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少年は残酷な弓を射るは怖い!ネタバレと感想

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kevin

愛を築けなかった母と息子の関係を描いた残酷で悲しい家族ドラマ。過去の記憶がフラッシュバックしていく形でストーリーが進み、最後にその全貌が明らかになる回顧録で、母と息子の関係を無駄なく細かく描いている上手い作品。71点(100点満点)

少年は残酷な弓を射るのあらすじ

自由を重んじ、それを満喫しながら生きてきた作家のエヴァ(ティルダ・スウィントン)は、妊娠を機にそのキャリアを投げ打たざるを得なくなる。

それゆえに生まれてきた息子ケヴィン(エズラ・ミラー)との間にはどこか溝のようなものができてしまい、彼自身もエヴァに決して心を開こうとはしなかった。やがて、美少年へと成長したケヴィンだったが、不穏な言動を繰り返した果てに、エヴァの人生そのものを破壊してしまう恐ろしい事件を引き起こす。

シネマトゥディより

読者のいきさんのリクエストです。ありがとうございます。いきさんにはたくさんリクエストしていただいたので、ちょっとずつ紹介していきたいと思います。

少年は残酷な弓を射るの感想

どうしても理解し合えない母と息子のフラストレーションが静かに重く伝わってきて心苦しくなるストーリーです。

なぜかこの映画を女性目線で、母親目線で観てしまう自分がいることに驚いてしまいました。こんな子供が生まれてきたら嫌だなあ、という漠然とした不安を抱かせる要素が多々ありました。逆に思春期の男の子が見たらこんな母親は嫌だなあと思うのでしょうか。

母親も息子も理想の親子とは程遠い自分たちの関係と相手の存在に対して強い嫌悪感を覚えます。

嫌いだけど、常に相手が気になってしょうがなく、相手の注意をひこうとしては、カラまわりするのが二人の特徴です。監督のリン・ラムジーはこの二人の関係を「ひねくれたラブストーリー」の関係だと形容していますが、その通りですね。

憎たらしいほど言うことを聞かない息子が劇中、一度だけ母親と心繋がるときがあります。母親が絵本を読んで聞かせ、息子が母親に身を預けて甘えるシーンです。

そのとき母親が読んであげた絵本がロビンフッドで、それをきっかけに息子が弓矢に興味を持ち、後に弓矢で無差別殺人を起こしてしまう展開が皮肉でした。

そういった一つ一つのシーンを特別強調せずにさらっと映し、後々につなげていく手法が上手いですね。

母親を演じたティルダ・スウィントンと息子を演じたエズラ・ミラーが文句なしの自然な演技だったし、特に息子がトイレでオナニーしているところを母親に見られたときの表情が恐ろしいのなんのって。あの狂気の目は普通できませんね。

心理的に恐怖をそそるスリラーとしても見れるけれど、本質は悲しい家族愛の話だと思います。自分の子供が犯罪に手を染めたことがある、という両親が見たら涙が止まらないんじゃないでしょうか。そしてそういう親たちがどれほど社会から弾きだされ、嘆き、苦しみながら自分の子供が犯した罪に対しての答えを探し求めていく様が見られる貴重な映画です。

>>『少年は残酷な弓を射る』の英語の名セリフ

「親子は愛し合っていなければいけない」というのを前提に生きていくと、失敗したときにこの親子のような歪んだ形で亀裂が生じてしまうのかもしれません。

メディアや社会によって植えつけられた理想の家族像とあまりにも違う自分の家族をどう受け入れるのかは親にとっても息子にとっても難しい問題ですね。

特に思春期のときなんかは理由もなくムシャクシャして、当たり散らしたくなる時期なので、手に届くところに弓矢や銃なんかがあったら危ないですね。

こんな時代だからいつ無差別殺人が起こるかも分からないので僕は普段からどこから矢が飛んできても避けられるように常にキョロキョロと警戒して歩いています。

コメント

  1. いき より:

    映画男様、早速リクエストにお答えくださりありがとうございます!リクエストを含め、そのほかの映画の批評もとても楽しみにしています。
    日本語のタイトルがすでにエンディングを物語っているのですね。
    エヴァのカルマをどしーんと感じました。一番かわいそうだったのは妹。こんな兄貴のために苦労させられることを承知して生まれてきたような天使のような女の子でした。
    私には子供が3人いますが、一番上の娘がまだ小さいとき、「この子は私をいじめるためにうまれてきたのではないか?」真剣に思ったものでした。時間通りにミルクを飲み、夜鳴きもせず、かんしゃくもおこさず成長している赤ちゃんを持つお母さんたちがほんとうにうらやましかったです。子供の人格形成には家庭環境が影響するのだろうけれど、多くは持って生まれるものなんじゃないか?とその後2人生まれて思うようになりました。ひねくれた性格は案外生まれ持っているのではと。ゆえにエヴァに同情するところは多いです。でも世間には「親の教育がなってない」っていう人は多いんだろうなー。

    • 映画男 より:

      いきさん
      コメントありがとうございます。この映画を見ると、本当に子育てのせつなさを感じますね。子供が犯罪を犯すと、親の責任だなんて言われたりもしますが、そういう場合もそうでない場合があるだろうから、親にとっては気の毒な話ですね。ただ、親目線では分からないことを子供は子供なりに感じているはずで、その辺の関係性は難しいですね。一番いいのは、早いうちから親子が他人になることだ、とある作家が言っていたのを思い出しました。

  2. いき より:

    >親子が他人になることだ
    そのとおりだと思います。距離を置いたほうが冷静になれますよね。
    でもそれが難しいのかな。特に母親と息子の関係って、母親と娘よりも
    複雑なものがあるのかなって思います。私には娘しかいないのでわかりませんが(苦笑)。

  3. きょーこ(’-’*)♪ より:

    子育ては愛情と忍耐と体力…と聞きますが、なんだかんだ結果論で決めつけられる親への批判には、ホント荷が重いことですね。
    悲劇だらけの何にも僅かな光に、かえって心に残る映画でした。
    (そして私は子どもの世話は大好きです。)