2017/10/25

ぐるりのこと

10年間の生活を時事ネタを交えて描いた夫婦ドラマ。リリー・フランキーの動きが固く、ボソボソ喋るため会話が聞き取れないところが多々あるものの、脇役の俳優陣が実力派ばかりで彼らのおかげで救われた映画。52点(100点満点)

ぐるりのことのあらすじ

法廷画家の仕事を始めたカナオと几帳面な祥子は赤ん坊を誕生を待ち望む幸せな夫婦だった。しかしある日、子どもを失ったことで深い悲しみに陥り、祥子の方が精神を病んでしまう。そんな祥子をカナオは自然体で支え、二人は徐々に自らの力で問題を乗り越えていく。

シネマトゥディより

ぐるりのことの感想

出版社の社員で翔子と口論する男性社員、玄関まで苦情を言いにくる隣人、患者の体をハーブ入りの手ぬぐいで拭いてあげる看護婦、女性のお坊さんなど、ちょい役の人たちのレベルが高く、主役の夫婦以外が目立つ作品でした。

翔子役を演じた木村多江は良かったり、悪かったりと波がありましたね。日本の俳優っていつも思うんですが、ここまでは演じられるけど、これ以上はできないという演技の幅の狭さを感じますね。

例えば、入浴シーンはできても、セックスシーンはできないとか、健康な人は演じられるけど、精神を病んだ人は下手だとか、できるできないがはっきりしていますよね。

この映画のクライマックスは、翔子が旦那を引っぱたいて、発狂するシーンだと僕は思っています。それなのにおどのシーンよりもあのシーンが一番物足りない出来でした。

ビンタの仕方にしても力を抑えてるのが見ていて分かるし、どうせやるなら片方の胸がシャツからはみ出るくらいなりふりかまわず暴れて欲しかったです。

心身共にボロボロになっているはずなのに、身なりも綺麗だし、怒り方も綺麗で、まだまだ精神的に余裕があるんだなあ、という感じがしてダメでしたね。

もうひとつ、夫婦の生活を追っているのにセックスシーンを省いているのはどうかなと。最近、ふと気づいたんですが、自分にとっては「なんだよこの映画、セックスシーンもないのかよ」と思わせる映画はまあまあな映画で、「あれ? それいえばこの映画セックスシーンはなかったけど、それでも全然面白かったなあ」と思わせる映画はいい映画なのです。

つまりエロス抜きでもその映画に最後まで付き合えるかどうかを基準にすると、いとも簡単にその映画の本質が見えてくるのです。それはちょうど、セックスがなくても会いたいと思わせる異性は素敵で、セックスがなければ会う意味がないと思わせる異性はしょうもない、ということとよく似ています。

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