すべての政府は嘘をつくは題材がデカすぎ!ネタバレと感想

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フレッド・ピーボディ監督による報道のあり方をフリージャーナリストたちの視点でつづった記録映画。大手メディアとそれを操る政府を批判し、ジャーナリズムとは何かを問う作品です。40点(100点満点)

すべての政府は嘘をつくのあらすじ

私益を得ることに注力して、権力の不正や欺瞞を追うのをやめてしまった大手メディアに反旗を翻すフリージャーナリスト。その急先鋒とされる映画監督のマイケル・ムーア、元 Washington Post 紙記者のカール・バーンスタイン氏、ジャーナリストのグレン・グリーンウォルド氏などの活動を追いつつ、彼らに多大な影響を与えた敏腕ジャーナリストである故I・F・ストーン氏の理念とジャーナリズムの在り方を浮き上がらせる。

シネマトゥデイより

すべての政府は嘘をつくの感想

アメリカ政府とメディアがいかに国民を欺いてきたかを描くカナダ製作のドキュメンタリー。視点や切り口は面白いものの、たくさんの事件を取り上げすぎて、一つ一つのエピソードがかなり薄くなっているのがいけません。

「ジャーナリズムのあり方」といった壮大すぎるテーマがそもそもの問題ですね。それに加えて、権力に屈せず、主要メディアから離れて独自のメディアを展開をし、真実を伝えることに生涯をかけたジャーナリストI・F・ストーンの精神を賛美する形で、ジャーナリズム精神を伝えようとしています。それだってわずか1時間30分の枠内で語りつくせる問題ではないですよね。

これまでアメリカ政府がついた数々の嘘を挙げながら、「シチズンフォー」で一躍有名になったジャーナリスト、グレン・グリーンウォルドやドキュメンタリー映画監督マイケル・ムーアなどのコメントを交えていくんですが、政府の嘘とそれを国民に伝える大手メディアの姿勢を面白く批判することはできていないです。

大手メディアが得意とするセンセーショナリズムを真っ向から否定している手前、この映画で自分たちが大げさに煽るにもいかないし、サスペンス風の演出をして盛り上げたり、やらせをするわけにもいきません。その結果ただ淡々とジャーナリストたちが真面目に報道について語るというちょっと退屈な映像に仕上がっていました。

イラクの大量破壊兵器など戦争のきっかけにもなっているアメリカ政府の嘘には嫌悪感を覚えるし、政府の言われるがままにそれを報じてきた大手メディアの責任は重いです。

一方でメキシコ人移民の死体が百体発見されてもアメリカでは大したニュースにならないのにパンダの赤ちゃんが生まれた映像やジャスティン・ビーバーが逮捕されればバイラルが起こる現状を嘆いたとしても、伝える側だけの問題じゃなく、それを受け取る視聴者の問題でもありますよね。

やっぱり国民が馬鹿だと、メディアもビジネスでやっている以上それに合わせてコンテンツを作っていくしかないわけで、なんで大手メディアはくだらないことばかり取り上げて、もっと大切なことを取り上げないんだって怒る人もいるけど、国民が関心を持つ出来事だったら大手メディアが取り上げるまでもなく、個人のSNSの発信だけで自然に拡散されていくからね、今の時代。

だから嘘をつく政府と重要な情報を自分で取捨選択できないアホな国民を批判してもよかったかもしれないです。あるいはそのどちらかか。

いずれにしても矛先をフォーカスしていたら良かったんだけれど、ターゲットがブレたせいで、インパクトが弱かったです。トランプ政権、オバマ政権、ブッシュ政権、大手テレビ局、大手新聞社など、権力側は誰も彼もが悪いって言われてもね。

キャピタリズム~マネーは踊る」、「マイケル・ムーアの世界侵略のススメ」などマイケル・ムーアのドキュメンタリーもテーマが絞れていないことから、全く同じことが起こっていますよね。誰を批判したいのか分からなくなっているんですよ。

それだけ批判を一本の映画にまとめるのは難しいんでしょうね。どうせ権力にたてつくなら、もっと集中的にこき下ろしたらよかったのに。

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