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千と千尋の神隠しは悲惨な奴隷労働の話!感想とネタバレ

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この記事は 約5 分で読めます。

見れない映画じゃないけど、ストーリーが残酷でヒロインが可哀想、としか思えない作品。今の時代では絶対アウトです。40点(100点満点)

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千と千尋の神隠しのあらすじ

引っ越し先へ向かう途中、千尋と両親は森の中へと迷い込む。そこで見たものは廃墟と化した遊園地だった。

両親は散歩がてらにその中を歩いて行こうとするのに対し、千尋は気が乗らなかった。

それでも両親は千尋にお構いなしで遊園地の奥の奥へと入っていく。お腹を空かした二人は、やがて食べ物屋の前で足を止め、店員がいないにも関わらず、勝手にそこにあった食べ物を食べてしまう。千尋は止めたが両親は聞こうとしなかった。

すると、あろうことか両親の姿が豚に変わってしまう。千尋は信じられず、辺りを彷徨うが、両親の姿はどこにもなかった。帰り道も消えてしまっていた。

絶望を覚えた千尋だったが、そこにちょうど少年ハクが現れ、彼女を救おうとする。

千と千尋の神隠しのキャスト

  • 柊瑠美
  • 入野自由
  • 夏木マリ
  • 菅原文太
  • 中村彰男
  • 玉井夕海
  • 神木隆之介
  • 内藤剛志
  • 沢口靖子

千と千尋の神隠しの感想と評価

紅の豚」「崖の上のポニョ」「風立ちぬ」「となりのトトロ」「風の谷のナウシカ」「ハウルの動く城」「もののけ姫」「天空の城ラピュタ」「魔女の宅急便」などでお馴染みの宮崎駿監督による、日本歴代興行収入第1位作品。

読者の高橋さんのリクエストです。高橋さんからはこんなメッセージをいただきました。

少し前にこちらのブログと出会い、映画男様のレビューがとても面白く、以降常に拝見させていただいております。こちらのフォームからリクエストが可能ということでしたので、ぜひリクエストをしたい作品がございます。スタジオジブリ作品の「千と千尋の神隠し」です。

この作品は、私が生まれて初めて見た映画でもあります。当時、幼いながらもスクリーンの前で物語に引き込まれていったあの感動を今でも鮮明に覚えています。何度見ても色褪せることはなく、私の中では不朽の名作です。

どんなレビューでも構いません。この作品に対する映画男様のお考えが聞きたく、リクエストをさせていただきます。

生まれて初めて見た作品が「千と千尋の神隠し」だなんて、ジェネレーションギャップを感じてしまいますねぇ。でもいくつのときに見たかで、違った印象を残す作品なのかもしれません。

一説によると、宮崎駿監督はこの作品を10歳の少女向けに作ったそうですね。千尋の年齢が10歳なのもそのせいで、少なくとも作り手は子供の視聴者を意識してファンジー映画を作ったようです。

にも関わらず、ストーリーはファンタジックというより、むしろ残酷な話になってるなぁ、と僕は感じました。

現実世界とファンタジー世界が結びつくのは、「となりのトトロ」やほかの作品でもよくある手法ですが、この映画がほかの作品と違うのはファンタジー世界が可愛いどころか、10歳の少女にはあまりにも過酷な環境である、という点です。

だって冷静に考えたらストーリーはこのように解釈できますよね。

  • 両親を何者かに拉致(豚に)される
  • 知り合ったばかりの少年にいきなり薬(ドラッグ)を飲まされる
  • 薬漬けにされた状態で少女がなんだか分からないまま銭湯で奴隷労働させられる
  • タコ部屋で寝泊まりさせられる
  • 銭湯の主人に身分証(名前)を奪われる
  • 借りてもない借りを返すために仕方なく一生懸命働く

これってもろ日本に来て知らないうちに風俗(風呂屋)で働かされる外国人労働者のことを描いてるじゃん、って思ったんですよ。冗談抜きで。

子供を主人公にしている割にはすごく悪趣味なストーリーだよなぁ。だってブラック企業どころか奴隷の話だからね。

それも奴隷にさせられてるのに千尋は自ら「働かせてください」、「私にやらせてください」とか言ったり、純粋な少女を洗脳している様子が、違った意味で泣けてきます。僕にはこのストーリーはとても受け入れられなかったです。

ディズニーも「シンデレラ」とか残酷なストーリーはありますよ。でもこんなにもろ現実社会とリンクしないじゃないですか。

2001年に公開されたからまだセーフだったのかもしれないけど、これもし今公開されてたら批判されてるんじゃないかな。

それと子供向けの映画なのに肝心なテーマが曖昧なんですよね。友情を描きたいのか、家族愛を描きたいのか、自立を描きたいのか、どっちつかずでしょ。

家族を助けるために千尋は頑張りますよ。でもその一方でなんであの両親は終始あんなに冷たくて、モラルに欠けてるんですかね。

家族を車に乗せて、森の中を猛スピードで走る父親。千尋を置いて我先にすたすた遊園地の中を歩いていく母親。店員がいないのに勝手に料理を食べる二人。ちょっと理解できないんです。

また、そんなポンコツ両親を助けるために千尋が、ハクに言われるがまま銭湯で働くことになるのが怖かったです。両親を助けたいから、動物にされたくないから「働かせてください」ってホラーかよ。

それなのになんか一事が万事、健気の少女な美談みたいに語られてるのが抵抗を覚えました。

また、色々と拡大解釈できるような描写も子供向けの映画には必要ないと思うんですよ。

やれ、この話は千尋の臨死体験だとか、カオナシは現代の若者だとか、電車に乗ってた人たちは死者だとか、それ子供たちに伝わってる?

それにせめて最後は、あのババアを倒さないと、問題解決にならないよね。みんな一生奴隷じゃん。

千尋は一見いい子そうだけど、ほかの奴隷の子たちのことは全然気にせず、自分だけ家に帰っちゃうっていうのもすごいよね。ハクのことは見捨てるのかよ。

あと、千尋が両親と再会したときぐらい、大喜びで両親のもとへと駆け寄っていったらいいのに変な距離感があるから、ハグすらできないんですよね、あの家族は。冷たいなぁ。助けなくてもよかったんじゃない、あんな両親?

コメント

  1. りゅぬぁってゃ より:

    宮崎作品は「アクションありきで絵コンテを作り、ストーリーやメッセージは後付け」って分析も結構ありますからね。(宮崎の下で仕事したスタッフが言ってるくらい)

    ある意味、千と千尋を現代的にリブートしたのが『若おかみは小学生!』なのかもしれません。(若おかみの監督は、千と千尋で作画監督してた)
    逆に若おかみは「メッセージありき」な部分あって、「原作にない監督の思想が蛇足だ」って批判もしばしば…。

  2. たかはしゆ。 より:

    リクエストにお応えいただきありがとうございます。ご丁寧にレビューを綴ってくださり、また映画男様のお考えを聞くことが出来、大変嬉しく思います。
    さて、今回も楽しく拝見させていただきました。この作品を初めて観た当時はただそのファンタジーの世界観に翻弄されていましたが、歳を重ねて観るごとに私も「千尋が可哀想だなぁ」と感じるようになりました。どこかで聴いた話ですが、やはりこの作品は少なからず風俗の世界を舞台にしているようです。子どもの頃には理解できませんよね。
    映画男様の仰る通り、この作品の面白いところは歳を重ねるごとに大きく違った印象を与えてくれることだと思います。
    因みに、私はこの作品の「トンネルを通じて現実の中に現れた異世界」という、まるで額縁に飾られた絵画のような、そんな世界観が今でも好きです。笑

    • 映画男 より:

      リクエストありがとうございました。ほかの人の貴重な意見が聞けて、僕も嬉しいです。

  3. 批評家です より:

    >もし今公開されていたら批判されてるんじゃないかな

    批判どころか大炎上しそうですね。
    視聴者は最後、千尋が無事両親の元へ戻れると知っているからこそ安心して鑑賞できるわけでありファンタジーとはいえ強制労働には変わりありません。
    あの世界の警察や政府は何をしているのでしょう。あのババアがそこそこ権力持っているのは確かですし、映画男さんが仰るようにハクも助けてあげるべきですね。あんなに神様がいるのに強制労働を見て見ぬふりする神なんぞ要りません笑
    両親が非常識なら、ハクを置いて一人帰ってしまう千尋も大概ですがね。いい子が最後は「人は人、自分は自分」的な冷たい人間になってしまう姿を見せたかったのでしょうか。

    今流行りの異世界転生ものなら、早々にババアをぶっ倒して異世界を救っている事でしょうね。ただし千尋はモブキャラレベルの弱さなのでどうにもなりません笑

    到底、今の若者がハマる内容とは思えませんね。
    周囲に踊らされてよいしょしまくる「考えるのをやめた若者」は別ですが。

    ちなみに、「深く理解すれば監督のメッセージが読み取れると」ドヤ顔で語っている人もいますが、世の中には深く考察する変態達がいて何度も地上波で放送されているからこそ、裏設定が浸透しているわけであり、もし情報・娯楽にまみれた現代で放映されていたとしたら考察されるまでもなくSNS上で批判が殺到し炎上していたでしょう。

    人種差別表現でモンハンの映画が炎上しましたが、こちらは強制労働かつ両親が非常識ときましたからねぇ。令和に相応しい映画とは言えません。
    神隠しオチでも夢オチでも強制労働はアカンでしょ。

    残酷な描写やゲロ吐きも出てくるのでアニメーションとはいえキツい場面もありました。

    • 映画男 より:

      アニメの中だと、ひどいことやありえないことがファンタジーでごまかされちゃう傾向がありますね。

  4. タコスの海に溺れて より:

    自分も全編を通してうっすら不気味さを感じさせる映画だなと思ってましたが、あえて狙ってのだと思っていました。これをただのハッピーエンドで済ませられる現代の大量消費文化の薄っぺらさに対する皮肉というか (前作がもののけ姫だったのでそこからの連続性のような)

  5. 鬼滅を滅 より:

    おぉ…たしかによく考えると「変だな」と思う部分がある映画ですね。子供の頃に見た時はそこまで考えずに「カオナシ怖いなぁ」と感じていました。ただ、名作と呼ばれる映画には「なんだかよくわからない」があるように思います。想像が膨らむのでしょう。
    昔から感じてましたが、あの両親は怖い。表情や所作に心がない感じ。でも、そんな親って結構な割合で居ると思います。そして子供にはその家族しかない…妙にリアリティがあります。むしろ好き勝手に生きていそうだから親は親、子は子って割り切ってそうで、案外、居心地の良い家庭なのかもしれない。いろんな子供が見るから家庭の詳細はあえて省いてるんでしょうね。
    子供が準備もないまま大人の世界に放り込まれて、よく分かんないけど環境に強いられて頑張る。その結果、よく分かんないけど成長した気がするし、大人に近づいたことで、頑張らなくても生きていけた頃に持っていたはずの大事な物を失った気がする…それを狙ったのだとしたら本当に上手くいってる作品だと思います。
    宮崎駿って目の前のゴミ拾いが大事だとか言ってるオッちゃんですからね。こんな映画まさに作りそうだ〜。