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ノーバディーズ・フールはポール・ニューマンが格好つけすぎ!感想

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この記事は 約6 分で読めます。

見れない映画じゃないけど、特別笑えるわけでもなく、ちょっといい話っぽいエピソードを使って電子レンジで表面だけを温めたみたいな人間ドラマ。44点。

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ノーバディーズ・フールのあらすじ

ニューヨーク州北部の町、ノース・バスに住む建設作業員のサリーは高齢の女性ベリルの家に居候していた。彼には仕事の相棒ロブがいたが、ロブはお金をせびるばかりで、ろくに働かなかった。

サリーは雇い主のカールに対し、未払いの給料や仕事中の怪我をめぐって度々裁判を起こしていた。しかしサリーの片足の弁護士べは無能で彼の訴えは度々却下されていた。それでもサリーはしぶしぶカールから仕事を受けなければならなかった。

建設現場で体を動かしていると、サリーのトラックが故障してしまう。サリーがヒッチハイクをすると、たまたま止まった車から長年疎遠だった息子ピーターが下りて来た。それを機にサリーはピーターと失われた時間を取り戻そうとする。

サリーは、雇い主のカールの妻トビーに会う度に彼女を口説こうとする。カールは受付嬢と不倫中でトビーにはお構いなしだった。サリーはトビーに一緒にハワイにでも駆け落ちしようと提案すると、トビーはまんざらでもなかった。

サリーは夜になると、仲間が集まる地元のバーで飲むのが日課だった。そこにはロブや弁護士や警官やカールまで足を運び、お金を賭けてトランプをするのだった。

ノーバディーズ・フールのキャスト

  • ポール・ニューマン
  • ブルース・ウィリス
  • メラニー・グリフィス
  • ジェシカ・タンディ
  • ディラン・ウォルシュ

ノーバディーズ・フールの感想と評価

読者のポールゲイリーニューオールドマンさんからのリクエストです。ありがとうございます。こんなメッセージをいただきました。

映画男さん こんにちは。3年前より映画男さんのブログを毎日チェックしており、更新されていないとイラっとする日々を過ごしている九州在住35歳の肉体労働者です。

私のリクエストは「ノーバディーズフール」です。主演はポールニューマン。世紀のイケメンが冴えないジジイを演じていますが、レッドフォードと違い嫌味でありません。さらに脇役がそれぞれの見せ場でインパクトを残しています。

ブルースウィリスの俳優にならなかったらこんな感じのおっさんになってた感と、メラニーグリフィスの胸ボロンが印象的です。若きフィリップシーモアホフマンもハマり役で出ていますね。

ジャンルとしてはヒューマンドラマ6:コメディ4な感じでしょうか。庶民のしょうもない日々のなかでもハッとする印象的な瞬間をかいつまんでおり、メッセージ性があるようでそんなない気もしますが、とにかく2時間夢中になれます。

私にとっては生まれてはじめて即巻き戻して2ターン観た作品です。巻き戻しってもう数年以上していませんが、そこそこ時間かかりましたよね。その間も惜しまないほど「もっかい観たい」と感じました。以後、定期的に見直しています。

映画男さん、ぜひ観てください。
批評してくれたら更新が遅れていても許してあげます(笑)。

「クレイマー、クレイマー」のロバート・ベントン監督による、田舎町を舞台にした緩い人間ドラマ。

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ニューヨーク州の架空の田舎町を舞台に頑固で、不器用な60歳のおじいちゃんがひょんなことから長年疎遠だった息子と再会し、息子や息子の子供(孫)を通じて家族のつながりを取り戻していくハートフル映画。

寒い雪の季節をコントラストに視聴者の心をぽっかぽっかにしようという狙いは分かるものの、ポール・ニューマン扮する主人公のキャラがいかにも映画的に美化されていて、特に共感できるものはなかったです。

主演のポール・ニューマンのほか、若い頃のブルース・ウィリス、フィリップ・シーモア・ホフマン、メラニー・グリフィスが出演していますが、正直それほど強いインパクトは残せていないです。

早い話が「おじいちゃんの格好つけ映画」ですね。「ラスト・ベガス」、「ダーティ・グランパ」、「100歳の華麗なる冒険」、「ヴィンセントが教えてくれた」などと同列のジャンルだと思えばいいです。

口が悪くて、皮肉屋で、破天荒なおじいちゃんが喧嘩したり、物を盗んだり、女を口説いたりしながら、なにかと若さをアピールする内容に終始していて、「ときどき羽目を外しますが、そこのところは老人なので許してください」という前提で成り立っている物語です。

おじいちゃんなのに格好いい。おじいちゃんなのに勇敢。おじいちゃんなのに強い。おじいちゃんなのに~っていう言い訳、もしくはギャップの見せ方がいちいちあざといですよね。

高齢化社会における老人の老害ぶりと暴走ぶりを理解したうえで見ると、主人公が歩道で車を走らせたり、警官を殴ったり、金がないといいつつ夜な夜な賭けトランプに夢中になっていたりする姿を見て、とても微笑ましいとは思えません。

憎めないキャラを作るために主人公を意固地だけど情に厚い優しい男、という特徴を作ってなんとかカバーしようとしてたけど、それがあってもあんな爺は面倒臭いですね。

やっぱりいちいちセリフの言い回しや振る舞いが格好つけているのが鼻につくし、今にも延々と昔どれだけ女にモテたとか、喧嘩が強かったとか自慢し出しそうな雰囲気があるのが嫌ですね。

散々、憎きカールの嫁トビーを口説いておいて、ハワイに駆け落ちしようとまで言ったのに、いざトビーがハワイのチケットを買ったら、俺には家族がいるから一緒に行けない、っていうのもださかったです。胸まで見せてもらったんだったらハワイまで行かないとダメでしょ。破天荒なら家族捨てて行けよ。どうせもともと大事にしてなかった家族なんだから。

男でも女でも普段は下ネタばかり話すくせにいざとなると急に硬派になる奴たまにいるよね。ああいうタイプが僕は嫌いなんですよ。散々盛り上がって性的な感じになってたのに「やっぱりよそう」とか言う奴。そもそも美人のトビーがなんであんなじじいに惚れるんだよって話じゃないですか。ほかにいるだろ。

日本人の60歳の男って全然若いけど、アメリカの60歳ってあんなに老けて、年を取ったイメージにされちゃうんですね。70歳ぐらいかと思ったもん。実際、ポール・ニューマンはこの頃、70歳ぐらいですよね。ちょっと60歳の役は無理があるかなぁ。

主人公と街の住人たちのやり取りは、ちょっといい話的エピソードで溢れていて、下宿先の老女ベリルとの関係とか、仕事仲間のロブとの友情とか、まあ綺麗綺麗に仕上げてありましたね。

とはいえ赤の他人が滞納税を払ってくれたり、宝くじが当たったり、最後はなにもかも上手く行っちゃうところにも面白味を感じませんでした。ああいうじじいは一生自分の不運を嘆いているぐらいでちょうどいいんですよ。

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コメント

  1. 松田 悠史 より:

    映画男さん
    リクエストに応えていただきありがとうございます。素直に感動しました。最近はUI変更に忙しかったのか更新が滞ってましたが、許してあげます。

    表面だけを温めた人間ドラマ••••••。
    たしかに。でも電子レンジは中も温める機械だし!!

    今後も更新を楽しみにしています。またリクエストしますね。

     九州のワークマン

    • 映画男 より:

      リクエスト&コメントありがとうございます。心のこもったリクエストメッセージが嬉しかったです。

  2. さりさりにゃーま より:

    自分から家族を捨てておいてなんとなく取り戻せると思うんじゃねえ!
    一から作る以上の熱量が必要だろ?
    と思ってしまうので感想読んでスッキリしました。

    ・カネもないのにギャンブルし続ける
    ・やたらカッコつける
    ・金を恵んでもらって生きている
    この部分には生々しいリアリティがあるのに、終わりだけきれいに書き換えて良いものとして受け取らせることもできるんだな、と、リクエストと記事を読み比べて再認識しました。

    宝くじて……