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ダーマーは構成に難ありなつまらないドラマ!ネタバレ感想

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ちょっと退屈で、特別怖くもない、連続殺人鬼の物語。もっとゴリゴリの犯罪サイコスリラーが見たかったです。44点

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ダーマーのあらすじ

1991年、ミルウォーキーにあるジェフリー・ダーアーの隣に住む黒人女性は警察に何度もジェフリーのことを通報していた。ジェフリーの部屋からは死体のような臭いがし、女性の部屋にまで叫び声がよく聞こえていた。しかし警察は女性の話に耳を傾けようとはしなかった。

そんなある日、ジェフリーはゲイバーで知り合った黒人男性を部屋に連れていき、手錠をかけて、監禁しようとする。男性は上半身裸のままもみ合いになりながらもなんとか部屋から脱出することに成功し、警察に通報する。

警察は最初男性の訴えをシリアスに取ろうとはしなかった。しかしジェフリーの家を訪れた時に殺人の証拠となるポラロイド写真が出てきたことからジェフリーを逮捕する。

こうしてジェフリーはやっと捕まったが、彼の殺人はつい最近始まったことではなかった。振り返ると彼は18歳の時から連続殺人事件を起こしてきたのだった。

ダーマーのキャスト

  • エヴァン・ピーターズ
  • リチャード・ジェンキンス
  • モリー・リングウォルド
  • マイケル・ラーンド
  • ニーシー・ナッシュ

ダーマーの感想と評価

『アメリカン・ホラー・ストーリー』の監督、脚本家として知られるライアン・マーフィーとイアン・ブレナンの原案による犯罪ドラマ。実在したシリアルキラー、ジェフリー・ダーマーの人生をつづった実話ベースの話です。

第一話ではジェフリー・ダーマーが逮捕されるところからスタートし、二話以降は彼の生い立ちや思春期、そして成人後の出来事をつづり、彼の死をもって話を締めくくります。

全10話、それぞれのエピソードが1時間弱あるんですが、はっきり言って長いですね。余分なエピソードも多いし、だれる箇所も多々あるし、2時間の映画にまとめてくれたらもっと見やすかったのになあ、というのが本音です。

実話という強みがあるから多少退屈でもある程度視聴者を引き付けられるんだろうけど、全体を通じて面白いかどうかで言ったらそうでもなかったかなあ。

ジェフリー・ダーマーの異常性は子供のときから徐々に顔を出し、思春期を過ぎた頃には衝動を抑えられなくなっていきます。最初の一人を殺したのを機にしばらくは手を休めていたものの、再度また殺人に手を染めると、歯止めが利かなくなり、次から次へと新しいターゲットを見つけては薬を飲ませて殺害し、遺体を処理する、というのがパターンになっていくのがポイントです。

そして彼の犯行がパターン化するとともに物語自体もワンパターンに陥り、中盤以降の盛り上がりがあまりないですね。時系列順に話が進まず、そもそも逮捕されるところからスタートしているので、犯人が捕まるかどうかの事件ドラマ特有のワクワクドキドキがないんですよ。

途中、中途半端に父親目線になるのもいただけないですね。確かに父親としては自分の息子がシリアルキラーに育ってしまった心境は複雑でしょう。ただ、そこにフォーカスするのかしないのかがはっきりせず、視点がちょくちょくジェフリー・ダーマーになったり、お父さんになったりするのも面倒でした。

そういう意味では構成に問題があったと言わざるを得ないです。序盤にはゾクゾクする部分もあるんだけど、それほどグロくもないし、ソフトな連続殺人事件っていう感じですね。

一方で事件の背景にある人種的マイノリティーや同性愛者に対する差別問題を取り上げているのは興味深かったです。というのもジェフリー・ダーマーのターゲットとなった多くの被害者がゲイ、または黒人かアジア人で、何度も警察に通報が入っていたのにも関わらず警察はどちらかというと白人で礼儀正しいジェフリー・ダーマーの証言を信じたそうです。

そのせいで何度も逮捕するチャンスがありながらジェフリー・ダーマーを泳がしてしまい、被害者が増えていったようです。それこそ最初の殺人後運転中に警察に止められたとき、警官がしっかり車内を捜査しておけばその後の被害者たちの命を救われていたことでしょう。

そういう意味でも長年上手いこと捕まらずに凶悪事件を成功させた男の話というよりも、腐敗しきったアメリカ警察と司法の問題を浮き彫りにした事件だったともいえそうです。登場する警官、裁判官なんてもうもれなく嫌な奴らばかりで権力を持っているから余計に質が悪いですね。あいつら腹立つぅ。

最後にジェフリー・ダーマーが刑務所内で別の受刑者に殺害されるのはどこか腐りきった社会システムに対してジャッジが下されたみたいな出来事でしたね。司法が機能しないから別の犯罪者が手を汚して問題に蹴りをつける。死刑がないなら私刑にかけるしかないのが皮肉です。

散々殺しをしてきたジェフリー・ダーマーは自分が殺されようとしているとき果たして何を思ったんでしょうか。あの瞬間、恐怖を感じたのか。少しでも被害者の気持ちが分かったのか。それとも快感を覚えたのでしょうか。

コメント

  1. JeniKENDALARUFF より:

    *そのせいで何度も逮捕するチャンスがありながらジェフリー・ダーマーを泳がしてしまい、被害者が増えていったようです。
    **それこそ最初の殺人後運転中に警察に止められたとき、警官がしっかり車内を捜査しておけばその後の被害者たちの命を救われていたことでしょう。

    警察が被害者たちの人種やセクシャルオリエンテーションに偏見があり、またJDの一見従順で狡猾な態度を見抜けず、そのために亡くなったり暴行された被害者がいるのは本当に悔しいし、痛ましいです。もっと早くに捕まって欲しかったし、捕まるべきだったと事件が明るみ出た今は、皆が思います。
    ただ記録を見れば、最初の殺人後に車が警察にストップされたとき、彼は①警察の指示に従い降車した後、②酒気帯び運転のテスト一式を受け、③テストをクリアしてします(お酒は飲んでいたはずなのに、血中濃度が違反法定量に達していなかったのかもしれません)。
    この時点で、警察は対象者の車内を『しっかり車内を捜査』するProbable Cause(相当な理由)がない状態ですよね。警察が家宅捜査(車両、所有地含む)できる条件は緊急の人命救助などを除き、①その内部で犯罪が行われた、またはその証拠品が隠されていることを”客観的に”立証でき、②捜査が必要だと考える根拠となる相当な理由を宣誓供述書にまとめ、③それを管轄の裁判所に提出して判事に認められることが必要です。その手続きを踏まず得た証拠は『毒樹の果実』と見なされ、入廷証拠に認められない原則があります。
    JDのような凶悪な殺人犯が実在することを考えると非常にフラストレーションがたまるルールに思えますが、警警察が証拠品を密かにプラントして発見したふりをするなど、冤罪や不正を防ぐための法理です。警察が勝手気ままに市民の所有地、居住地、所有品を捜査できない、というのは法治国家に住まう人たちにとって、大切なルールだと思います。
    フィクショナルなコンテンツならまだしも、実際にあった事件のリアクメントドラマなので、なぜあの時警察が車内を捜査できなかったのかは法的にきちんと理由があり、一概に警察が『腐敗しきって』『嫌な奴ばかり』なので殺人犯をみすみす逃した、と解釈できるシーンではないと思うのですが、どう思われますか。

    • 映画男 より:

      まさか実話ベースだと、物語の中で描かれてること全部本当だと思ってないよね? 

    • ちー より:

      10話は長いですよねー。5話でも十分だった気がします。
      どの話数もあまり変化がなく、父親か隣人かの視点に変わるくらいで。
      ここまで丁寧に描くなら、もっとダーマー自身に絞って幼少期から時系列通りにがっつり見たかったです。
      ダーマーの父親はなんか前向きで商魂たくましくて、この父にしてこの子ありなのかもとはちょっと思いましたw
      またこの時代は白刃に生まれただけで勝ち組みたいなところがあって、あれだけ明らかに怪しい行動があったにも関わらず逮捕に時間がかかったのも、運もですが、時代もかなり関係していたのかなと思いました。

      映画男さんは、ドラマの場合は一気見ですか?
      あと、TAR見ましたー期待外れでしたーw
      感想お待ちしてます!

      • 映画男 より:

        5話で十分でしたね。ドラマは何回かに分けて見ますね。最近のは特に長いので一気見したくてもできないのがほとんどです。
        TAR見ちゃいましたかあ、あれひどいですよねえ。途中で寝て最後までちゃんと見れなかったので感想書けませんね。もう一度見る気も起こらないし。

        • ちー より:

          やっぱりドラマの一気見は体力入りますよね。面白いものは3話くらいは一気できますがなかなかそうゆうドラマに当たりません。

          TAR見ちゃいましたーww
          感想がアップされないのはそうゆう理由だったんですねww
          納得ですが少し残念ですー。

  2. JeniKENDALARUFF より:

    *まさか実話ベースだと、物語の中で描かれてること全部本当だと思ってないよね? 

    お返事ありがとうございます。実話ベースの物語だからこそ、『ドキュメンタリー/ドキュシリーズ』ではなく、『リアクメント』とコメントしました。しかしリアクメント内であっても、あのシーンは1978年のオハイオ州法に準拠した世界観であるのは争えないと思うのですが。
    Probable causeに基づく警察捜査というのは、憲法修正4条によって当時も現在も変わりなく保証されている権利であり、原則です。トラフィックストップされた後、アルコールの影響下にないことを証明したJDの車内を捜査できないのが警察の落ち度だとは結論できないと思うのですが。
    犯罪の証拠、たとえ被害者の遺体が見つかっても、相当な理由なく得られたエビデンスは入廷が認められず、容疑者を起訴できない、できても無罪になるか棄却される事例はハイプロファイルケースであっても珍しいことではないです。ミランダバイオレーション(容疑者の権利を知らせない)/PCバイオレーション(不当捜査)/ブレイディバイオレーション(アリバイなど、容疑者に有利な証拠を隠蔽する)のどれかに当たれば、どんなに疑わしい容疑者であっても残念ながら公判を維持することは難しいとアメリカ人の多くは考えています。
    だからこそ、毎日のニュースでも、誰かが逮捕されたり家宅捜索されたようなとき、必ずその捜査の法的根拠となる供述宣誓書が開示されますし、市民も警察がどんな捜査を行ったかより、どんな宣誓書を制作したか、に注目します。日本にも同じような捜査原則があると思うのですが。
    警察が最初の殺人を犯したJDの車内点検をできなかった事由は十分に正当化できますし、事実、遺族もマスコミも、当時の保安官補やステイトトゥルーパーのネグリジェンスを指摘する声は出ていないので、なぜあのシーンが警察の不手際のように捉えられたのか、興味を持ちました。