湯を沸かすほどの熱い愛


末期癌を患った母親が子供や周囲の人々に溢れんばかりの愛を惜しみなく与えていく感動ドラマ。若干感動の押し売り感はありますが、子役の演技が良く、いい映画に仕上がっています。66点(100点満点)

あらすじ

1年前、あるじの一浩(オダギリジョー)が家を出て行って以来銭湯・幸の湯は閉まったままだったが、双葉(宮沢りえ)と安澄(杉咲花)母娘は二人で頑張ってきた。だがある日、いつも元気な双葉がパート先で急に倒れ、精密検査の結果末期ガンを告知される。気丈な彼女は残された時間を使い、生きているうちにやるべきことを着実にやり遂げようとする。

シネマトゥデイより

湯を沸かすほどの熱い愛に感動した!

中野量太監督による複雑な家族構成を持つ人々の人間ドラマです。家族ネタを使ったベタな演出だけれども、久々に泣かされました。それも2回も。

物語は、銭湯を営んでいた夫に逃げられた子持ちのシングルマザー双葉(宮沢りえ)が癌を宣告されるところから本題に入っていきます。余命わずかと知った双葉は探偵を使って夫を探し出し、夫の愛人の連れ子と一緒に二人を自宅に連れ戻します。

こうして4人の奇妙な共同生活が始まり、銭湯の営業を再会させますが、それは双葉が死ぬ前に家族の問題を清算しようという気持ちからでした。

娘の安澄は学校でいじめを受け、連れ子の鮎子は銭湯からお金をくすねるなど、それぞれが問題を抱えながらも、双葉は二人の娘から信頼を得ていきます。

そんな中、夫を銭湯に残し、女三人だけで箱根に自動車で旅行した双葉は、自分の娘である安澄についに本当のことを告げる、というのがあらすじです。

タイトルはキザで、吐き気がするし、演出はズルイといえばズルイですね。ヒロインのお母さんが末期癌になるというのからしてそうですが、登場人物たちの家族構成が複雑すぎて、どんだけお前ら失踪してるんだよっていいたくなるほど、登場人物たちが蒸発しまくり、子供捨てまくりの状況になっていました。

一方で多少の行き過ぎた演出に目をつぶればユーモアと優しさに溢れる素敵な家族ドラマとして見えることができるでしょう。

夫がいなくなった銭湯には「湯気のごとく夫が蒸発してお湯が沸きません」といった洒落の利いた張り紙が貼られるなど、双葉の心の余裕と肝っ玉お母さんぶりが発揮しているのに好感が持てました。

特に注目してもらいたいのは、安澄役の杉咲花と鮎子役の伊東蒼の二人です。息がぴったりのいいコンビだったし、大人たちのパフォーマンスをはるかに上回る素晴らしい演技を見せていました。

鮎子がどうか家にいさせて欲しいと言ったシーンと、安澄が手話を披露したシーンでは涙が自然とこぼれてきました。あんなに無邪気で可愛らしい子供たちを使って大人を泣かそうとするなんて反則です。

宮沢りえも悪くなかったです。末期癌患者の役作りのためかガリガリに痩せていて、昔の拒食症の頃のことがよぎって、ちょっと心配になってしまうほどでした。

オダギリジョーは相変わらず浮いていましたね。宮沢りえの夫役はあんまり似合っていなかったし、実生活でも子供がいるのに父親役があんなに似合わない俳優も珍しいです。

いいシーンはたくさんあるんですが、終盤になると結構いらないシーンもチラホラ出てきます。ヒッチハイカーのシーン、ピラミッドのシーン、双葉のお母さんのシーンなんかはばっさりカットしてもらいたかったです。

それ以外で十分に感動するシーンがあるので、あそこまで感動を詰め込まなくていいです。何度泣かす気だよってぐらい欲張ってましたね。

それにしても夫と聾唖の女はどこでどう知り合ったのかが気になって仕方がありませんでした。そもそも二人はコミュニケーション取れるのかよって話です。できることならどこに行ったら聾唖の美女と知り合えるのかその辺を詳しく教えてくれたら、いや、描いてくれたらよかったんですけど。

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