ボクの妻と結婚してください。

邦画が大の得意とする、”余命数ヶ月映画”。リアリティーなさすぎて、笑いしかこみ上げてこない、自己満足男が暴走する話です。11点(100点満点)

あらすじ

バラエティー番組の放送作家・三村修治(織田裕二)は多忙な日々を送っていたある日、末期のすい臓がんで余命6か月と宣告されてしまう。ショックを受けながらも家族のため何ができるのか考えた彼は、自分の代わりに家族を支えてくれる人を見つけようする。そこで、以前一緒に仕事をしたことがあり、今は結婚相談所の社長である知多かおり(高島礼子)に、自分がこの世を去った後の妻の結婚相手を探してほしいと頼み……。

シネマトゥデイより


文句

三宅喜重監督による、全く感動できない映画で、馬鹿馬鹿しくて、笑うしかない代物です。余命数ヶ月の登場人物に「死ね」って言いたくなるほど、イライラしてくる映画です。

この映画はタイトルが全てを物語っていますね。そう、つまり不治の病を背負った主人公が自分の妻の結婚相手を見つけるのがストーリーの全てです。

大好きな妻だから、自分が死んだ後も幸せになって欲しい。だったら次の結婚相手も僕が探しちゃおうといって、結婚相談所に駆け込み、候補の男に頼み込み、妻にお見合いをさせて、自分の前で結婚式まで挙げさせるという狂気に満ちた話になっています。

特に女性ならこんな映画で泣いちゃだめでしょう。主人公は自分の妻を所有物としてしか考えてないから、こんな発想になるんですよ。

そもそも妻のほうは結婚したいとも言ってないし、万が一結婚したくなったら自分で探すって。なんでお前に相手を決められなきゃいけないんだよ。

主人公はただ自己満足に浸りたいだけで、相手の迷惑なんてこれっぽちも考えません。妻に幸せになってもらいたいから不倫を自作自演して、離婚届けを叩きつけます。

タレントに自分の浮気相手を演じてもらい、週刊誌に撮られてしまうヘマをやらかします。真面目そうな会社社長を捕まえてきては、会社の下で待ち伏せして断られようが何度もお見合いを迫ります。

それも全ては妻の幸せのためなんだそうです。っていうかそれってお前の幸せだろ。人の迷惑も考えられない奴が他人の幸せを語るなよ、ボケ。

妻も妻で仕方なくお見合いを承諾しちゃってるし、挙句の果てには「今後のデートは3人でしましょうね」とか言って3人で交際を始める始末でした。なにが楽しんだよ、そのデート。

それにしてもすっかり日本映画界には「余命数ヶ月映画」というジャンルが確立されましたね。

最近僕が見た邦画の中だけでも「湯を沸かすほどの熱い愛」、「聖の青春」、「世界から猫が消えたなら」、「死にゆく妻との旅路」などたくさんの作品を挙げることができますし、「湯を沸かすほどの熱い愛」以外は文句なしの駄作ですね。

しかしこの手の映画で号泣している人がいるうちは日本映画界から低クオリティーの感動押し売り映画はなくならないでしょう。

作り手もそれに味を占めて登場人物と設定をちょっと変えただけの泣きパターンを使って視聴者を泣かせにくるはずです。

死を目前にした人がやり残したことをやるっていうけどさ、実際やりたいことが山ほどあってもやりきれずに死んでいくのが現実なわけで、わずか数ヶ月の間に全部できちゃうっていうほうがおかしいです。

この映画がどれだけ成立しえないかは、主人公の妻役である吉田洋をゴクゴク普通のおばちゃんにしたら分かります。

そしたらお見合い相手が断りを入れるシーンはマジの拒絶になり、主人公の男が妻への愛と妻の幸せを口にする下りでは感情移入できない人が続出するはずです。

つまりこの映画で泣いている人は夫婦愛に感動しているのではなく、夫に先立たれた、思いやりと理解力のある美人で優しい”完璧な妻”の姿に惑わされてるだけにすぎないのです。色んな意味で、あんな女いないから。

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