2016/03/11

ヒプノティスト-催眠- (原題 HYPNOTISOREN/THE HYPNOTIST)

THE-HYPNOTIST

44点(100点満点)

ストーリー

ストックホルムの郊外に暮らす一家が、何者かによって刺殺されるという事件が発生。助かったのは昏睡(こんすい)状態で発見された15歳の長男ヨセフと、家を出て独立していた姉のエヴェリンのみ。捜査に当たる国家警察のヨーナ・リンナ警部は、ヨセフから犯人に関する情報を引き出そうと催眠療法による供述を行うことに。その第一人者として名をはせたエリック・マリア・バルク(ミカエル・パーシュブラント)に協力を依頼するが、ある理由から彼は催眠療法を封印していた。

シネマトゥディより

文句

未来を生きる君たちへ」のミカエル・パーシュブラントが出演しているスウェーデン産サスペンス。なにか最初から途中まですごく期待が持てそうな雰囲気がありながら、今一つ締りの悪い映画。なんかしっくりこないところが、「ドラゴン・タトゥーの女」に似てますね。そういえばあれも原作はスウェーデンでしたね。

まず一番しっくりこないのが、この題名です。特に英題では「THE HYPNOTIST」とすごいやり手の催眠術師の話であるような印象を与えますが、劇中に催眠術を使うシーンはごくごくわずかで、それも催眠術の手法もなんか「ふつう」でした。普通じゃなかったのは、警察の依頼を受け、病院にいる昏睡状態の子供に催眠術をかけるシーンぐらいでしょうか。あれだって催眠術もなにも、昏睡状態なんだからすでに寝てるからね。

いわゆる犯人は誰だ、というコテコテのサスペンスで、視聴者の目を欺くために事件とは無関係な登場人物をたくさん出し、一瞬犯人かと思わせる時間の無駄使いもよくないです。「ああ、こいつじゃなかった、じゃあきっとあいつだろう、いや違った、じゃああいつしかいないな」というノリで警察が捜査を進めるので、もうちょっと証拠を挙げてから動こうよ、と思ってしまいます。

犯人も犯人であんな精神状態で、どうやってあの隠れ家から街まで出てきて、住所を探し当て、誰にも捕まらずに子供を誘拐できたんだろうか、と思わずにはいられないほどの人物でした。こんなストーリーを海外に出したら、「スウェーデン人、詰め甘いなぁ」って世界中から言われちゃうよ。

やっぱり題名通り催眠術の世界をもっと掘り下げていくべきでしたね。それと催眠術師を主役ではなく、悪役にしたほうが面白かったと思います。僕がアメリカに住んでいたとき、アメリカ人の友達に、外見のさえない男がいたんですが、そいつにはなぜかいつも綺麗な恋人がいて、それも会う度に違う女を連れていました。一体どうしてそんなにモテるんだ、と聞いたら、その男は「おれは催眠術ができるんだ。だから女なんてイチコロだよ」と言っていました。なんでも催眠術を使って今まで女が感じたこともないようなエクスタシーを感じさせてやるのだそうです。僕の日本人の友達はその男に実際に催眠術をかけてもらったら、虫歯の激痛が一時的に嘘のようになくなったと言っていたので、よほどの実力の持ち主だったんでしょう。

また、アメリカではFBIや警察が凶悪犯を尋問する際に一度催眠術をかけることがある、と聞いたことがあります。催眠術をかけて重要な証言を取るのではなく、後々証言をしやすくなるようにリラックスさせるためのセラピー目的でやるそうです。この映画の催眠術の取り扱い方も事件解決という意味ではそれに当たりますね。しかし僕的には女を虜にしていく、という話の方が興味があります。そういえばちょっと前に日本で催眠術がらみで何人もの女を囲って捕まった男がいましたけど、なんで誰もあの男の映画を撮らないんでしょうか。