ロリータ(原題Lolita)

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スタンリー・キューブリック監督による、少女を溺愛した男の悲劇をつづった物語。男が悪い女に人生を狂わせられる物語で、現代にも通じるよくある話です。53点(100点満点)

あらすじ

霧深い日、荒れ果てた邸宅でキルティという男を射殺したハンバート教授は、フラッシュバックで事の顛末を思い出す。パリからアメリカにやってきたハンバート教授は、夏を過ごすために田舎町で下宿の家を探し、ヘイズ夫人の家を訪れた。そこで美しい少女の姿を目にしたハンバートは、釘付けになる。少女は夫人の娘ドロレス・ヘイズ、通称ロリータであった。早速下宿を決める。ロリータに心奪われたハンバートは2階に上がってきたロリータにエドガー・アラン・ポーの「ウラルミー」(Uralume)を朗読する。

やがてハンバートの虜となったヘイズ夫人と結婚する事となる。それはロリータのそばにずっと居たいがためであった。そして彼の本心を知り、逆上して家を飛び出した夫人は、不慮の事故で死亡する。念願叶い、ロリータと2人きりになったハンバート教授は、異常な独占欲と愛欲に駆られ、ロリータを連れての旅に出る。

2人だけの逃避行を続けていたが、自分たちを車が追跡していることに気づく。ロリータは思いすごしではないかと気にしない。ところが、インフルエンザで入院したロリータが伯父と名乗る男に連れ出される。宝を奪われてハンバートは痛恨の日々を送る。

全く消息を絶っていたロリータから手紙が来る。ロリータは鉱山の町の貧しい家で懐かしそうに迎える。彼女はキルティに連れ出されたあげく棄てられ、1年ほど前に今の夫と結婚し、引越しするにつけて金銭が入用だったのでハンバートに無心したのである。ハンバートは総てを忘れ、一緒に暮らそうと懇願したが、聞き入れられない。あきらめたハンバートは400ドルの現金、2500ドルの小切手、家を売却した1万ドルをロリータに渡し、キルティの家へ向かい、射殺。逮捕されて公判を待つうちに急死する。

wikipediaより

シャイニング」などで知られるキューブリック監督の同名小説を基にした恋愛ドラマです。ロリコンという言葉が世間で使われるようになったのもこの原作がきっかけで、その名の通り、おっさんが不釣合いな若い女の子に夢中になってしまう痛い話です。

映像は白黒で古臭さはあります。ただし、ストーリーや脚本はとてもしっかりしています。特に少女ロリータのセリフや行動が絶妙で、悪い女がいかにもやりそうな言動がたくさん出てくるのでちょっと笑えます。悪い女はいつの時代も変わらないんでしょう。

一方で馬鹿男もいつの時代も同じみたいです。若さへの憧れなのか、支配欲なのか、少女を独占し、自分の思い通りにさせようとする男の暴走ぶりも、キャバ嬢に入れ込む現代のおっさんとなんら変わりありません。おっさんの束縛のひどいことひどいこと。ロリータが同年代の男と交流することを禁じ、好きな演劇をやることも拒もうとする必死さと言ったらそれはそれは無様でした。

おっさんがロリータに惚れ、彼女に近づくために彼女の母親と結婚しますが、誰かに近づくために身内と結婚するという下りは、後に様々なエロティックな映画で使われていますよね。男の欲望を上手く描いていて、原作も映画も、多大な影響を与えたのは間違いないです。

この映画に足りないのはエロティックな要素でしょう。ストーリー自体は過激で、禁断の愛を描いているのにキューブリック監督はなぜか大衆向けの映画に仕上げています。まるで「ローマの休日」のようなノリで、家族で一緒に見られる映画になっているのが残念ですね。もっとエロくしてくれないと。時代性もあるのかなぁ。

なのでロリコンのおっさんたちが見ても、おそらく楽しめないでしょう。むしろ自分と似た主人公が不幸になっていく姿を見て、せつなくなるはずです。

それでも男性目線の男性向けの映画といえるでしょう。女性が見たら主人公のおっさんの馬鹿さ加減に失笑するだけで、おっさんにもロリータにも共感できずに終わるような気がします。

僕としてはこの映画の熟女バージョンなんかがあったらぜひ見てみたいものです。若い男がおばさんに惚れて、彼女に近づくために娘と結婚するっていう設定でね。それでいざ付き合ってみたら、おばさんも若い女となんら変わらず、やっぱり気まぐれで感情的でわがままだった、というオチがいいですね。今すぐ名前は出てこないけど、すでにありそうだな、そういう映画。

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