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長い旅(原題 Le Grand Voyage)

この記事は 約3 分で読めます。


アラブ映画祭2006で上映されたロードムービー。BGMよし、ストーリーよし、演技よし、映像よしの名作で、ここ数年に見た映画の中ではダントツで一番完成度の高い作品。93点(100点満点)

映画「長い旅」のあらすじ

フランス生まれのモロッコ人レダはある日家に帰ると、熱心なイスラム教徒の父親にサウジアラビアのメッカへの巡礼に付き添うように頼まれる。

レダは学校の期末テストも控えているし、突然抜けるわけにはいかないなどといって反対するが、結局は渋々引き受けることに。二人はオンボロの自動車に乗ってフランスを出発し、遥か遠くのイスラム教最大の聖地を目指す。

シネマトゥディより

映画「長い旅」の感想

 

イスマエル・フェルーキ監督による父と息子の自動車二人旅。

正反対な性格を持つ父子が巡礼の旅を通じて心を通わせていく過程が自然で、愛情深く、心温まりました。

大袈裟な演出は一切なく、かといって退屈もせず、旅の景色やイスラム文化を感じさせるエピソードの数々に、旅っていいなあ、人っていいなあと思いました。

旅の目的地がサウジアラビアのメッカという馴染みのない場所であることも、この映画をユニークにしています。巡礼地を巡るロードムービーって結構あるけど、サウジアラビアでの旅は画面越しに見ても貴重な体験になりました。

旅の始めは怒ったり、人を疑ったりという人間らしい感情をむき出しにしていた二人が聖地に近づくにつれ純粋になっていくのが神秘的です。

まるでアラーの神が二人を見守っているかのように、旅で知り合う一見怪しい人たちもみんな実は悪意のない人たちで希望に満ちています。

普段、アメリカ映画の中でテロリストとしてしか描写されていないアラブ系、イスラム教徒の人たちの助け合いの精神が見られて、とても幸せな気分になりました。

なにがいいって、この映画を見ていると思わず旅をしたくなってくるのがいいですね。映画は仕事に追われ、休みが取れず、旅行と無縁になった人たちの数少ない“旅”の手段だと思います。

生涯行く機会がないだろうと思われる数々の場所を画面越しに憧れの眼差しをもって眺めるのも悪くないものです。

そしてどこの国の映画に限らず、世界中の視聴者は色んな思いを抱いて、その映画と共に旅をしているんだということを映画監督の人たちには知っておいてもらいたいものです。

ある外国人は黒澤明の「夢」を見て「日本はなんて美しい国なんだ。あんな所に一度でも行けたらどんなに幸せだろうか」というようなことを言っていましたが、この映画を見てもやはり同じような歓喜がありました。

 

コメント

  1. ちーちゃん より:

    この映画を観た後、しばらく立ち上がれませんでした。文句なし。私はメッカの近くに長く住んでいたので、ハジの期間の雰囲気をなつかしく思い出しました。
    この監督を心から賞賛します。

    • 映画男 映画男 より:

      メッカの近くに住んでたんですか。ぜひとも他のアラブ映画の感想も聞かせてください。

      • ちーちゃん より:

        キンキー・ブーツ

        イギリス映画

        無人島へ3つだけDVDを持って行くことが許されたとしたら、そのひとつにこれ「キンキーキンキー・ブーツ」を選びます。
        あと2つ? 「愛人ラ・マン」 と 「男と女」

  2. ちーちゃん より:

    すみません、キンキーがだぶってます。キンキーブーツです。イギリス映画。

  3. ちーちゃん より:

    ごめんなさい、です。失礼しました。そうでしたか。30点!
    私は何度観ても好きなのですが。映画男さまのご感想、大変興味深いです。