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パルプ・フィクションは脚本が神!ネタバレと感想

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この記事は 約5 分で読めます。

pulp

奇跡的なキャスティング、前後につながるセリフ、予想不可能な展開が見事なバランスを保っているクエンティン・タランティーノ監督の代表作。オシャレで、ユーモアがあって、不気味で、アンダーグランドの雰囲気がぷんぷんする見所満載の映画。76点(100点満点)

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パルプ・フィクションのあらすじ

強盗の計画を立てているカップルを導入部に、盗まれたトランクを取り戻そうとする二人組のギャング、ビンセントとジュールス。ボスの情婦と一晩のデートをするハメになるビンセント。ボクシングの八百長試合で金を受け取るボクサーのブッチ。誤って人を殺し血塗れになった車の処理に右往左往するビンセントとジュールス。ギャングのボス、マーセルスを軸としたこれらの物語がラストに向けて収束していく……。

シネマトゥディより

読者のあらいさんのリクエストです。ありがとうございます。

パルプ・フィクションの感想

デス・プルーフ in グラインドハウス」、「ジャンゴ 繋がれざる者」、「イングロリアス・バスターズ」、「ヘイトフル・エイト」などのタランティーノ監督による群像劇。

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タランティーノ監督はあまり好きな監督じゃないんですが、この作品は別です。なんていっても遊び心満載のアイデアが詰まった脚本がユニークでぶっ飛んでますよね。

その素晴らしい脚本を基に豪華な俳優たちが強烈なキャラでそれぞれの役を演じているのも見所の一つです。

普通、あれだけ有名俳優が勢ぞろいすると一人一人の良さが消えてしまうものだけれど、この映画は上手い具合にそれぞれが目立ちながら、他のキャラをつぶさないような秩序を保ってることに驚かされます。

中でも一番印象が強かったのは殺し屋を演じたサミュエル・L・ジャクソンです。とにかく目つきが怖く、迫力があって、あんな男に銃を向けられたら誰だってビビるはずです。

でもどこか間抜けなのが面白く、同じく天然ボケキャラのジョン・トラボルタとの掛け合いは絶妙でしたね。

ミア(ユマ・サーマン)とヴィンセント(ジョン・トラボルタ)の一連のデートシーンも好きです。

会話のつなぎが心地よくて、無意味な会話に聞き入ってしまうほどでした。レストランに入ってから席に着いて、注文を取って、食事を食べて、踊り出すまでのシーンをあれだけスムーズに見せられるのはなかなかできる演出じゃないですよ。

安っぽいフィクションという設定の中でも、出演者の自然な演技とスタイリッシュな会話が合わさると、そこに妙なリアリティーが生まれるから不思議です。

ブッチ(ブルース・ウィリス・)とマーセルス(ヴィング・レイムス)が監禁された質屋のシーンとかB級ホラー映画のような展開でしたが、アメリカだったらあんな変態野郎たちが普通にいそうだし、なにより笑えるから辻褄が合うとかどうとかが気にならなくなりますね。それにしても黒いマスクの男は一体なんだったんでしょうね。

パルプ・フィクションのスーツケースに入っていたものとは?

物語の中に謎を残しておく演出も光っていました。特に気になるのはスーツケースの中身じゃないでしょうか。

タランティーノと並ぶ本作の共同原案者であるロジャー・エイヴァリーは、もともと脚本ではスーツケースの中は「ダイヤモンド」だった、とあるインタビューで答えています。ただ、それだとあまりにも普通すぎて、読めてしまうために後に変更したといいます。

ダイヤモンドじゃないとすればあれはなんだったんでしょうか。普通に考えると、スーツケースを開けたときにゴールドに輝いていたことからも、金の延べ棒かなんかだと考えるのが自然ですね。ただ、それでもあまりにも退屈な答えになってしまいます。

そこでマニア向けに、あるセオリーが浮かびます。それはあの中に入っているのは悪魔に売った、マフィアのボス、マーセルスの「魂」である、というものです。

マーセルスがスクリーンに登場したとき、後頭部にバンドエイドが貼られているのを覚えていますでしょうか。あれは悪魔が後頭部から魂を抜くといわれているからで、スーツケースの暗証番号が「666」だったのもやはり悪魔を暗示しています。

また、ヴィンセント(ジョン・トラボルタ)とジュールス(サミュエル・L・ジャクソン)が銃で撃たれても無傷だったのは、「聖なる神の介入」があったからで、あれは神によって「魂」が救われたというシーンだったのです。

こう聞くといかにも正しいかのように聞こえますが、結局は視聴者がどう思ったかが答えなのです。スーツケースについてはこんなエピソードもあります。出演者の一人がタランティーノに「スーツケースに入っているものは一体なんなのですか」と聞きました。

するとタランティーノはこう答えたそうです。

「It’s whatever you want it to be. それは君が、そこにあって欲しいと願うものだよ」

素敵な答えですね。こういう態度の作り手がいてくれてホッとします。深読み馬鹿たちは見習ったほうがいいです。

コメント

  1. John Metavolita より:

    はじめまして。

    つい最近,偶然,こちらのサイトに辿り着き,
    少しずつ読ませいただいているところです。

    僕の知る映画,知らない映画,
    何より膨大なレビューの数に圧倒されますが,
    楽しく読ませていただいております。

    パルプ・フィクションは僕も大好きな1本。
    なかなか高い評価でホッといたしました(笑)
    (お察しかもしれませんが,僕のHNも実はこの映画の
    トラボルタにインスパイアされたものです。)

    これからも更新楽しみにしております。

    • 映画男 より:

      John Metavolitaさん

      コメントありがとうございます。今後もよろしくお願いします。

  2. 撫子 より:

    映画男さん、明けましておめでとうございます。
    本年が映画男さんにとって素晴らしい一年になりますように。

    パルプフィクション、前から気になっていたのですがやっと観ました。
    傑作と名高い&映画男さんが褒めていたのを覚えていたので今日レンタルで観たのですが、本当に観てよかったです!

    軽妙洒脱な会話がずーっと観てても飽きず、突飛に見えてよく練られた構成が素晴らしくて途中からは「そういうことだったのか!」と何度も言ってしまいました。
    キャラクターも全員覚えられるくらい個性的でしたね。
    長い映画なのに45分くらいに感じるほどでした。100円でレンタルできましたが、この映画なら映画館料金出しても惜しくないです。

    長い感想でごめんなさい。映画男さんのレビューのおかげで楽しいひとときが過ごせました。今年も応援しています。

    • 映画男 より:

      明けましておめでとうございます。時間差で名作と出会うのもいいですよね。なぜかスルーし続けてきた作品って誰にでもあると思うので。
      今年もよろしくお願いいたします。