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ポゼッサーはグロテスクな芸術ホラー!ネタバレ感想

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ただの怖がらせ映画ではなく、芸術性のあるホラー。もうちょっとストレートに表現してもいい気もしますが、なかなか完成度は高いです。62点

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ポゼッサーのあらすじ

ターシャ・ヴォスは特殊な装置を使って他人の身体に乗り移っては殺人を遂行する女暗殺者。誰かの潜在意識に入り込み、身体をコントロールしつつ、最後は自殺することでミッションが完了する。

しかし長い間、別の人の身体に居座り続けることでターシャ・ヴォスは自分を見失いつつあった。自分の身体に戻って来ても自分自身がどんな人物だったか、どんな生活を送っていたのか、などの記憶が曖昧となり元に戻るのが大変だった。

上司のガーダーは一仕事終えると、ターシャ・ヴォスにすぐに次の仕事を回そうとしてくるが、ターシャ・ヴォスはこの仕事から少し離れようと思っていた。

ところが久々に別れた夫と息子に会っても仕事のときと現実が混合し、ずっと不思議な感覚が続いた。こんな精神状態ではとても彼らと一緒にいられないと思って、ターシャ・ヴォスはやはりすぐに仕事に復帰することにする。

次の仕事は大仕事だった。ターゲットは大企業のCEOとその娘。そのために娘の夫コリンの身体を乗っ取り、彼に殺人をさせようという手はずだった。しかしミッションの最中、ターシャ・ヴォスは完全にコリンをコントロールできず、事態は思わぬ方向へと進んでいく。

ポゼッサーのキャスト

  • アンドレア・ライズボロー
  • クリストファー・アボット
  • ロッシフ・サザーランド
  • タペンス・ミドルトン
  • ショーン・ビーン
  • ジェニファー・ジェイソン・リー

ポゼッサーの感想と評価

シャドー・ダンサー」、「ディス/コネクト」、「Zero Zero Zero」などで知られる女優アンドレア・ライズボロー主演、ブランドン・クローネンバーグ監督によるSFサイコホラー。人の身体を乗っ取り、潜在意識に入り込んで殺人をする、一風変わったプロの殺し屋の物語。ややストーリーの難解さはあるものの、コアなSFファンとホラーファンの両方に受ける要素のある作品です。

面白いかどうかでいえばちょっと面白いです。決してテンポが良く、エンタメ度が高いわけではないので万人受けするタイプじゃないし、売れる映画ともまた違うでしょう。

スローで眠くなる箇所もあるうえ、ストーリーの説明が少なく、そのまま終わっていってしまうので、つまらないと思う人がいても仕方ないです。

一方でSFながらCGやエセテクノロジーに頼らず、ホラーでありながらわざとらしく大きな音や突然背後から誰かが現れて驚かしてくるようなベタな演出がなく、あくまでもストーリーとアイデアで勝負しているのは好感が持てます。

映像は無機質な場所を暗めに撮っていて、過去とも現在とも未来ともいえない独特な雰囲気になっています。バイオレンスシーンは結構とことんグロくしているのが特徴です。特にナイフやら棒やらで突き刺すシーンはリアルすぎで気持ち悪く、そういう部分でも大衆向けじゃないことを表しています。

人の頭の中にチップのようなものを埋め込み、マシーンを通じて潜在意識に入り込む、というプロットは新しいとはいえないものの、それを完全犯罪のために利用するというのはなかなか面白いアイデアだと思いました。人をコントロールできるので、他人に殺人をさせて、最後に自殺させれば黒幕は分からないというのです。

ところが殺人ミッションの最中、暗殺者が他人をコントロールしていると思いきやいつの間にか相手側からコントロールされてしまい、トラブルに遭う、というのがストーリーの醍醐味になっていて、それはどこかAIが人間に逆らう、ロボットが反逆を起こす、といったプロットの話とも似ていますね。

つまり支配する者と支配される者との闘いであり、またアイデンティティのぶつかり合いともいえそうです。劇中、コリンがターシャ・ヴォスのマスクを被るくだりは、アイデンティティを奪い返したという比喩表現ととらえることもできそうですね。

そういった部分を抽象的に描いているためやや難解になっていて、特に終盤の潜在意識同士の衝突は視聴者を混乱させるには十分でしょう。

あくまでも一つの世界で起こっている出来事で、よくある現実とバーチャル、または現実と潜在意識の世界といったパラレルワールドを行ったり来たりするのではないのがポイントです。

そこを面白いと思えるか、よく分からないからつまらないと思うかで評価が二分されそうな予感がしますね。個人的にはまあまあ楽しめました。

ところどころお色気シーンが入ってきて、ベッドシーンなんかもかなりちゃんと撮っているのもいいですね。グロテスクなシーンだけリアルで、絡みのシーンはオブラードに包むとかだと嫌だけど、各方面リアルを追求しているのがよかったです。最近のホラーの中ではかなりできのいいほうだと思います。

ラストはあの殺人組織がもう一つの暗殺者をかぶせてきて、ヒロインを家族から完全に引き離すミッションが別で行っていたと解釈できそうですね。そしてヒロインは完全なる殺人マシーンへと化して行った、というなかなか無慈悲で、冷酷な話になっていました。

 

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