アングスト/不安はストレートな実話ホラー!感想とネタバレ

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ちょいマニア向け、ホラー映画。犯人の目線で拷問、殺人の様子をダラダラと映していく実話ベースの作品でリアリティーはあります。58点

アングスト/不安のあらすじ

Angst (1983) Trailer English Subtitles

自分の母親を刺すなど、数々の凶悪事件を起こした男がある日、刑務所から出所する。その足で男は次のターゲットを求めて街をさまよい始める。男はまず喫茶店に入り、そこにいた女性二人に目を付ける。その場で連れ去りたい衝動に駆られたが、一目があったために実行できなかった。

次に男はタクシーに乗り込んだ。タクシー運転手は女性だった。靴紐をほどいて彼女の首を絞めようとしたが、運転手が気づき叫び出したので男はタクシーから降り、森の中へと逃げて行った。

しばらく辺りを歩いていると、男は木に囲まれた屋敷を見つけた。周囲の目を遮断する作りになっていたそこは彼の計画を実行するには完璧だった。

ガラスを割って中に入ると、車椅子に座った知的障害を持つ男がいた。まもなくして女と老婆が家に帰ってきた。男は家の中に身を潜めて三人を殺す機会を今か今かと伺うのだった。

アングスト/不安のキャスト

  • アーウィン・レダー
  • シルヴィア・ラベンレイター
  • エディット・ロゼット
  • ルドルフ・ゲッツ

アングスト/不安の感想と評価

ジェラルド・カーグル監督による、カルト的人気を誇るオーストリア産ホラー映画。以前までは「鮮血と絶叫のメロディー/引き裂かれた夜」というタイトルだったのが、「アングスト/不安」に変わってリバイバルされたものです。

ヴェルナー・クニーセクが起こした実際の殺人事件を基にした物語で、あまりの残酷さから欧州各国で上映禁止になったいわくつきの作品でもあります。

シリアルキラーが、刑務所から出た瞬間から殺人の衝動にかられ、獲物を探し、実行に移す様子を詳細につづった拷問劇で、胸糞悪くなるタイプのホラーですね。

殺人者目線で物語が進むので、視聴者は殺人を追体験するかのような感覚に陥るはずです。カメラワークが独特で、多くのシーンを斜め上からのアングルで撮っているのは今見ても斬新でした。容赦ない暴力描写は目を覆いたくなります。

裕福な家庭の家に侵入して、住人を襲う点においては、「ファニーゲーム U.S.A.」と似ていますね。ただ、「ファニーゲーム U.S.A.」ほど怖くはなかったです。

時代性や古さもあるんでしょうが、音楽や主役の演技はなかなかいいのに、なぜかそこまでこの映画の恐怖の演出は僕には効きませんでした。

暴力シーンの間にも主役の男のナレーションがずっと流れているのが話に没入するのを邪魔しているところがあって、主人公の心理を言葉で逐一説明する必要があったのかどうかは疑問に思いました。

「俺は女たちを見て興奮した。今すぐ殺してやりたかった。でもできなかった」みたいなことをブツブツブツブツ言ってるんですよ。「ごめん、ちょっと黙っててくれる」って言いたくなりましたね。

リアルタイムで起こっていることのナレーションならまだしも、ときどき過去のことをナレーションで振り返ったりするのもノイズでしかなかったです。

映像では拷問のシーンなのに、ナレーションは「俺はその昔、母親と義理の父親に育てられて、つらい幼少時代を送ったんだ」みたいなストーリーが割り込んでくるんですよ。あれもかなりやかましいよね。

それにしても誰でもいいから殺したくてしょうがないという男の頭の中ってどうなってるんですかね。まるで性の衝動と似た感じで、誰でもいいからやりたいみたいな欲情が歪んだ形で現れる病気のようでした。殺害後、女性を死姦していたようなシーンがあったり、やはり殺害の衝動とセックスが結びついているんですね。サイコパスの行動はいちいち理解に苦しみます。

また、殺害後も男は死体を車のトランクに詰めて運ぼうとしていました。それが興奮するんだそうです。その死体を次の犠牲者に見せてつけてやることで、より恐怖を与えられるんじゃないかだってさ。完全にいかれてますね。ドSってああいう奴に使う言葉なんだなぁ。

一方であれだけ本能むき出しで滅茶苦茶なことをやりながら、警察の前では借りてきた猫のようにしゅんとなるのが気持ち悪いですね。弱者にはめっぽう強いけど、権力者には弱いっていう最低な男。捕まえられそうになると抵抗するわけでもなく、逃げるわけでもなく、案外あっさり負けを認めてしまうんですね。

どういう経緯で、男があんなに狂ってしまったのかについては、ナレーションで語られている男の過去から想像するしかありませんでした。家庭に問題があったとか、母親に愛されてなかったとか、いろいろ言ってたけど、それだけは到底説明がつかないものがありますね。

どのようにサイコパスが育っていくのかについては、「少年は残酷な弓を射る」が上手く描いていましたが、この映画では知ることができません。本当にただただ頭のおかしい男が、善良な市民を殺すだけの映画です。

ですが、このシンプルかつストレートな内容で最後まで見れる作りになっているのは、すごいことなのかもしれませんね。辻褄とか、目的とか、動機を越えた犯罪劇という感じがして、練りに練ったストーリーよりはずっと好感が持てるホラーでした。

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