バニシングは実話に手を加えた恐怖スリラー!感想とネタバレ

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灯台で働く男たちがひょんなことから殺人を犯してしまう状況を描いた怖くて、グロい心理スリラー。実話からアイデアを得た話です。54点(100満点)

映画バニシング(2020)のあらすじ

【予告編】バニシング

ジェームズ、ドナルド、トーマスの三人はフラナン諸島の灯台で灯台守として働くために港を後にする。

灯台のある場所は小さな無人島だった。そこでの仕事は退屈で平穏なはずだった。ところが嵐が起きたことで状況が一転する。

嵐が過ぎ去った後、最年少のドナルドが何者かが島に漂流しているのを発見したのだ。様子を見に行くためにドナルドが崖の下まで降りると、男は息をしていなかった。

ところがドナルドが近づくと、突然男が立ち上がり、ドナルドに襲い掛かった。咄嗟にドナルドは抵抗し、近くにあった石で男を殴り、死なせてしまった。

島には男と一緒に木の箱が流れ着いていた。中には一体なにが入っているのか。不思議に思ったドナルドが開けようと提案したが、最年長のトーマスは開けたところでトラブルのもとになるだけだから開けるなと注意した。

しかしドナルドとジェームズは我慢できず、箱を開けてしまう。するとその中には金塊が入っていた。

トーマスは、事態を重く見た。誰かが金塊を取り返すために必ずやってくるだろうと考えたのだ。そして予想通り、ある日、二人の人相の悪い男が灯台のある島にやってきたのだった。

映画バニシング(2020)のキャスト

  • ジェラルド・バトラー
  • ピーター・マラン
  • コナー・スウィンデルズ
  • オラフル・ダッリ・オラフソン
  • ソーレン・マリン

映画バニシング(2020)の感想と評価

クリストファー・ニーホルム監督による、実際に起こった謎の失踪事件を大胆な解釈で描いた、シチュエーションスリラー。

無人島で金塊を手にしたことをきっかけに、三人の男たちが様々なトラブルに見舞われ、やがて狂気に陥っていく様子をつづった悲劇の物語です。

ひょんなことから大金を手にし、そのせいで登場人物の人格が変わり、殺人に発展していく、というプロットは、「シャロウ・グレイブ」にそっくりですね。

「シャロウ・グレイブ」は、ダニーボイル監督の傑作サスペンスなのでまだ見ていない人はぜひ見てみてください。この映画が好きな人はきっと気に入るはずです。

さて、物語は三人の男が灯台のある島に向かうところから始まります。三人の背景はそれほど語られず、唯一最年長のトーマスだけが家族を亡くしたという不幸なヒストリーを抱えている設定になっていました。

それぞれのバッググランドがほとんどストーリーに影響していくことはなく、三人の男たちは初老、中年、若者といった年齢によって主に個性や特徴を表現していた印象です。

初老のトーマスは経験豊富で冷静な性格の持ち主。中年のジェームズは経験と若さの両方を兼ね備え、一方の最年少のドナルドは後先考えない未成熟さがところどころで強調されていました。

最初こそ最年長のトーマスがリーダーシップを発揮し、灯台守としての役割分担や秩序が保たれていましたが、見知らぬ男が漂流してきたこと、またその男を自己防衛のために殺害してしまったことで、三人の関係性に変化が生まれていきます。

人を殺したことで気が狂い始め、また無人島であることからかそこで起きたことを隠蔽しやすい状況であるせいか、モラルが崩壊していき、暴走し始めるのです。

金塊の後を追って、人相の悪い二人の男がやってくる下りは緊張感がありましたね。いつどちらかが攻撃を始めるのか、という心理的な探り合いの場面はなかなか見ごたえがありました。

特にこの男の表情が冷酷で怖かったです。平気で人を殺しそうな雰囲気でプンプンしていました。なにより顔がいいね。

物語はそこから泥沼の殺人劇へと化していき、取り返しのつかない結末を迎えます。展開はベタかもしれません。

それに冒頭のテロップで「スコットランドの孤島で三人の灯台守が突然跡形もなく失踪した。彼らの失踪事件はフラナン諸島のミステリーとして知られている」と流れるので、結末を予想するのはそれほど難しくないと思います。

つまり見所はいかにして三人の普通の人間が正気を失っていくのか、という過程にありそうですね。

シチュエーションもプロットもさも実際にありそうな内容だったし、それを支える演技も悪くなかったです。恐怖も十分にあるし、暴力シーンもリアルです。

一方でテンポの悪さと、静かすぎる演出は問題ですね。あれは無人島で流れるゆったりした時間と静けさを表しているのでしょうか。

そうだとしても、さすがにスローテンポで、ほぼほぼBGMなしで1時間30分以上はつらいものがあります。寝る要素が揃っているので、くれぐれも見る前にコンディションを整えてからにしたほうがいいです。寝不足で見たら即寝落ちするんじゃないかな。

ジェラルド・バトラー扮するジェームズが急にキレ出したのもちょっと唐突過ぎた感じがしましたね。正気から狂気の移り変わりがあまりにも突然で、え、どうした?と思っちゃいました。

なによりこの映画の最大のミスは「バニシング」なんていう邦題にしたことでしょうね。グーグルで検索したら「ザ・バニシング・消失」が真っ先に出てくるんだけど、その辺のことを考えないで邦題つけてるのかなぁ。

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