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キャピタリズム~マネーは踊る(原題 Capitalism: A Love Story)

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マイケル・ムーアの経済ドキュメンタリー。笑えるシーン、ジーンと来るシーンありで相変わらず映像、写真、統計を組み合わせた編集技術はすごいです。

その一方で銃社会を批判した「ボウリング・フォー・コロンバイン」やブッシュを批判した「華氏911」に比べると、テーマがやや分散しすぎて、何が言いたいのかはっきりしない作品です。48点(100点満点)

キャピタリズム・マネーは踊るのあらすじ

2008年9月、リーマン・ブラザースは破綻し、大不況がやってきた。しかし実際はそれより以前からアメリカでは住宅ローン延滞のため、自宅を差し押さえ られる人が増えていたのだ。

「1%の富裕層が底辺の95%より多い富を独占」しているというアメリカでは、国民の税金が金持ちを救うために投入される。 ムーアは$マークのついた袋を持ち、「僕たちの金を返せ!」とウォール街へ突入していく。

シネマトゥデイより

キャピタリズム・マネーは踊るの感想

誰か特定の人を批判しようとするとき、十分に実力を発揮するのがマイケル・ムーアです。それに対し、資本主義にメスを入れた今回も、医療保険制度を突ついた「シッコ」のときも矛先がシステムに向くと、映画の完成度はいまいちになります。

マイケル・ムーアは嫌いな奴をけなす才能に長け、そうしたターゲットに注げるエネルギーが尋常じゃない。ところが視聴者の目に「悪の大ボス」と映るターゲットが見つからない場合は的外れになってしまう。それがこの映画では顕著に現れていました。

これまでの作品のように、今回もまたどこからともなく被害者を探してきて、彼らがなんて可哀想な人たちなのだろうか、という演出をこれでもかというぐらい連発していました。

もちろん被害者の中には同情を誘う人たちもいます。ただ、リスクを良く理解もせずに金融商品に手を出して、家を差し押さえられる人たちが果たして一概に「被害者」といえるのだろうかという気もしました。

返済能力がないと分かり切った人々に金を貸す銀行が悪いというのも一つの考えでしょう。では低所得で、定職もない人間が住宅ローンを組むことに問題はないのか。それこそ資本主義に犯された物欲のなす仕業ではないかと思えなくもないのです。

映画の中で言われているように、資本主義は本当に悪の根源なのかもしれません。金さえ稼げば人生成功だとしている世の中の風潮は、人間が人間らしさを失う主な原因のひとつに違いありません。

ただ、資本主義だろうと、社会主義だろうと、共産主義だろうと、上が下から吸い上げる、搾取するという構図は全く変わらないし、制度がどうであれ人間社会では盗む奴は盗むし、盗まれる奴は盗まれるのです。一人一人がしっかりするしかないのです。

これまで色々な物事を批判してきたマイケル・ムーアですが、実は彼を批判するドキュメンタリー映画も存在します。

映画で成功し巨額の富を手にしたマイケル・ムーアは、「(さんざん周囲を批判している)あなたは映画で得た大金で私たち(被害者、またはその関係者)のために何をしてくれるのか?」と聞かれ、「何百万人という人々が見たがる映画を作っちゃって悪かったね」と、皮肉を言って質問を煙に巻いていました。

資本主義を、格差社会を叩く彼が他人のためにはお金を使いたくないという皮肉。この辺の矛盾はもうどうにもならないんでしょうね。

コメント

  1. こうすけ より:

    この金融商品は格付け会社が最高ランクのAAAをつけていたんですよね
    利息を下回る返済が成り立っていたり、将来の土地価格の上昇を見込んでローンが通ったりしたみたいです。

    • 映画男 映画男 より:

      やはり金融や不動産に手を出すなら、人の話だけを頼りに買うんじゃなくて、ある程度自分自身の感と知識が大事なんだと思います。家を手放すことになった人たちは気の毒ですけど。