スポンサーリンク

ブータン山の教室はいい映画なのにラストで滑る!ネタバレ感想

この記事は 約6 分で読めます。

全体的に出来のいい見る価値のある映画。でもラストがなあ、と思わずにはいられない、ありえないミスを犯しています。60点

スポンサーリンク

ブータン山の教室のあらすじ

ブータンの首都ティンプーに住むウゲンは自分の進路について悩んでいた。教えることは好きじゃないが、仕方なく彼は教師をしていた。本当は海外に行ってミュージシャンになりたかったのだ。

そんなウゲンはある日、教師としての残りの契約期間をブータンで最も人里離れた村ルナナで全うするように命じられる。ルナナは標高4,800メートルの場所にあり、山道を何日も歩いていかなければたどり着けなかった。

気は乗らなかったが、しぶしぶルナナに行ったウゲンは村人たちから大歓迎され、みんなが自分を必要としてくれることにまんざら悪い気はしなかった。しかしウゲンは自分の夢を追いかけたい気持ちもあってそのまま村に残るか、海外に行くかの葛藤に苦しんでいく。

ブータン山の教室のキャスト

  • シェラップ・ドルジ
  • ウゲン・ノルブ・へンドゥップ
  • ケルドン・ハモ・グルン
  • ペム・ザム

ブータン山の教室の感想と評価

パオ・チョニン・ドルジ監督による、ブータンの山奥の村を舞台にしたほのぼの田舎暮らしドラマ。アカデミー賞ノミネート作品です。

都会に住む洗練された若い教員が、伝統を大事にし、文明が発達していないド田舎の村で過ごす様子をハートフルに描いていて、心が穏やかなとき、あまり忙しくないときに見るべき映画です。

都会VS田舎、といったコントラストを上手く使っているだけでなく、先進国VSブータンといった対比も感じられ、ブータンの文化、伝統、価値観などを伝えている貴重な内容になっています。

見所は標高4,800メートルに位置するルナナの景色でしょう。雲が目の前に広がるブータンの山岳地帯は美しく、幻想的で、見ていると無性に山登りしたくなってきます。

そこにたどり着くためには何日も歩いて登らないといけないらしく、派遣された教師からするともはや罰ゲームみたいで笑えます。

富士山より高い場所に教えに行かなきゃならないなんて都会に住む若者からしたら「ええ、まじかよ」ってなるのは当然のことでしょう。だって赴任期間中、家族や友達にもまともに連絡が取れないんだから。

ルナナの村には電気すらまともに通ってなく、もちろんインターネットなんてありません。火も自分で焚かないといけないし、インフラ整備は皆無に近いです。そういえば水はどうしてるんだろう? 描写はなかったけど、川の水を飲んでるんですかね。

学校といっても掘っ立て小屋が一つあるだけで黒板、チョーク、教科書、ノートといった物も不十分で教えるといってもやれることが限られています。

そんな環境で教師として子供たちに教えるってどうなの?って感じなのですが、実際住んでみると村人たちは教師を無条件に尊敬していて、まるで神のように崇めては親切にしてくれるので主人公のウゲンとしては不思議と居心地がいいのでした。

また、子供たちも毎日新しいことが学べることに心から喜びを感じていて真剣に授業を聞いてくれるし、教師からしたらあんなにやりがいのある環境はないんじゃないでしょうか。

この映画を見ていると、そういえば昔はもっと先生って尊敬されてたよなぁ、という懐かしさを覚えますね。先生といえばかつては知識や経験が豊富で、そしてなにより人格者という人の上に立つべく存在だったのが、情報社会になり、学問や知識が安売りされるようになった今では役割や社会的価値が大分変ってきましたね。

そんな現代に教師をやるって大変だろうし、ウゲンのようにモチベーションが沸かないのも無理はないでしょう。だからこそ本当に必要とされる人材不足の限界集落とかで教師をやるほうが幸せかもしれませんね。

ルナナが面白いのは日本の限界集落と違って老人ばかりではなくむしろ子供が多い点です。平均寿命も短いだろうから老人になる前に死んでしまうんでしょうか。それゆえに生命のサイクルが速く、村は常に若さを保っていられるのかもしれませんね。日本よりある意味健全かも。

ブータンの人々が普通に会話に英語を混ぜて話すのも意外でした。悪くいうとアメリカナイズされているともいえるけど、ルナナの子供たちですら算数の授業を英語で受けていたりしてなかなか教育水準が高そうな印象を受けますね。

学校教育が行き届いていない田舎の子供たちまであんなに行儀が良く、礼儀正しいのは家庭内での両親による教えがいいんですかね。それともブータンに根付く宗教的なものなのか。あるいはただの映画的な演出なのか。

本編に登場する美少女のペム・ザムは、実際ルナナの村に住む女の子だそうで見るからに純粋な天使顔をしていて瞳のキラキラ度が半端ないです。世界中探してもなかなかあんな雰囲気の子ってもういないんじゃないのかなぁ。ずる賢そうな気配が一切ないもんね。

一方、日々「ヤクに捧げる歌」を歌う美少女セデュは、絶対ルナナにいなそうな都会っぽさがありますね。あの子はちょっとリアリティーに欠けるかなぁ。限界集落であんな可愛い子いないでしょ。いたら取り合いになるでしょ。ウゲンもすぐ惚れちゃってたし。

セデュが可愛かったからか、そういえばウゲンは首都に残してきた彼女のことなんてすっかり忘れてましたね。連絡も全然取ってなさそうだったし、心の切り替えの早さはラテン系並みでした。

ただ、ウェットではなく、ドライな感じがウゲンのいいところで、それがまたこの映画のいいところに繋がってもいます。例えばラストの別れのシーンも変に感動的にせずにあっさり去っていくのが素敵です。日本映画はああいうところを見習うべきですね。

それにしてもラストシーンは盛大にやらかしましたね。こんな素晴らしい映画がなぜラストシーンであんなことをしたのか信じられません。バーで弾き語りしているミュージシャンが突然演奏を止めたところで客はざわつかないし、普通に会話を続けますよ。そもそもまともに聞いてないんだし。

それなのに客のみんながギターリストに注目し、そのタイミングでここぞとばかりにブータンの歌を突っ込んでくるっていうのがダサかったです。ほんとにどうしちゃったんだよ、監督さん。ほぼ映画全体を台無しにするかのようなハリウッド映画的エンディングじゃないですか。オーストラリアのシーンは全カットでいいです。なんならオーストラリアに最後全部持っていかれた感すらあります。ああ残念。

 

コメント

  1. mebon より:

    ラストシーンは、このレビューを先に読んでたせいかそれほど気にならなかったです。まあ演出上しょうがないっていうか。
    でも別れのシーンで、たった数人の子供たちを教えてたはずなのに一人一人とさよならの言葉を交わさないんだっていうのが気になってしまいました。
    総合的に、まれに見る良い映画だったと思います。