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ヤクザと家族は薄っぺらくてつまらない極道映画!感想とネタバレ

この記事は 約5 分で読めます。

ありきたりなストーリーと下手な演技によってただの格好つけ映画に成り下がってしまったヤクザドラマ。主役のキャスティングミスにもほどがあります。20点

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ヤクザと家族のあらすじ

ケンボウこと山本賢治は若い頃、ヤクザの親分の柴咲の命を救ったことがきっかけでヤクザの道を進み、瞬く間に出世していった。ケンボウの父もかつてヤクザだったが薬で命を落としていた。

そんなケンボウにとって柴咲は父親そのものだった。柴咲を守るためならなんでもするとケンボウは誓った。

ある日、柴咲組の系列のクラブで男たちが支払いを巡って暴れていた。何事かとケンボウが子分たちを引き連れてクラブに行くと、ライバル組織である加藤組の若い衆たちだった。

ケンボウは親分のことを舐められたことに激怒し、彼らを殴って怪我をさせてしまう。それを境に柴咲組と加藤組は激しい抗争になっていく。

ヤクザと家族のキャスト

  • 綾野剛
  • 舘ひろし
  • 尾野真千子
  • 北村有起哉
  • 市原隼人
  • 磯村勇斗
  • 菅田俊

ヤクザと家族の感想と評価

新聞記者」、「7s」、「青の帰り道」などの作品で知られる藤井道人監督によるヤクザ映画。ベタな演出とありきたりなストーリーからなる移り行く時代に翻弄されるヤクザとその家族を描いた人間ドラマです。

物語は1999年、2005年、2019年と3つの異なる時代を切り取り、主人公が不良だったとき、極道に入ったとき、そして刑務所を出た後の状況と世の中の変化を描いていきます。

本作の最大の問題点は、主人公を綾野剛にしたことでしょう。綾野剛は終始、サングラスをかけ、わざとらしいドスを利かせた低い声で喋り、タバコを吸い続け、しかめっ面をしているだけでヤクザの出来上がりだと思っているみたいなので、当然迫力はないし、弱そうだし、悪そうなオーラが一切ありません。

ほかのキャストにも言えることだけど、新しい時代のヤクザを描いているにも関わらず、映画におけるヤクザ像がもう何十年も前から全く変わっておらず、ニコリと笑ったかと思ったら突然キレ、また笑ったかと思ったらキレる、というVシネマ風の緊張と緩和の見せ方しかしないので、これっぽっちも面白味がありません。

どの組も構成員が5人ぐらいしかいないのかよってほどスケールが小さいし、全体的なレベルのしょぼさがどうしても目につきますね。

あのしょうもない恋愛ストーリーはなんですか。主人公がクラブでキャバ嬢の女と出会い、刑務所に行く前に男女の関係になり、出所後再会するっていう誰でも思い付くエピソードをあえて採用してくる心臓の強さには驚きしかありません。ベタ度で言ったらクリスマスにディズニーランドのホテルを予約するぐらいのレベルですよ。

また、綾野剛扮する主人公のキャバ嬢に対する接し方がギャグそのもので、最初から常に命令形なのが笑えます。来い、入れ、座れ、もっと近くに来い、電話番号を入力しろ、車に乗れ。あんなに命令形が似合わない男もまずいないし、あんな単語力と会話力でどうやって恋愛が成立するんだよ。「この人、男らしい」とか思うわけ?

それにその後、二人の間に娘が生まれるっていう設定なら、もっと伏線としてちゃんとベッドシーンを描かなきゃいけないのに絡みのシーンといえば主人公がおいおい泣きながら相手の服を脱がそうとするところで終わっちゃうし、あれで妊娠しちゃうのかよ。

組同士の抗争劇もつまらないですね。どちらかが殴ったのが殺人に発展し、報復合戦になるといういつものパターンで捻りが全くありません。仲間が殺されて主人公が逆上し、相手を殺しに行くというのもありきたり。いつバイオレンスシーンになるのか読めすぎて恥ずかしいです。

そしてメインと思われる現代ヤクザのパートも半グレが台頭する一方で、ヤクザが食えなくなって引退しようとするものの、まともな生活が送れなくてもがき苦しむ、というYahooニュースに乗ってた記事からそのまま頂戴したみたいな薄っぺらい話になっていました。

どのパートも薄いので正直何を描きたいのかが伝わってきません。ヤクザと家族って言ったって、主人公と女、そして娘がそれぞれ家族といえるほど一緒に時間を過ごしてきた描写がないし、唯一家族らしい関係は主人公と親分の二人ぐらいです。

その二人の関係にしても親分がとにかく温厚で優しいっていうぐらいで、二人の関係性を決定づけるものがなにもありません。

だから印象としてはヤクザの家族愛を感じたとは到底言えず、男たちがとにかく格好つけていた姿しか思い出せないんですよね。

男たちが2時間15分延々と格好つけるのを見せられるって男の自分にとっては結構きつく、女性視聴者がヒロインのぶりっ子を2時間15分見せられるのに相当するでしょう。

挙句の果てにはラストシーンで別に殺さなくてもいい奴が、殺されなくてもいい奴を殺して悲しげに終わっていく謎エンディングになっていました。あの必然性が全くない最後を誰がどう心の中で処理したらいいのでしょうか。ああ、最後ちゃんと殺されたし、いい映画だったなあって思うのかよ。

それにしてもひどいですね。まあこれが日本映画のスタンダードだって言ってしまえばそれまでなんだけど。

考えてみたら分かるんだけど、そもそも一般人すらまともに演じられない役者たちが普段関わることのない裏社会の人間を上手く演じられるのかって話じゃないですか。日常社会もろくに描けない監督がヤクザ社会を描けるんですかって。そう考えると、日本に上質なヤクザ映画を求めること自体が無理難題なのかもしれません。

 

コメント

  1. きのこ食べすぎ より:

    暴対法及び暴排条例前後のヤクザの置かれた状況を、「浦島太郎」的に描くというコンセプト自体は良かったんですが、いかんせん具体的なドラマ作りのセンスが幼稚過ぎて。
    単なるチンピラだった主人公がいきなり幹部になっている→若くして幹部になった割には簡単に敵対組織の罠に嵌る無能→ホステスとの良く分からん童貞臭いやりとり…
    自分は耐え切れず、刑務所に入る直前の前半パートで劇場を出ました。
    ネットで後半のストーリーは確認したんですが、主さんのレビューを見る限り、出て正解だったのかも。
    同時期に「すばらしき世界」というヤクザ更生映画が上映されていましたが、ドラマとしてはこちらの方が上手く出来ていました。
    ただ、「すばらしき世界」は「身分帖」という30年前に書かれた原案小説を現代劇として実写化しているのですが、30年後の日本における「暴対法・暴排条例」を始めとした現代日本の社会要素に一切触れていないので、ドラマが面白い割には現実感がゼロといった作品になっていました。

    • 映画男映画男 より:

      途中で映画館を出るってなかなかできないけど、それに値する映画ですね。とにかくすべては幼稚でしたね。

  2. ダダリオ より:

    個人的にはそこそこ楽しめたんですが終盤の娘と若ヤクザの下りは何が言いたいのか分からなくて冷めました。
    あと綾野剛や磯村勇斗レベルの演技で若手の有望役者のように言われてるのは首を捻ってしまいますね。

    • 映画男映画男 より:

      綾野剛より上手い俳優はたくさんいるはずなのにキャスティングがいつも人気重視だから結局同じ俳優たちしか映画に出れないっていうのがダメですね。

  3. より:

    納得感のあるレビューでした。
    実録映画以前かのようなカビの生えたヤクザ解釈には戸惑いました。

  4. ゆーや より:

    僕はたいへん面白かったと思います。

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