ファニーゲーム U.S.A.(原題FUNNY GAMES U.S.)

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寝る前に見たら夢でうなされること間違いなしの恐怖映画。上映時間中、ずっと凶悪犯に監禁されたような気持ちになる超本格派ホラー。80点(100点満点)

あらすじ

別荘で過ごすアン(ナオミ・ワッツ)とジョージ(ティム・ロス)夫妻のもとに、ポール(マイケル・ピット)とピーター(ブラディ・コーベット)と名乗る青年が訪れる。ふてぶてしい訪問者の態度に業を煮やしたジョージがポールのほほを平手打ちすると、突然二人の男は凶暴な顔を見せ、生死をかけたゲームをしようと告げるが……。

シネマトゥディより


読者のオレンジモンキーさんのリクエストです。

文句

97年に公開されたオーストリア映画のセルフリメイクです。監督は「白いリボン」、「愛、アムール」などで知られるミヒャエル・ハネケ。

この人の作る映画は見ていると怖くてヘトヘトになります。「隠された記憶 」も心理的にジワジワ恐怖が来る映画でしたが、本作はビジュアル的にもシチュエーション的にもゾクゾクしました。

物語は金持ちの別荘に次々と侵入し、強盗殺人を働いていく二人組みのサイコパスの話で、その大部分が拉致監禁のシーンに割かれているのも、ヘトヘトにさせる原因ですね。

ある日、家族の家に卵を貸してくれないかといって身なりのきれいな白人の青年二人がアンとジョージ夫妻の家にやってきます。青年たちはとても礼儀正しく、ご近所さんの友人という態で家に入りますが、卵をあげるとすぐにその卵を床に落として割ってしまい、まだ家に卵が残っているはずだからもっと欲しいと言います。

彼らの要求が図々しくなったところでなにやら不穏な空気が流れ、なかなか帰ろうとしない二人を不審に思った夫婦は彼らを家から追い出そうするものの二人の態度が豹変し、それから何時間もの間、拷問を受けることになる、というのがストーリーの全貌です。

それにしてもこんなに怖い映画は久しぶりに見ましたよ。出演者たちの演技が上手すぎです。特に変質者の青年二人のキャラクターがリアルで恐ろしかったですね。

ナオミ・ワッツやティム・ロスといった有名どころの二人も安定感があってさすがとしか言いようがありません。ボロボロになったときの表情なんかは日本人俳優だったら真似できないレベルです。

この映画にリアリティーを感じられるかどうかは、家に強盗が入ることをどれだけ意識できるか、想像できるかにかかってきそうです。おそらく治安の悪い国で生活している人々にはそれが容易でしょうが、もしかしたら自宅に鍵すらかけないような平和ボケした日本人には難しいかもしれません。

ある日、突然家に何者かが侵入してきて一晩中監禁される。こんなことが僕の住むブラジルでは起こりうるし、実際にそういう目に遭った人も何人も知っているので、僕にとってはこの映画の出来事は他人事ではありませんでした。

家の物を盗られるだけならまだしも、もしゲーム感覚で強盗をやる変質者に当たったらそれこそ悲劇でしかないです。一晩中拷問を受け、挙句の果てには一人ずつ目の前で家族を殺される。そんなことが今の世の中でも普通に起こってしまうのが人間社会の恐ろしさです。

劇中の犯罪者二人はこれでもかというほど家族を精神的にもてあそび、また肉体的に暴力を食わせていきます。その痛みや苦しみがそのまま視聴者に跳ね返ってくるような演出で、監督の徹底したサディズムが見え隠れします。ときおり青年二人が視聴者に向かって話しかけてきたり、突然場面が巻き戻されたり、どこか視聴者をおちょくっているようにも見えます。

散々侮辱を受け、人間としての尊厳を奪われたかのような胸糞悪い気持ちになりたくないんだったら、この映画は見ないほうがいいでしょう。ただ、人をそこまでの気持ちにさせる映画ってそうないですよ。

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