愛がなんだは傑作現代恋愛ドラマ!感想とネタバレ

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みんなに勧めたくなる、ハイクオリティーな若者の恋愛ドラマ。ちょっと笑えて、大いに共感、感情移入できる稀に見る名作です。81点(100満点)

愛がなんだのあらすじ

切なすぎる…岸井ゆきの×成田凌『愛がなんだ』予告編

マモルに片思いを抱いているテルコは、夜遅くに呼ばれてもマモルの家にご飯を作りに行ってしまうほど、ただの都合のいい女だった。

テルコは恋をすると仕事が全く手につかなくなった。四六時中マモルのことばかり考え、まともな仕事ができなくなった彼女はやがて会社をクビになってしまう。

それに対し、マモルはテルコに興味こそあれど、必要以上に世話好きの彼女の性格にやや違和感を覚えていた。そのせいもあり鬱陶しくなると、テルコを夜中に家から追い出したりもした。

一方、テルコの友人、葉子は気の弱いナカハラを自分に服従させていた。葉子にとってもナカハラは都合のいい男だった。

ある日テルコは突然マモルから飲みの誘いを受け、大喜びでついて行った。飲み終わると、マモルに言われるまま彼のアパートに行き、二人は関係を持った。その日から二人はなんとなく恋人のようになったが、マモルを溺愛するテルコと、テルコを利用してしまいがちなマモルの関係性はそこからさらに複雑になっていく。

愛がなんだのキャスト

  • 岸井ゆきの
  • 成田凌
  • 深川麻衣
  • 若葉竜也
  • 穂志もえか
  • 中島歩
  • 筒井真理子
  • 江口のりこ

愛がなんだの感想と評価

今泉力哉監督による、凝って作られた非常に完成度の高い現代風恋愛ドラマ。白か黒かではなく、曖昧な男女の関係をつづったコメディー色の強い群像劇です。

結論からいうと、ものすごく面白かったです。どうせくだらない恋愛ものだろうなぁ、と文句をいうつもりで見たのに、褒めるべきところばかりでした。「恋の渦」を見たときのような衝撃と喜びと興奮を覚えましたね。

物語は、男に惚れるとなんでもしてあげたがりの女テルコが、異性に追いかけられるより、追いかけたい男マモルに、いかに振り回され、傷つけられ、それでも食らいついていく様子を描いていきます。

恋愛を繰り広げるのはテルコとマモルの二人だけではありません。テルコの友人葉子とナカハラもまたまるでご主人様と奴隷のようないびつな恋愛関係にあり、ナカハラはどんなに利用されてもそれが自分の幸せだと信じます。

さらにその中に、がさつで下品な年上の女すみれが現れ、彼女にマモルが強烈に惹かれてしまい、テルコも含め妙な三角関係に発展していく、という流れになっています。

こうやって書くて、なんてことのない平凡な恋愛映画のように聞こえますが、この映画が優れているのは練りに練られた脚本と絶妙な人物、心理描写ですね。

男女にありがちな会話とシチュエーションしか出てこないから、誰が見ても物語の中の出来事が自分事、あるいは自分の友達のことのように親近感を覚えるのではないでしょうか。

最初のシーンで完全に心を掴まれましたね。

  • マモルがテルミに「体調が悪いから、もしまだ会社にいるならなんか食べる物買ってきてくれないか」と電話する。
  • 家にいるテルミが「今ちょうど会社から帰るところだから仕方がないから行ってあげるよ」とウソをついて、張り切ってマモルの家に行く。
  • 病気のマモルのためテルミが味噌煮込みうどんを作るだけでなく、ごみ出しからお風呂掃除までやり出す。
  • ウザく思ったマモルがテルミを深夜に追い出す。

わずか5分のシーンで二人の関係性がよく伝わるし、性格まで見えてきますね。

体が弱っているときに快く世話をしてくれるテルミは一見最高の女なんだけど、世話好きで面倒見がいい反面、男が早く眠りたくて仕方ないのに、ごみ袋をガサガサ集めだしたり、風呂場の床をゴシゴシ磨きだしたりするようなやり過ぎなところがあって、それにマモルが嫌悪感を露わにするのが笑えます。

あのときの正解は、ご飯だけ作ってさっと帰ることだったのかもしれませんね。でも大抵の男だったら多少物音立てられても、あれだけ一生懸命にお世話してくれたらコロっと惚れちゃいそうなもんだけど。

僕からしたらテルミのひたむきさはめちゃくちゃ可愛いかったですけどね。すでに夕飯をカップラーメンで済まし、お風呂に入って寝ようというときに、マモルから電話がかかってきたら、髪の毛にシャンプーをつけたままダッシュで電話に応じるとか、可愛すぎるじゃないですか。

あまりの嬉しさに電話を切った後、2回転しながらお風呂に戻ったのもいいです。

「ちょうどまだご飯食べてなかったんだよね」

こんな嘘をついてノリ良く、飲みの誘いに応じてくれ、家に呼んだらすんなり付いてきて、朝起きたらマモルの手の匂いを嗅いで幸せそうにしている姿を見ると、惚れてるんだなぁ、というのが伝わってきました。

あんなに惚れられているマモルは端から見ると幸せ者でしかないんですが、ふとしたことでテルミを重いと感じてしまうのがリアルです。

例えば、タンスの中を勝手に開けられてテルミに自分の靴下を無断で畳まれたのを知ったとき。あのときマモルは自分のテリトリーを侵されたと感じたのかもしれませんね。

テルコ、マモル、すみれの三角関係も面白かったです。いつもはテルコを振り回すマモルも強気でサバサバしたすみれには頭が上がらず、憧れを抱いてしまい、やがて好きになって振り回されてしまう、といったようにまるで仏教の業のような展開が痛快でした。

全体的にどのカップルも不健全な力関係の下に成り立っているのが特徴で、男女のパワーバランスがやや極端に描かれています。

しかしその極端さも現実の範囲内なので、すんなり受け入れられますね。リアリティーがないのはラストぐらいじゃないかなぁ。

演技については、ぜひこのキャストを集めてまたほかの映画を撮ってもらいたいぐらい、主役級から脇役までみんな上手でした。全員のレベルをあそこまでに持って行った監督はすごいですよ。特にラストのダブルデート中に4人の男女が目で演技するシーンは圧巻でした。

名シーンも多いです。マモルがテルミにシャンプーしてあげるシーンなんて女子からしたら、たまらないんじゃないのかなぁ。

僕は、自分でテルミを振っておいて久々に会ったら「やらして」って正直に言うマモルのシーンが好きですね。それにすんなり応じるテルミも素敵だし。あの状況だったらどんなにマモルを好きでも、また遊ばれるのは心外だってなりそうなもんだけどね。ならないところがいいよね。

コメント

  1. らら より:

    キモッ
    幼稚なキモオタ男の願望じゃん……
    女性やまともな男性が共感するのは無理だと思う

    太宰とか花袋とか好きな、リアリティ=日本人男の腐った部分、みたいな勘違いしてる奴は好きそう
    端的にキショい。

    ヨーロッパの自然主義やリアリティや人間観や生命力とはレベルが違う。