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シチズンフォーはスパイ映画より面白い!感想とネタバレ

この記事は 約6 分で読めます。

Citizenfour
アカデミー賞ドキュメンタリー部門にノミネートした作品で、正真正銘の「スパイ」映画。スリリングな展開と、世界を揺るがすトップシークレットの暴露が衝撃です。85点(100点満点)

シチズンフォーのあらすじ

ドキュメンタリー映画監督のラウラは2013年1月、「Citizen Four」と名乗る人物から暗号化されたEメールを受け取る。その人物はラウラに対して、アメリカ国家安全保障局を始めとする政府当局が秘密裏で行っている違法の盗聴行為についての内部情報を伝えたいといってコンタクトしてきたのだった。

ラウラが香港のホテルで出会ったその人物とはエドワード・ジョセフ・スノーデンだった。 スノーデンの口からは次々と世界中を揺るがす衝撃の内容が明らかにされていく。

シチズンフォーの感想

そんじょそこらのスパイ映画とは比べ物にならないほどの本物の「スパイ」を体感できる上質の一本です。

民主主義を脅かすほどのアメリカ政府の傍若無人な行為と、それを阻止しようとするスノーデンやジャーナリストたちのバトルが見物で、なぜスノーデンが命の危険を犯してまで、内部情報を暴露したのかがよく分かる記録映画。

スパイ映画が好きな人には飛び上がって喜ぶほどの内容です。暗号化されたEメールによる監督とスノーデンのやり取り。どれだけ盗聴技術が進んでいるかが分かるスノーデンの解説。

そして世界中の人々のプライバシーがどれだけ侵害されていて、それがいかに危険なことかを示すストーリー。映像も、構成も、ドキュメンタリーの粋をはるかに超えていて、まるでフィクションのスパイ映画を見ているようでした。

政府のために働いていた スノーデンがなぜアメリカを裏切ってまで内部告発したのか。それはスノーデンがアメリカ政府のプライバシーを侵害した行為がどれだけ危険であるかを一般市民よりもずっと深いレベルで理解し、 日常の生活が脅かされる光景が鮮明に想像できるからです。ある有名なハッカーによる講演会のシーンでこんな説明がされていました。

「クレジットカード、地下鉄のカード、デビットカードなどから別々の情報をつなぎあわせるだけで、あなたの行動パターンも分かるし、別の人の情報と照らし合わせれば、あなたがどこで誰と会って、なにをしていたかも分かる」。

どういうことかというと、たとえば毎朝近所のコンビニであなたが9時に新聞をクレジットカードで買う習慣があるとします。

その後、9時15分に地下鉄にスイカなどのカードを使って乗り、10時にあるスポーツジムにジムの会員カードを使ってチェックインする。11時になって携帯電話で友達に電話し、銀行のカードを使ってお金を下ろしてから友達と落ち合い、レストランで食事する。

これらの一連の情報が最新技術をもってすれば簡単に分かってしまい、あなたの行動なんて全てお見通しですよ、ということです。

これがどれだけ危険なことかというと、悪用すれば人を誘拐することも、個人のスキャンダルを暴露することも、あるいは警察が軽犯罪をでっちあげて善良な市民を逮捕するなんてことも簡単になってしまうわけで、それがまかり通れば、プライバシーはもはやなくなってしまい、人々は監視されている恐れからプライベートで自由な発言もできなくなってしまう。

その果てには民主主義もなければ、政府と国民のパワーバランスが完全に崩壊した独裁主義と同じ構図ができてしまう、というわけです。

本来アメリカの法律では政府は裁判所の許可なしに通信会社などから個人情報を入手できないにも関わらず、ある電話会社からは顧客全員の通話情報を受け取って「国家の安全のため」という大義名分の下、チェックしていたそうです。もちろんアメリカ政府はアメリカ国内だけでなく、同じような行為を世界各国でやっています。

ちょっと前に日本でベネッセから顧客情報が漏れて大騒ぎしていたけれど、あんなもんじゃないですよ。いいですか。恋人と電話しているときに電話越しに青山テルマの「そばにいるよ」でも歌おうもんなら、誰かに聞かれているということです。恥ずかしくて、甘い言葉の一つも言えたもんじゃありません。

もちろん電話だけじゃありません。グーグル検索、ユーチューブ、フェースブックなどの全ての記録は見られていると思ったほうがいいですね。

「ああ、佐藤さん、また上司の吉田さんとラブホテル行く約束をLINEでしてますね。そろそろ部屋に乗り込みましょうか。我々に協力しなかったら、不倫を家族と会社にばらすと脅しましょうぜ」といったことを警察がやらないとも限りません。

スノーデンはアメリカ国家安全保障局の内部にいた人間であり、通信技術のプロなので、これ以上の恐ろしさを肌で感じているはずです。

もちろん今までも国家同士が諜報活動として、たとえば大使館などを盗聴してお互いの情報を盗み合うことは当たり前にあったはずです。しかしそれがテロの容疑者でもなんでもない一般市民のレベルにまで達しているというのが問題ですね。

スノーデンによると、普通のデスクトップからアメリカ政府が採用している無人航空機「ドローン」の映像をリアルタイムに見ることも簡単で、ドローンは意味も無く容疑者でもない人々の家とかを何時間も盗撮しているそうです。

また、この映画の撮影中にもスノーデンは盗聴や盗撮を常に気にしているために、電話を使わないときは電話線を抜き、パソコンを使ってパスワードを打つときには頭に毛布を被ってタイプします。

電話はなにも会話中だけ盗聴されるのではなく、受話器が置かれた状態でも普通に部屋の会話を盗聴できるそうです。毛布を被るのはタイプした指や目の動きなどでパスワードを解読できてしまうから、といった驚きのスパイ活動の裏側が見れるのが面白かったですね。

インタビューアーのジャーナリストがスノーデンの了解の下、スノーデンの顔をメディアに公開すると、すぐ様彼の周囲は慌しくなります。どうやって所在を突き止めたのか、新聞社などが香港に身を潜めていた彼のホテルの部屋にまで直接電話をかけてくるようになり、身の危険が迫ります。

スノーデンはホテルの部屋を移動し、また人権団体やウィキリークスの創始者ジュリアン・アサンジクなどの協力の下、香港から脱出を図ります。

そして最終的にロシアに亡命する、というのは報道の通りでした。驚きだったのは、スノーデンの恋人までモスクワに引越し、現在では二人で身を潜めて暮らしているそうです。

それがまた結構な美人で、できすぎたスパイ恋愛映画のようでした。アメリカ政府から命を狙われている男の後を追って、全てを捨ててロシアに移住するって。そんな女いますか? 愛だなあ、おい。

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コメント

  1. 米国政府は市民を盗聴している。

    「ということは、逆もまた可能ではないのかな」と思いました。

    市民は、米国政府が直面している課題に対する唯一の解決策を
    インターネットで公開できます。
    米国政府は、市民がインターネットに公開した唯一の解決策を盗聴し、
    採用せざる得ないということです。
    市民は米国政府を操ることも可能だと思いました。

    君は自分の手で歴史の歯車を回してみたいとは思わないのか?

  2. sh より:

    こんにちは。
    こちらでの点数が高かったので観てみようと思いました。
    観てよかったです…!

    私のような情報オンチにとって決して優しい内容ではなく、登場人物も地味でしたが、ちっとも退屈しませんでした。「え、もう終わり?」という感じでした。

    特に正体がばれる辺りからドキドキしてきましたし。
    ホテルの部屋で何度か火災報知器(?)が鳴る場面とか、何かしら意味があるような気がして怖かったです。

    この作品を観るまでは、スノーデンって単なる目立ちたがり屋なんじゃないか、とか考えていた自分が恥ずかしいです。ラストで、やつれきった表情に胸が痛みました。

    色々な意味で考えさせられた映画でした。

    このような作品を紹介して下さって、どうもありがとうございました。

    • 映画男 より:

      shさん

      この映画、面白いと同時に怖い話ですよね。スノーデンがこれからどうなるのかも気になります。