真実は可愛くて笑える是枝フランス映画!感想とネタバレ

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フランス映画でもあるし、是枝映画でもある、普通に楽しめる家族ドラマ。環境が変わっても実力を発揮できるところはお見事です。66点

映画「真実」のあらすじ

【公式】『真実』10.11公開/本予告

フランスの映画スター、ファビエンヌは自伝の出版を控えていた。それに合わせて娘のリュミールとアメリカ人の夫ハンク、そして孫のシャルロットがニューヨークから駆けつけて来た。

しかしファビエンヌの自伝はタイトルが「真実」にも関わらず、中身は真実からはかけ離れた内容だった。

それを知った娘のリュミールは、母親に不信感を抱いた。対してファビエンヌは女優は真実など語るものじゃない、と突っぱねた。たかが本なんだから本当のことを話す必要などないというのだ。

自伝によって傷つけられたのはリュミールだけじゃなかった。長年ファビエンヌの秘書を務めるリュックは、自分の名前すら本に出てこないといって退職を申し出た。

ファビエンヌは決して人のことを褒めようとはしなかった。彼女にとっては自分以外の人は取るに足らない存在だった。それは娘も同じだった。

ファビエンヌにはサラという親しいライバル女優がいたが、若くして亡くなっていた。サラはリュミールにとって母親代わりとなる存在で、サラを失ったことが原因でずっとファビエンヌとリュミールの仲は冷え切っていた。

映画「真実」のキャスト

  • カトリーヌ・ドヌーヴ
  • ジュリエット・ビノシュ
  • イーサン・ホーク
  • リュディヴィーヌ・サニエ
  • クレモンティーヌ・グルニエ
  • マノン・クラヴェル

映画「真実」の感想と評価

三度目の殺人」、「海よりもまだ深く」、「空気人形」、「そして父になる」、「万引き家族」、「海街diary」などの作品で知られる是枝裕和監督の日本とフランスの合作映画。

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カンヌ映画祭でグランプリを受賞した日本人監督が、フランス人俳優を使ってフランス映画を撮ったらどうなるんだろう、と思ってたら、しっかり是枝映画に仕上がっていました。

脚本は素晴らしいし、国や文化は違えど、誰が見ても理解できるようなハートフルな家族の物語になっています。

作風は、社会問題を扱う「万引き家族」や「そして父になる」といったタイプのものではなく、「海よりもまだ深く」に近いです。

つまり一見シリアスなようでいて、実際はユーモアをふんだんに取り入れたファミリーコメディドラマです。ある意味、予告に騙されましたね。

また、日本人目線じゃないのが新鮮でした。脚本も監督本人が書いてるのに、家族構成やそれぞれの関係性が完全に西洋風になっていて、自然に話に入っていけました。

日本人が外国を舞台にストーリーを書いたり、あるいは外国人が日本を舞台に映画を撮ると、ヘンテコな世界観になりがちだけど、特に違和感を覚えなかったし、是枝裕和って言われなかったら気づかないぐらいでした。

ヒロイン、娘、孫の三人の女がそれぞれいい味だしていますね。それに対し男たちは皆どこか頼りない、尻に敷かれている男たちばかりで、裏方でサポートする役回りになっていました。そういう意味では女性賛美の映画なのかなぁ、という印象も受けます。

ヒロインの娘の夫がアメリカ人っていう設定はなかなか面白かったです。あの設定のおかげでアメリカ人の夫がフランス人同士の会話についていけず、それ故に発言権もそんなに与えられず、絶えず嫁に気を使いながらフランス滞在している感じが出ていましたね。

また、ヒロインの元旦那が平然と家に遊びに来たりするドライさとか、なかなか細かいところを捉えてますよね。

女優一家にとっては何が真実か、何が嘘かはもはや分からない、っていうプロットも上手いです。

それぞれが発する言葉は”セリフ”なのか、あるいは本音なのか。演技なのか、素なのか。もはやその答えを知ることに意味なんてなく、演技だろうと、演出だろうと、それで人間関係が成り立つんだったら、それこそが真実だとも捉えられそうですね。

全体的に言えるのがみんなそれぞれ可愛い、ということです。主演のカトリーヌ・ドヌーヴの嫌味なところや我儘さすらも可愛く映ってるし、 ジュリエット・ビノシュは相変わらず魅力的だし、リュック、ジャック、ピエールといった脇役を演じた俳優たちもみんなキュートですよね。なによりみんなで広場でノリで踊り出すシーンが彼らの純粋さというか、いい意味での子供っぽさを表していた感じがしました。

カトリーヌ・ドヌーヴはかなりはまっていましたね。フィクションなんだろうけど、実際もあんな毒舌ババアなんじゃないかといった偏見を持ってしまうほど、マッチしていました。

役柄は完全にほかの是枝作品の中の樹木希林と重なっていましたね。ほんと、おばあちゃん好きだよね。おばあちゃんの特徴引き出すの上手すぎでしょ。

相変わらず、演技と脚本を武器に会話を中心に物語を構成していて、決して派手さや大胆さがなくてもちゃんと面白いストーリーになっているのが不思議です。

一方、マイナス点を挙げるとしたら、物語のキーパーソンであるサラがいまいちどんな人なのか見えてこないところでしょうか。

あんなにしつこく言及するなら、ぼやっと触れるだけじゃなくて、もっと詳しく語ってもよかったかなぁ。なんだったら顔が出てきてもいいし、回想シーンがあってもいいし。最初はてっきりファビエンヌとサラが親子か、あるいは姉妹なのかと思ったもん。それなのにどうやら血縁関係はないらしいんですよ。

これ、フランス人が見たらどうなんでしょうね。ストーリーは自然に映るのか、それとも不自然な箇所が多々あるんでしょうか。現地の人の意見を聞きたいところですね。

ただ、フランス映画でもここまで作れるなら、是枝監督は世界中どこ行ってもそれなりのクオリティーの映画が撮れそうですね。ハリウッド映画一度撮らないかなぁ。

コメント

  1. onscreen より:

    公開時はスルーしてしまい、DVDで観ました。

    私はフランス語はしゃべれないし会話劇だということで
    まずは日本語版でみました(英語の映画は絶対英語)

    リップがシンクしないその気持ち悪さとは別に、映画は
    大変たのしめました。

    次に、フランス語原語でみてみると、ストーリーはもう
    わかっているので抵抗なく観れたとともに、英語しかしゃ
    べれないお婿さん(イーサン・ホーク)の辛さが理解で
    きて面白かったです。おっしゃる通りですね!

    言語って深い…

    https://blog.goo.ne.jp/onscreen/e/96de35d9dfd7d129d5cd2c87251bc4cd