住人をそそのかして殺させた? どっちにしても、何の意味があるんだろw
    価値が分からない

  6. 通りすがり より:

    偶然見つけました
    わくわくする内容、なるほどなーという解説で、いいブログを見つけたと嬉しくなりながら読み進めました
    最後の書き方で台無しです もっと他に言い方あるだろうに
    読後感悪すぎ
    二度と来ません

  7. より:

    「そのシーンの意味はそうじゃなくて、こういう意味ですよ」とかいちいち言ってくる馬鹿がいるんですけど

    うーん、痛い…