複製された男(原題 ENEMY)

an_enemy

44点(100点満点)

ストーリー

何も刺激のない日々に空虚なものを感じている、大学で歴史を教えているアダム・ベル(ジェイク・ギレンホール)。ある日、何げなく映画のDVDを観ていた彼は、劇中に出てくる俳優が自分自身とうり二つであることに驚く。彼がアンソニー・クレア(ジェイク・ギレンホール)という名だと知ったアダムは、さまざまな手を尽くして彼との面会を果たす。顔の作りのみならず、ひげの生やし方や胸にある傷痕までもが同じであることに戦慄(せんりつ)する。

シネマトゥディより

文句

ちょっと変わった映画を撮るカナダ人監督ドゥニ・ヴィルヌーヴによるミステリードラマ。雰囲気はあるものの、よくよく考えるとしょうもない夫婦交換映画。ラスト以外は特に見どころもなく、ハラハラドキドキ一切なしの一本。

自分にそっくりな俳優が映画に出ていると知り、不思議な運命を感じた大学教授が、その男と接触を試みます。やがて二人はホテルの一室で会うことに。そのうち俳優のほうも大学教授に興味を持ち、お互いの生活を覗くようになる。さらにひょんなことから二人は相手になりすまして、お互いの妻と一夜を過ごすことに。というのがおおよその筋です。

言ってみればよくある双子映画や、一人二役映画の延長です。僕の中では俳優が映画の中で一人二役やっている作品は面白くないというジンクスがあります。どれだけCGの技術が発達しようが、メイクで別人になろうが、一人二役こなしているという事実が分かってしまった時点で、別撮りしている光景が目に浮かんでしまってバカバカしくなるのです。

「お前、もしかして俺の妻と寝たのか?」

「なにを言ってるんだよ、君は頭が狂ってるよ」

なんていう会話を一人の男が交代交代で、立ち位置を変えて喋ってるなんていうのは、やってるほうとしてもかなり恥ずかいしんじゃないのかと思ってしまいます。

自分にそっくりな人間は世界に3人いるだなんてことがよく言われますが、自分に似ているだけの人にあれだけ大学教授が興味をそそられていく下りが理解できませんでした。相手の住所を調べ、生活ぶりを覗き、仕事もそっちのけになるほどはまるかなあ。人に言われて困ることのひとつに「あなたって誰々に似てるよねえ」というフレーズがあります。本人からしたらよく言われることだろうし、似てるからどうなんだといった話でしかなく、それ以上膨らませようのない会話です。似てると言われている対象の人物がとんでもない人だったら嫌な思いもするだろうし、素敵な人間だったらそれはそれで自分がその人に劣っているとでも言われているかのようなあの感じ。人間はそもそも自分は唯一無二の存在であると信じたいのではないんでしょうか。ほかに自分と似ている人がいるなんてまったく迷惑な話だと、僕は思うんですが、どうでしょうか。だから「自分と似てる奴がいる」とか言ってテンション上がっちゃってる登場人物に全く共感ができませんでしたね。

ラストシーンに関しては色々な解釈がありそうです。ポイントとなる「クモ」は冒頭のシーンでお盆の上に、途中のシーンで裸の女の顔として登場していましたね。ああいった「おかず」を放り込む映画は嫌いじゃないです。 評価するとしたらクモぐらいかな。それ以外は結局ほかの女とやりたいだけじゃねえかよって思いましたね。