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聖なる証は脚本、演技、ストーリーが見事な良作!ネタバレなし感想

この記事は 約4 分で読めます。

芸術路線とエンタメ路線の両方を兼ね備えたハイクオリティな大人向けの映画。昔の話のようで現代にも通じる普遍的なストーリーが素晴らしいです。77点

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聖なる証のあらすじ

看護師のエリザベスは1862年、アイルランドの田舎町にある少女のケアをするために派遣される。少女の中はアナ。アナは4か月間も何も食べずに健康でいられていると言われ、それが奇跡なのか、あるいは特別な能力かなにかなのかを観察することになっていた。

エリザベスは修道女と一緒にシフトを組んで交代交代でアナの面倒を見ることになった。無宗教者のアナは全てが茶番だと思った。こんなことのためになんで自分が呼ばれたのか分からなかった。

一方でアナの家族は信仰心の強い貧しい家庭で彼らはアナが選ばし者であると心から信じていた。また、そんな彼女を奇跡の少女としてあちこちから見に来る訪問客が絶えなかった。

そんなある日、エリザベスはアナが口移しで母親から食事を受けていることを知り、事態が一転する

聖なる証のキャスト

  • フローレンス・ピュー
  • キーラ・ロード・キャシディ
  • トム・バーク
  • ニアフ・アルガー
  • エレイン・キャシディ

聖なる証の感想と評価

ナチュラルウーマン」のセバスティアン・レリオ監督による心理ドラマ。同名小説を基にした1800年代の時代劇です。

宗教、信仰、科学、家族愛、フィクション、エンタメ、芸術が絶妙に組み合わさった非常にバランスの取れた良作で、続けて2回見ちゃいました。

もともと時代劇も宗教ドラマもそんなに好きなジャンルではないんですが、そんなこともすっ飛ばすぐらいの力で物語に引き込まれました。

乱暴な言い方をすると、ストーリーは、良かれと思って断食をしている女の子がいるんだけど、この子一体どうしたの?というだけの話です。でもそれだけなのになぜか面白いんですよね。よくもまあこれだけのテーマとネタで見ごたえのある1本の映画を作れたなあと思いました。

少女の断食の背景には宗教があったり、贖罪があったり、家族のエゴがあったり、と様々なんですが、それに対して現実主義者で物おじしない看護師が真っ向から非現実的な思想と衝突していく、という宗教VS科学みたいな縮図が見事ですね。

それも話を引き伸ばして引き伸ばしてやっと映画にしたとかじゃなくて、無駄がなく見所がぎっしり詰まってて、テンポが良いからあっという間に終わってしまいました。アクションもバイオレンスも色気もなくてこれだからね。

一応男女の絡みのシーンもあるものの、それも必要性のあるラブシーンで後々ストーリーにリンクしていくシーンになっているのがいいです。それだけ脚本が上手く練られていて会話のリズムもいいし、なにより無駄話がないのが最高です。全てのやり取りに意味があるといっても過言ではないです。それぞれのキャラクターのバックストーリーもちゃんとメインストーリーとつながっているし、文句を言おうにも文句が出ませんでした。

そしてその優れた脚本を支える俳優たちのパフォーマンスも素晴らしかったです。主演は今を時めくフローレンス・ピューで、いつになくシリアスなキャラを演じていて、また彼女の違った一面が見れました。

断食少女を演じたキーラ・ロード・キャシディは、お母さん役のエレイン・キャシディの実の親子だそうですね。彼女もなかなかの演技を見せてくれています。ただし、餓死寸前の女の子にしてはあまり痩せてなかったかなあ、という感じはありましたね。子供ということもあり無理なダイエットをさせなかったのかもしれませんが。

オープニングとエンディングで、登場人物がオーディエンスに話かける俗にいう「第四の壁を突破する」演出がされていたけど、あれも別にいらなかったかなあ、という気もしました。

脚本や演技よりも驚かされたのはBGMの使い方です。ほんとセンスが良くて、なんてことのないシーンがその都度音によって際立ってますね。いやあ久々にいい映画見ました。満足です。

コメント

  1. ちー より:

    映画男さんが続けて2回見るなんてそうとうお気に入りだと思い、絶対見たかったのです。
    鑑賞後、Netflix再開してよかったと思いました。

    私は2回見るほどは正直ハマらなかったのですが、あまり多くないセリフから分かるメインの人物達の悲しく苦しい過去、現代にも通じる信仰心の脆弱さ(良い意味でも悪い意味でも)。
    娘を助ける事がただの正義感からではなく、自分の為でもある事を自覚して行うところも人間臭くてよかった。
    派手さはないですがどうなるの?というハラハラさや全体に纏う不気味さに目が離せませんでした。

    私も娘があまりにも痩せてなかったので違う病気なのかな、とすら思ってしまいました。
    けれど娘役の演技は素晴らしかったですね。
    確かに音楽も良かった、ゾクゾクに拍車をかけてました。
    そしてメタ的演出、私もいらないと感じました。

  2. ジュゴン より:

    自分もこの作品好きです。
    フローレンス・ピューは本当にいい女優だと思います。
    まだ若いのにあの風格は一体何なんでしょうか(笑)

    最後の展開はある程度読めたけど、「そうなってくれたらいいのに」と思ってたので、爽快感がありました。

    ひとつ疑問があって、ラストシーンのセットの中でこちらを見つめていた女性は一体誰だったんでしょうか?

    ネットフリックスは作品が多すぎて何がいいのか分からないので、映画男さんのレビューをいつも参考にしています。
    これからも楽しみにしています。

    • 映画男 より:

      ラストシーンのセットの中でこちらを見つめていた女性は、物語の中でも登場する女性で、ときおり視聴者に話かけてくる演出になっていました。映画によっては登場人物があえて視聴者を意識した行動を取る手法「第四の壁」があって、それにあたるやつです。