誰にでも先が読めてしまうイケメン二人による恋愛ストーリー。意外性や捻りがなかったです。42点
マティアス&マキシムのあらすじ
マティアスとマキシムは昔からの親友だった。ある日、二人はひょんなことからパーティーに参加していた友人の自主製作映画に出演させられることに。あろうことか二人はキスシーンまで演じることになった。
それをきっかけにマティアスとマキシムの中である感情が芽生え始める。マティアスには女性の恋人がいたが、マキシムのことばかり意識するようになった。
そんなときマキシムがオーストラリアに移住することに決める。マティアスはマキシムの出発の日が刻一刻と迫る中、自分の気持ちを否定するように彼のことを忘れるように努めた。お別れパーティーにもできれば参加したくなかった。マキシムもマティアスの前では素っ気ないそぶりを見せていた。
しかしどうしても自分の気持ちに嘘を付けなかった二人は、やがてお互いの気持ちを爆発させるのだった。
マティアス&マキシムのキャスト
- ガブリエル・ダルメイダ・フレイタス
- グザヴィエ・ドラン
- ピア=リュック・フランク
- アントワーヌ・ピロン
- サミュエル・ゴチエ
マティアス&マキシムの感想と評価
「ジョン・F・ドノヴァンの死と生」、「胸騒ぎの恋人」、「たかが世界の終わり」、「わたしはロランス」、「マイ・マザー」、「トム・アット・ザ・ファーム」、「Mommy/マミー」などで知られるグザヴィエ・ドラン監督による恋愛ドラマ。ボーイズラブ漫画を実写化したみたいなベタな同性ラブストーリーです。
「ロスト・イン・トランスレーション」のように、なかなか素直にならない登場人物の行動をじれったく描いているのが特徴で、ボーイズラブ+じらしストーリーが好きな人にはいいかもしれません。一方でそうじゃない人には結構きつい作品だと思います。
結論からいうと、あまり面白くないんですよね。今まで個性的な映画ばかりを撮ってきたグザヴィエ・ドラン監督にしてはあまりにも平凡で、普通すぎるんです。
物語の序盤からすぐにゴール(オチ)が見えてしまうのもつまらない原因の一つです。そのゴールにたどり着くまでに、散々回り道をして、引っ張るだけ引っ張るストーリー構成になっていて、中身はあまりないです。
ゴールとはずばり、主人公のマティアスとマキシムが一体いつくっつのか、ということです。二人の距離感や素振りを見ていたらそれは時間の問題であることには誰もがすぐ気づくでしょう。
友人の自主製作映画に出てと言われて、そこでキスシーンをしたらお互いに火がついてしまい、もはや同性愛を否定できなくなる、というのがあらすじですが、もともとストレートの男二人が、ひょんなことからお互いのことを好きになってしまい、自分たちのそれまでの性的指向が揺らいでいく、という設定なのだとしたら、ちょっと無理があるかなぁという気がしました。
なんせどう見ても最初から二人ともゴリゴリのゲイにしか見えないからです。それなのにさも今になって自分たちのセクシュアリティに気づきましたみたいな感じで来られてもね。
物語に登場する男たちはもれなく中性的なイケメンばかりで、世界観は漫画そのものです。マティアスの取引先のお客さんまで、いかにもゲイたちにモテそうな美青年だったり、リアリティーがあんまりなかったです。
どうでもいいけど、あいつらみんなボディタッチ多すぎだから。知り合ったばかりで肩に手を置いたり、あのタッチはないわー。それもプライベートじゃなくて仕事だからね。
マティアスとマキシムが結ばれることをオチとしてるため、そこにたどり着くためのエピソードはそれほど必然性と重要性が感じられないものばかりで、相変わらず「マイ・マザー」を基にした母と息子の喧嘩シーンなどを取り入れていました。あの親子エピソードももういい加減いいんじゃないかなぁ。
また、パーティーのシーンでは若い兄ちゃんたちがバカ騒ぎする下りに結構な時間が費やされていてとにかくやかましいです。全員野郎たちなんだけど、ノリがギャルみたいでなかなかイライラさせられますね。
マキシムの頬にある赤い痣も回収させない伏線みたいだったし、なによりあれだけ引っ張ったんだったら、二人のラブシーンは全裸ベッドシーンにしないとダメでしょ。途中で止める意味ないじゃん。お互いを散々しごいてから、なにが「ストップ!」だよ。もとはといえばお前がおっぱじめたんだろ。
コメント
確かに、ドランにしてはパンチが足りなかったですねー。
え、マックスも異性愛者の役だったんですかね?
さすがにそれには見えなかったですww
最近のドランはちょっと下火のような気がしますね