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コーダあいのうたは面白いけど歌はしょぼい!ネタバレ感想

この記事は 約4 分で読めます。

普通に見れる映画で、多少の感動はあるけど、そこまで絶賛するほどではない作品。ただただ通訳って大変だなあ、と思わせる話でした。59点

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コーダあいのうたのあらすじ

マサチューセッツ州の港町グロスターに住む高校生のルビーは家族の中で唯一耳の聞こえる少女だった。彼女以外は家族全員聴覚障害を持ち、いつもルビーが彼らの通訳をしていた。ルピーの家族は漁業で生計を立てていたが、生活は苦しかった。

ルビーは早朝に起きて漁を手伝い、学校に行く、といった忙しい毎日を送っていた。そんな彼女は歌うことが大好きで船の上でもよく大声で歌っていた。しかし家族以外の前で歌うのは気が引けた。家族には自分の歌声が聞こえないので自分が上手いかどうかも分からなかった。

ある日、ルビーは勢いで合唱クラブに入り、そこの顧問のベルナド先生に才能を見出される。ベルナド先生はルビーに音大に行くことを勧め、そのために自分の時間を削ってプライベートレッスンまでしてくれることになった。

ところルビーは、家業に必要な存在であったことから家族から大学行きを反対され、家族と夢を天秤にかけてもがき苦しんでいく。

コーダあいのうたのキャスト

  • エミリア・ジョーンズ
  • トロイ・コッツァー
  • ダニエル・デュラント
  • マーリー・マトリン
  • エウヘニオ・デルベス

コーダあいのうたの感想と評価

シアン・ヘダー監督による、聴覚障害を持った家族の中で生まれた障害を持たない少女の物語。フランス映画「エール!」のリメイクで、2022年アカデミー賞作品賞に輝いた映画です。

コーダとは(Coda: Children of Deaf Adult/s  聴覚障害を持つ大人の子供たち)を指す造語で、まさに本作のヒロインの状況が当てはまります。

ヒロインは健常者の女子高生ルビーで、彼女は耳の聞こえない両親と兄と暮らしています。彼らのやり取りは全て手話で、外に出るとルビーがみんなの通訳をこなす毎日です。家族の仲は良く、周囲からは羨ましく思われたりもするルビーでしたが、四六時中彼らの口となり耳となって生きることに対してはさすがのルビーも疲れている様子です。

また、自分のこれからの人生のことを考えると、家族の存在が重荷にも思えてきてはルビーは自分の夢と家族のはざまで様々な葛藤に苦しむのでした。

このようにプロットはとても興味深いし、よくできているなあという印象を受けました。キャストも実際に聴覚障害を持っている俳優たちを起用したりと本気度が伺えます。

障害者をメインにするのではなく、その子供にフォーカスを当てて障害と共に生きる健常者の話に仕上げているのは素晴らしいアイデアですね。それも恋人やパートナーが障害者といった設定ではなく、家族が障害者というのがポイントです。恋人は自分で選べるけど、家族は選べないからね。

ただ、冷静に見ていくと、うっすらと「ギルバート・グレイプ」と被っているのに気づくでしょう。自分の好きなように生きるために小さな田舎町から出たくても家族の面倒を見なければならない主人公、という点や家族に障害者がいたり、家族の呪縛から逃れられないようなやるせない気持ちになるなど共通点が多いです。

一見新しいようで、既存のストーリーにひとひねり加えたタイプの映画という感じですね。そのせいもあってか話の展開は読めるし、予想通りの結末を迎えます。

ヒロインが夢を抱く>家族が反対する>喧嘩する>ヒロインが夢を諦めかける>家族が心を入れ替えてヒロインをサポートする>ヒロインが夢を叶える、というのがストーリーの流れで、ラストは家族との感動の別れで幕を閉じます。

感動して涙する人がいてもおかしくないし、いくつか実際にぐっとくるシーンはありました。お父さんが娘の首に手を当てて歌を感じようとする姿とかはなかなかよかったんじゃないでしょうか。でもお父さん、もっと泣いたほうがよかったよね。うるうるはしてたけど、涙が出てなかったもん。

全体的にユーモアも効いてたし、見やすくていい映画ではありました。ただ、確かにいい話ではあるんだけど、いい話にするために終盤特にとんとん拍子に物事が進んでいくのはいかにも映画的でしたね。ヒロイン不在であの家族はどういう働き方に変えたのか、もうちょっと詳しく見せないと。

それと肝心な「歌」があんまりでした。ヒロインの歌声も普通だったかなあ。合唱部にいたほかの生徒たちも含めてみんなそこそこ上手だったので、ヒロインが特別な存在であったことがそれほど感じられませんでした。

これで心にしみる名曲が流れたらもっと興奮したんだろうけど、ヒロインが歌った曲がどんな曲だったか、彼女の歌声がどんなだったかももう忘れてしまったぐらいです。もっとマライア・キャリー級の歌手を起用しないとダメでしたね。

コメント

  1. シャインマスカット より:

     映画男さん今晩は。私も本作を観ました。感想アップありがとうございます。

     私も、本作は「良い作品」だと思います。しかし、期待値が高すぎたのか?高評価の割には、感動・感涙はしなかったです。

     確かに、映画男さんのご意見の「物語の展開が読めてしまう」や、「主演女優さんの歌声にもう少しパンチがほしかった」というのはわかります。

     私としては、家族愛が大事なのはわかるけど、一方でヤングケアラー問題が「置き去り」になっている感じがしました。
     正直、本作に「福祉」の概念が一切存在しないことに違和感を覚えました。実際の「ヤングケアラー問題」は、当人や家族間では到底解決できないはずです。そこに手を差し伸べるのが、役所や施設であるはずなのに、それが描かれていないのです。
     
     また、登場人物の品の無さや倫理観のズレが目につき、イライラする気持ちもありました。※勿論、私は「キャラは品行方正であるべき」だとは思っていません。

     それでも、「安易な死の描写で観客の涙を誘わない」ことや、「当事者を過度に『聖人化』しない」こと、「音のある世界と無い世界の対比描写で物語に緩急をつけていた」ことは、良かったと思います。

     近年、ハンディキャップやLGBTがテーマの作品は増えていますが、まだ「発展途上」だと思います。やはり、センシティブな作品におけるメッセージの届け方は難しいと思いました。

     長文、大変失礼いたしました。

    • 映画男 より:

      福祉とか、社会問題とかはスルーのご都合主義なところがありましたね。

      • シャインマスカット より:

        お返事ありがとうございます。そうなんです。本作は現代が舞台な故に、こういう細かな点が引っかかりました。※多分、気にしない人は気にしないくらいのレベルではあると思いますが。

        実際、現実のヤングケアラー当事者の方が観た意見も気になりました。

  2. きのこ食べ過ぎ より:

    両親とか音楽教師とかをコミカルなキャラにした分、「見やすい」映画にはなったけれど、「ギルバート~」や「グッドウィル~」みたいな青春感動もの要素は薄れてしまった気がします。

  3. Canis より:

    見終わった直後は感動していて、70点以上はあるだろうと評価を楽しみにしていましたが・・・

    59点とは何を見てんだよ、と思いつつ読んでみると、ふむふむ、あぁ、なるほど、
    仰るとおりだねぇ。
    特に、グレイプ被りと、歌がイマイチなのは、減点要素ですね。

    エミリア・ジョーンズが魅力的だったのと、マーリー・マトリンが懐かしかったので
    65点くらいで。

  4. ジョージ上沢 より:

    たまたま検索していたら、貴方の感想にたどり着きました。何かのご縁だと思い駄文を長々と失礼致します。

    あの作品が真に残酷なのは、貴方の感想にもある通り、どんなに良い映画を作っても、良い歌を歌っても、アーティストは客を選べないし、本当に届いて欲しい人たちに届かない事です。発表会の後に父親が娘の喉に手を抑えながら歌わせるシーンも、本当に伝わってないし、本当にわからないシーンなんです。自分の娘を自分の価値観で正当に評価できないのです。
    そしてだからこそ、母親が「耳が聞こえない子で合って欲しいと願ったひどい親だ」と言ってすぐさま「(いや耳が聞こえていようがいまいが、)あんたは最低だよ」と言い返す彼女はカッコいいし、パワーある発言で胸を撃ち抜かれました。

    今作は「サイレント」から「トーキー」に映画が変わっていったように、止めようがない「世代の変化」を忠実に描写していくことで、現代を生きる僕らはちゃんと「それ」を差別なく受け入れられるのか?という問題提起があります。
    そして根底に、映画や音楽といったあらゆる「大衆芸術」は見てる観客を、強いては「現代」を映す鏡でもあるのと同時にいずれ無(亡)くなる「水物」でもあります。だからこそ「PROVE YOURSELF(貴方自身をみせつけてやれ)」の精神が輝くし、映画を見ている時間だけは僕らは幸福であれるんです。その精神も彼女を通して、描かれていて素晴らしい作品だと感じました。

    この映画や彼女のように、言葉や才能が豊かな人達がちゃんと評価されるような時代が来るのを願うし、ヒップホップしか聞かない「文化的田舎」オヤジにならないようにしないとなと思いました。