
怖さより寓話性が強い、なんとなく結末を予想できてしまう雰囲気ホラー。つまらないです。17点
ナイトボーン夜哭のあらすじ
サーガと夫のジョンは、新しい生活を始めるため、サーガが幼少期を過ごしたフィンランドの深い森にある古い家へ引っ越す。二人はそこで家庭を築くことを望み、やがてサーガは妊娠する。サーガは男の子を出産する。
しかし、生まれた直後から彼女は、赤ん坊の様子がおかしく、人間ではないように見えるという強い違和感を抱く。
一方、ジョンや医師、助産師など周囲の人々は「普通の赤ちゃんだ」と言い、サーガだけが異常を感じている状況となる。育児が始まると、赤ちゃんが異常な食欲を見せたり、不気味な鳴き声を上げたり、森と奇妙なつながりを持っているように見えたりするなど、不自然な出来事が続く。しかしジョンは「産後うつではないか」と考え、サーガの話を信じない。このため、夫婦の関係は徐々に悪化していく。
さらに赤ん坊の成長とともに、森では奇妙な現象が起こり、人々の身体には火傷や異変が現れるのだった。
ナイトボーン夜哭のキャスト
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- セイディ・ハーラ
- ルパート・グリント
- パメラ・トラ
- ピルッコ・サイシオ
- レベッカ・レイシー
- ジョン・トムソン
ナイトボーン夜哭の感想と評価

「ハッチング -孵化」で知られるハンナ・ベルイホルム監督によるフィンランド映画。生まれてきた念願の赤ん坊がなんか変なんじゃないのかと母親が疑っては暴走していくホラーで、産後鬱や母性を比喩的に表している雰囲気の最近よく見る欧州芸術路線恐怖映画です。
ホラー映画で国際映画祭で評価された、出品されたみたいな作品は要注意です。「デビルズ・バス」とか「レリック」とかそれに当たりますが、ホラーに関しては芸術性ってあまりいらないと思うんですよね。それよりもエンタメ性と怖いかどうかでしょ。
その点、本作はその両方に欠け、終始生まれてきたばかりの赤ん坊がなんか気持ち悪いんだけどみたいな展開が続くだけで、何の捻りもありません。赤ん坊を見て気味が悪くなるお母さんを視聴者はずっと見せられるわけで、話が一向に広がっていかないのです。
赤ん坊は夫婦が森で愛し合って結ばれたことにより生まれる、森の子供のような存在として描かれていて、神秘的かつ獣的で、この子絶対普通の人間じゃないでしょ?という小さなエピソードが続く一方で、赤ん坊の顔を最後まであえて見せないという選択を取ります。
そのせいもあってか母親の気持ち、不安、恐怖を感じ取ることが難しく、なにをギャーギャー言ってるんだよっていう気持ちになります。たとえ本当に気味悪いことが起きても、それが現実なのかどうかという問題もあって、どうせお得意のメタフォーなんでしょと解釈することもできるので、色んな意味で損しているんですよね。ストレートに表現するのか、抽象的、芸術的に表現するのかがはっきりしてないからそういうことになるんです。
夫婦のやり取りも煮え切らないものがあって、夫が一貫して妻を信じず、にも関わらず愛を強調し、にも関わらずそもそも最初からお似合いのカップルですらないというね。二人の間に夫婦愛が感じられないから、夫婦関係が悪化していく変化にもノレません。もともとそんなに合っていなかった二人がようやく喧嘩し始めただけだから、赤ん坊のせいで夫婦仲が崩壊していったという流れが成立してないんですよ。
母親が自分を犠牲にしてでも子どもを育てようとする姿を強調するばかりに、授乳中に乳首を噛まれて傷だらけになっても授乳を止めようとしない、といった頑固な姿も、「粉ミルクにすればいいじゃん」と突っ込まずにはいられないんですよね。それもラストの伏線だって言ってしまえばそうなんだけど、赤ん坊に対して不信感を抱いているのも母親なら、状況を改善しようとしないのも母親っていう矛盾がどうしてもひっかかります。
また、赤ん坊にフォーカスしているふりをして実は結局母親の話なんですよね。そのミスリードもいかがなものかねえ。ストレートに赤ん坊が暴走するホラーでよかったんじゃないのかなあ。
そしてここからネタバレすると、お待ちかねのラストでは、母子揃って夫の心臓を貪り尽くす究極の破滅へと向かい、人間としての生活や価値観を完全に捨てた親子が誕生します。やがて森の子ベイビーは嬉しそうに森へ帰って行く、というなんだそりゃなラストになっていました。
言いようによっては、文明(人間社会)と自然(本能)の対立だ、母性は理性より強いのかがテーマになっているだ、とかそれっぽい意見が上がるんでしょうが、いかんせんつまんないからね。母性とか愛とか全く感じませんでした。それにまだオムツ履いている赤ん坊があんなに大きな肉の塊をムシャムシャ噛んで飲み込めないでしょ、普通。気を付けないと喉につまらせちゃうから。


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