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ザリガニの鳴くところは非現実的で平凡な話!ネタバレ感想

この記事は 約4 分で読めます。

可愛い女の子が不幸な目に遭うところを応援しながら見る、いかにもフィクションといった感じの話。特につまらなくも面白くもない作品です。48点

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ザリガニの鳴くところのあらすじ

1953年、カイアはノースカロライナ州の湿地帯にある掘っ立て小屋で家族と貧しい生活を送っていた。父親はアル中でDVを働く男だった。やがて父親のDVに耐えられなくなった母親が兄を連れて家を出て行ってしまう。

カイアは一人暴力的な父親と残され、母親の帰りを待つが、まもなくして母親は二度と帰ってこないことを悟る。その後、今度は父親までカイアを残して家を出て行ってしまい、彼女は7歳にして一人で生きていくことを強いられる。カイアはムール貝を知り合いの店に買い取ってもらい、なんとか生活していった。学校に行って友達を作りたいと思ったが、靴すらないカイアは学校でみんなの笑い者にされ、すぐに辞めてしまう。

そんなカイアはある日、心優しい少年テイトと知り合い、彼に勉強を教えてもらう。二人はやがて恋人となるが、テイトは大学に行くためにカイアを残して去ってしまうのだった。そしてそれがカイアの運命を大きく左右することになる。

ザリガニの鳴くところのキャスト

  • デイジー・エドガー=ジョーンズ
  • ジョジョ・レジーナ
  • レスリー・フランス
  • テイラー・ジョン・スミス
  • ルーク・デヴィッド・ブラム

ザリガニの鳴くところの感想と評価

オリヴィア・ニューマン監督による、湿地帯の小屋で一人で生きてきた女性の人生をつづった人間ドラマ。同名小説の映画化です。

DVを受けて育った少女が、両親に捨てられ、子供ながら一人で生きていき、大人になっても偏見や不運に見舞われ続ける、せつない一生を描いた物語です。

いわば悲惨な状況でもひたむきに生きるピュアな女性に感情移入しましょうよ、という映画で、どこかノリが「ショーシャンクの空に」に似てなくもないです。

いかにも小説的な話で現実感はあまりないです。湿地帯の小屋で一人で生活してる貧乏少女が、色白の美人で髪の毛やツヤツヤ、服装はメルヘンとかまじでありえないです。

食っていくのだけでも大変そうな状況なのに切羽詰まったところがなく、悲壮感も感じられず、家も身なりも小綺麗なんですよ。ヒロインだけじゃなく、あのド田舎の住人みんな垢ぬけてますよね。もっともっさい感じにしないと。

僕の住むブラジルにもアマゾンとか行くと川辺の湿地帯で生活している人々がたくさんいますが、トイレは川に垂れ流しだし、女性の服装は基本短パンとキャミソールで、まあみんなそれはそれはワイルドな体つきと顔つきをしてますよ。

もうそれについては、ヒロインを演じたデイジー・エドガー=ジョーンズの役作りと監督のキャラ設定の問題でリアリティーにおいては結構致命的なミスをしてますね。あんなに金ないのにモーターボート乗ってるところとかちょっと腹立つもんね。手で漕げよって。

あくまでもフィクションとしてその辺のことは目をつぶるんならまあ見れなくもないかなといったところです。

ヒロインのカイアに同情できるかどうかが大きなポイントとなるでしょう。僕はできませんでしたね。父親がポンコツだったのは確かに可哀想なんだけど、恋愛に関しては全然共感できませんでした。特にテイトと別れて、性悪男にまんまと騙されるところはダメですね。

もう見るからにいけ好かない男を好きになっちゃうし、最後は男がストーカーと化し、あたふたするくだりなんか「ほら見たことか」と言ってやりたくなりました。「あの男はやめておけ」って言われても聞く耳もたないタイプですね。

カイアが悪い男を好きになりそうなダメ女タイプならまだしも、あれだけしっかりしていて、テイトのような素朴で純粋な男に惹かれていた彼女が、なんで真逆のタイプに行ったんでしょうか。

そしてその男のせいで事件に巻き込まれ、容疑者にされ、裁判にかけられてしまうんですが、あの裁判もいい加減で、そもそも起訴するだけの十分な証拠もないのに、なんでカイアが被告人になってるのか分からなかったです。

そしてそんないい加減な裁判をめぐったサプライズを最後に用意されても、別に驚くことはできませんでした。「いやいや、どうやってよ?」っていう感想しか出ませんでしたね。ラストのサプライズもなんか「ショーシャンクの空に」っぽかったですね。

現実感を出すなら最後はカイアに不当な裁判の結果を用意するべきでしたね。それこそアメリカの差別的な司法を見せつけないと。彼女には不幸なエンディングのほうがに合ってたんじゃないかな。最初からずっと不幸エピソードを売りにしてきたんだし。

まあそういう一つ一つのファンタジックなフィクションに付き合える人にとっては、いい映画になりえるのかもしれません。僕には平凡な映画でした。

 

コメント

  1. ふっく より:

    前評判で期待してただけに、とても面白くなくてがっかりしました。
    映画男さんならボッコボコに酷評してくれるかと期待してたのですが…笑

    • 映画男 より:

      これ残念でしたねえ。まあ最後までは見てしまったので、酷評というまでにはいきませんでしたが

  2. こなこ より:

    原作を読めば、何故カイヤがチェイスと恋人になったのかわかります。心の隙間に入り込んでくる悪と満たされない心、原作ではそのあたりの描写も丁寧に描かれています。
    多方面に奥行きのある原作をどのように映画化し、原作を読んでない人がどう感じたのかを知りたくて色々な方のレビューを拝見させて頂いていますが、とても参考になりました。私も映画を今日見てこようと思います。

    • パトリック・スター より:

      >>テイトのような素朴で純粋な男に惹かれていた彼女が、なんで真逆のタイプに行ったんでしょうか。

      >原作を読めば、何故カイヤがチェイスと恋人になったのかわかります。心の隙間に入り込んでくる悪と満たされない心、原作ではそのあたりの描写も丁寧に描かれています。

      原作読んでない人もいるでしょうからちょっと補足させてください。

      カイヤ自身がチェイスに対し「そもそも恋人と思ったこともない」的なことを言っています。恋人同士になるための正しい手順を踏まずに、性欲に任せて流されたからこんなことになったのだということは、本人も作中で認めております。

      つまり「寂しいからってなんで言い寄ってくる男に身を任せちゃったの?テイトでもチェイスでも寂しさを埋めてくれるのならだれでもいいの?女って?」という質問に対し丁寧な描写を通じ「そうだ」と言っているようなものです。

      さらに「だとしたら、忠告したテイトを拒否する理由は何なの?チェイスを捨ててテイトと再び一緒になってたら、トラブルもなかったんじゃない?カイヤの行動には一貫性がないよ」にもなります。

      そうすると次は「女はそういうもの(行動に一貫性はない)」になるのでしょうか?そういうもの。の丁寧な描写はないと思いますし、カイヤのようでない(自身の行動に一貫性のある)女も大勢いる以上、カイヤの行動原理は全面的に肯定されるようなものではありません。

      その自分の軽率な行動が、トラブルのもとになっていることは原作内でも本人も認めているところで、さらに、その後のカイヤの行動は、どうしたって誰からも肯定されるようなものではないと思うし、何よりも40年もカイヤに騙されつづけたことになるテイトの気持ちを考えると読後、暗い気持ちになりました。

      本サイト管理人さん・映画男さんのおっしゃることは大いに同意できます。カイヤの行動原理は無茶苦茶で、大いなる愛で包んでくれたテイトを死ぬまで裏切り続けただけの女にしか見えません。

      大体テイトって少年だったころに、大学進学かカイヤ(14,15歳)かの二択を突き付けられ、何も結論出せないままに進学を選んでそれを始終後悔し続けた青年ですけど、そんな青年に対するカイヤの態度はちょっとあんまりじゃないかと。

      • 映画男 より:

        カイヤ、悪い女ですね

        • パトリック・スター より:

          そうなんですよ。落ちがあれじゃ「カイヤが悪女だった」みたいな“サスペンスもの”にしか感じなかったです。

          で、今回、「すごく面白そうなブログ見つけた!」と喜んでおります。他の作品評も拝読させていただきますね(^^)

  3. きのこ食べ過ぎ より:

    何か、日本の安っぽい中高生向けドラマみたいな酷い出来でした。
    この映画観た上で、敢えて原作読もうという気は起きないですよね。

  4. シャインマスカット より:

    今晩は。本作、見ている方が多かったのと、レビューサイトの評価が高かったので、最終日に滑り込みで鑑賞しました。

    映画男さんが仰るように、「現実味はあまりない」ですね。確かにカイヤは小綺麗すぎるし、どこかの妖精さんかと思いました。また、子供一人でムール貝の採取だけで自活するのはしっくりこないです。※ここは、黒人夫妻の援助もあったかもしれないけれど。

    小説だと、読者が自由に想像できる所が、映像化するとイメージが固定されてしまい、求めるリアリティーラインが上がってしまったのが原因かもしれません。

    個人的には、色んな映画の要素を組み合わせているので、結構既視感は強かったです。ディズニープリンセスや、ジブリ映画のヒロイン、フォレスト・ガンプ、ショーシャンクの空に、ファーブル昆虫記、シートン動物記、野生のエルザ、青い珊瑚礁・きみに読む物語・魔女裁判などなど。
    最後の「どんでん返し」も、「まぁそうだろうな」と予想できました。 

    何より、現実の裁判よりも回想シーンが長いし、展開もスローテンポなので、途中で眠くなってしまいました。

    • 映画男 より:

      確かにいろんな作品の要素を組み合わせてましたね。それにしても現実感なかったなあ

  5. ちー より:

    タイトルが思わせぶりなだけに期待してたのですが、かなりがっかりでしたー。
    最初の死体のシーンを見て、予想したストーリーそのままでしたし、DV描写も薄く、湿地が舞台の痴情のもつれなだけではと思ってしまいました。

    孤独で生きてきた割には男女関係に意外と積極的なヒロインに面食らいましたw

  6. パトリック・スター より:

    おお。自分だけがそう思ったのでないのを知れてほっとした。

    作品のあまりの評価の高さに居心地の悪さを感じググってこちらをうかがった次第です。私は映画はまだ見ておらず原作にあたった人間なのですが、原作を読んだ人間としても全く同じ感想を抱きました。

    単純に他作品と比べるにしても孤高の女主人公として考えたら『その女アレックス』にかなわない。
    『トワイライト』的な二人の男性と一人の少女のラブロマンスかと思いきや、そもそもラブロマンス要素ほとんどない。
    『罪と罰』のように“罪”に向き合うことを主題にした作品ではない。
    『フィフティ・シェイド・オブ・グレイ』的なエロシーンはちょこちょこある。
    何よりもこれミステリ・サスペンスって言っていいの?法廷劇ってこんなのでいいの?みたいな。拍子抜けといいますか。

    落ちも結局そこかぁ……みたいな。

    なんというか作品としての方向性がふらふらしているような感じ。48点というのはすごくうなづける点数です。

    でも映像美が気になるので、アマプラにおりてきたらきっと観ます(^^)