失敗作にもほどがある下手くそホラー映画。設定がボロボロでくだらなすぎて、ついていけない話です。19点
映画オールドのあらすじ
ガイとプリスカは二人の子供トレント、マドックスを連れてリゾートホテルにやってきた。プリスカは腫瘍を患っていてガイと離婚も考えていた。今回の旅は彼らにとって最後の旅になるはずだった。
リゾートホテルで彼らはウェルカムドリンクと共に歓迎され、子供たちは綺麗なビーチにやってきたことで大喜びだった。
家族が朝食を食べていると、ホテルのマネージャーがやってきて、ある特別なビーチを勧めてきた。そこは岩で囲まれた場所にある誰も知らない秘密のビーチだった。マネージャーはほかのゲストには内緒でそのビーチのことを家族だけに特別に教えたと言っていた。
さっそくガイたちはホテルのバンに連れられてそのビーチに行ってみた。同じバンに医者のチャールズ、妻のクリスタル、娘のカーラ、チャールズの母アグネスもいた。
彼らがビーチの前に到着すると、バンの運転手は食料だけ渡してすぐにホテルに戻らなければならないといってその場を去ってしまった。
ビーチには先客の男がいた。彼が有名なラッパーのミッドサイズ・セダンだったため ガイの娘のトレントは大興奮だった。確かにビーチは美しかった。しかしトレントとマドックスがビーチで遊んでいると、ミッドサイズ・セダンの連れの女性の死体が流れてくる。
さらに次の瞬間にはチャールズの母のアグネスの心臓が突然止まり息を引き取ってしまう。そこに看護師と心理カウンセラーのカップルのジャリンとパトリシアが到着する。
ジャリンとパトリシアがトレントとマドックスと話していると、あろうことか子供たちの体が大きくなって成長しているのだった。それはチャールズの娘カーラも同じだった。一体何が起こっているのか、誰にも分からなかった。
映画オールドのキャスト
- ガエル・ガルシア・ベルナル
- ヴィッキー・クリープス
- ルーファス・シーウェル
- アレックス・ウルフ
- エリザ・スカンレン
- トーマサイン・マッケンジー
- アビー・リー
- ケン・レオン
- アーロン・ピエール
- エンベス・デイヴィッツ
- ニキ・アムカ=バード
映画オールドの感想と評価
「シックス・センス」、「アンブレイカブル」、「サイン」、「ヴィレッジ」、「ハプニング」、「スプリット」、「ヴィジット」、「ミスター・ガラス」などでお馴染みのM・ナイト・シャマラン監督による、グラフィックノベル『Sandcastle』からインスパイアされた、奇妙なビーチを舞台にしたミステリーホラー。
時間の進み方が異なる不思議なビーチにたどり着いた男女たちがものすごいスピードで歳を取り、次々と死んでいく様子をつづった恐怖の物語で、プロットはいいものの、演技、演出、脚本、ストーリーがありにもずさんで失笑せざるを得ない内容になっています。
岩に囲まれた秘密のビーチでは時間の流れが異なり、1時間が数年に相当する、という設定は面白いと思います。ただ、そのルールが劇中でしっかり守られておらず、ストーリーが進んで時間が経っているはずなのに登場人物が歳を取るときと取らないときがあるのが意味不明です。
また、歳の取り方もキャラクターによってバラバラなのか、または同じなのかはっきりせず、子供たちばかりがどんどん大きくなっていき、すでに肉体的に成長しきった大人たちはそう変わらない、あるいは変わっていても分からなくなっています。つまるところ時間の経過の見せ方が下手です。
ビーチにいると歳を取ってしまうならビーチを出ればいいと思って、誰かがビーチを出ようとすると謎の力によって弾き飛ばされ、意識を失い、またビーチに戻される、という訳の分からないことになり、それについても深くは触れません。とにかく自然の力で出られないからね、という暗黙の了解のもと話が進んでいきます。
それでもなんとかビーチから脱出しようと、岩を登ってみたり、海を泳いでみたりするんですが、その都度一人、また一人と死んでいきます。つまるところ登場人物たちはそのビーチで死ぬしかなく、そんな状況でパニックに陥り、争いごとを始める、というのがストーリーの全てです。
笑えるのがいつもいつも順番に誰かになにか悪いことが起きて、必ず一人ずつ死んでいくことです。歳を取るのも順番なら、病気が悪化したり、事故が起きて死に至るのも全て順番です。あんなに速く時間が進むならほぼ同時進行形でハプニングが起こってもいいぐらいなのに、Aの人が倒れてから、Bの人が成長して、Cの人が意識を失ってから、Dの人が発狂するみたいなバトンタッチ式になっているのが滑稽で仕方ないですね。
基本、突っ込みどころしかない映画で、どこまで突っ込むか、あるいはどこまで目をつぶるかでこの映画との向き合い方が変わって来そうです。
ビーチの仕組みを登場人物たちがいちいち説明してくるのもバカですねぇ。
「このビーチでは1時間が2年、一日いたら48年も時間が進むんだ。岩の中に入ると気を失うんだ。ビーチを出るには海を泳いでいかないと不可能だ」などと不確かなことことを確信を持って話します。謎なら謎のままにするか、説明するならもっとちゃんと説明しろよって。
SFなんだから、ホラーなんだからしょうがいないじゃんって言ってしまえばそうなんだけど、だからといって何でもありかよっていうとそうじゃないからね。
良性腫瘍持ちのプリスカが倒れたときにドクターのチャールズがナイフを使ってその場で手術するシーンがあるんだけど、時間が速く進むからナイフで体を切ってもすぐに治るんだってさ。そういう部分でも気になる人と気にならない人がいると思うんですよ。
だって傷が早く治るかどうかは正しい処置がされた場合に限っての話だし、あんなビーチで消毒も縫合もなしにナイフで切って体から腫瘍を除去したままにしたら普通に菌が入って死ぬでしょって。時間が速く進むなら出血するのも菌が体に回るのも速いはずなのにその辺がよく分からないんですよ。
一方で錆びたナイフで刺されたチャールズはたちまち体に斑点ができて死んでいくっていうのが辻褄が合ってないですよね。破傷風は治らないってこと? ドクターのくせに今時破傷風の予防接種してないの? もう設定が崩壊しすぎだから。
ここ最近のシャマランの映画は全部こんな感じでご都合主義だから正直つまらないんですよね。これで楽しめる人はいるんでしょうね。ファンってすごいよ、ほんとに。
映画オールドのネタバレ
さて、ここからはネタバレと行きたいと思います。同映画の最大の問題点、それは最後に種明かしをしたかと思ったら、たちまち悪が成敗される、という無理やりのエンディングにあります。
一体なぜホテルのマネージャーはゲストをあのビーチに送ったのか。それは悪徳製薬会社がビーチの特性を生かして、そこに人々を送り新薬の人体実験を行っていたからです。時間が速く進めば本来なら何年も何十年もかかる実験の結果を早く出せるからです。
最初にホテルに到着したときにゲストが飲まされるウェルカムドリンクは実は薬だったのです。だからこそゲストたちはもともと体になんらかの疾患を抱えた人たちばかりが選ばれていたのです。
発作を繰り返し起こす癲癇を患っていたパトリシアがビーチで死ぬまでに何時間も癲癇の発作がなかったのは薬が効いていたからだったのです。
製薬会社の言い分はここで何人かの命を犠牲にすることで、その分何万人もの命を救うことになる、というものでした。
そして実験は今回も成功したかに思えたんですが、実はトレントとマドックスはサンゴ礁の中を泳いでビーチから脱出していたのでした。そして彼らはホテルのゲストの中にいた警察官に事情を話し、製薬会社の悪者たちが逮捕される、ということで物語は幕を閉じます。
製薬会社の人体実験のくだりはまだいいでしょう。しかしホラー映画なんだから最後に彼らが逮捕されて終わったら面白くなくなりますよね。あそこはまだまだ実験は続くっていうオチでよかったのに、なんで事件を解決しちゃったのか理解できませんね。ストーリーの重要な分岐点で、全部間違った選択をしてできた作品、それがこのオールドです。
コメント
あ~、これ見ようと思ってたんですよ。感想ありがとうございます、助かりました。
お役に立ててよかったです。
個人的にはおもしろかったです^ ^!
面白かったただろ
オレ、ヴィジットスキ、コレ、キライ
変に金渡すと途端に訳わからんの撮り出す奇病を患ってるから仕方なし
…つうかみる側?観客も怖いものみたさか、どんな駄作なんだとワクワクして見る分ストライクゾーンは広いはずなのに深く潜ってくシンカー放ってくるのは流石
べ、別にアンタの映画、期待してたワケじゃないんだからネ
一体いつまでこの現象は繰り返されるのか…ヒトは同じ過ちうんぬん
そんなシャマランが好き
とりま90分返せ~
主さんが「つまらん」と断ずるからには、本当につまらないんだろう。
しかし、何故かその「つまらなさ」を自分の目で確認したくなる謎の吸引力がシャマランにはある。
確かにシャマランつまんないの多いけど、確認したくなりますね。やっぱりシックスセンスの成功の印象が強いんでしょうね。
ラストだけはまともだったかな。実験はまだまだ続くとか全滅エンドだったら「またそれか」になるから。いつの頃からかね、邦画の方が圧倒的に多いパターンなんだけど「ホラーだから全滅させたろ」とか「ホラーだからエンドレス」て流れはクソ過ぎるよな。
確かに皆殺しストーリーはよくありがちですね。でもこのラストもなんかいまいちだったなあ。
わかってないっすね
この作品をホラーと捉えてる時点でお察し。評論家気取りで大した映画も見てない可哀想な人の感想。コメント欄の人ら他人に流されているようじゃダメっすよ。自分が見たい映画を見て楽しむことが大切だと思います。
観てきました、「白頭山大噴火!」とはしごで。
2つみて両方駄作だと、脳の疲労感が半端ないです。
「オールド」に関しては、相変わらずシャマランは、変化球曲げすぎてストライクゾーン外れているピッチャーみたいな監督だな、と。
投げてる本人が「見て、見て、凄い曲がったでしょ!魔球だよ、これ!」とかはしゃいでいるのが…。
駄作ですねえ。やりすぎて滑稽になっていましたね。
見ようと思ってんですけど、そんな落ちなんですね…
正直コマーシャルを見た時、最初子供だけが年をとっていて砂浜のルールに接触すると年をとるとか、それらの謎をすべて解き明かして犠牲になっていった大人たちが手に入れたヒントを元に若者や子供達がアイデアを出しあって脱出…。
みたいなのを思い描いてたんですけどなんという力技(笑)
海外の映画は何かの暗喩とかオマージュとかを組み込んでるっていうし、落ちは悪魔が人間の寿命を奪うためみたいな下らないのでも良いから、謎解き部分や何かの暗喩の表現をしっかりやってほしかった……
えせ謎解きはありましたけど、大したアイデアはなかったですね。